循環経済実現に向け、ミミズによる残渣の有機肥料化に向けた実証実験を開始

サントリーホールディングス(株)は、ミミズによる残渣(ざんさ)の有機肥料(堆肥)化に向けた実証実験を開始しました。ミミズは有機物を分解する能力が高く、その排泄物には、植物の生育に必要な微生物や栄養素(窒素・リン酸・カリウム等)が多様に含まれます。今回の実証は、ミミズの働きに着目し、残渣をアップサイクル※2させて有機肥料を作ることを目的としたものです。
※1 有機物を分解し、堆肥を作る容器・装置
※2 廃棄予定だったものに手を加え付加価値を与えること
実証実験では三菱地所(株)と協力し、同社が開発を進める「TOKYO TORCH(トウキョウ トーチ)」街区(東京都千代田区)にミミズの入ったコンポスト「mimizunchi(ミミズンチ)」を設置し、街区内の飲食店から出る食品残渣(主にコーヒーかす)を投入します。ミミズを通じた分解により堆肥・液肥を作り、それを街区の植栽などの栽培に使用することで、街区内(都市部)の資源循環の実現を目指します。「mimizunchi」でミミズを飼育するにあたっては、定住型でコンポスト内に留まる性質を持ち、残渣の処理(消化)能力が高いシマミミズを活用。本コンポストは1日あたり最大で約2kgの残渣を処理でき、残渣を投入してから、約3カ月で堆肥が完成します。

ミミズを活用した有機肥料の開発プロジェクトは、サントリーグループの社内ベンチャー制度「FRONTIER DOJO(フロンティア道場)※3」から生まれ、事業化に取り組んでいるものです。自社から出る汚泥※4をミミズに与えて作られる堆肥について肥料としての有用性を検証しており、将来的にはミミズにより作られた肥料の商品化・販売を目指しています。ミミズによる有機肥料は良い土壌の条件とされる多様な微生物や栄養バランスを含むなど多くのメリットがあり、身近な生き物で製造可能という点に注目しています。資源循環の観点で、将来的には汚泥だけでなく製造残渣の活用なども検討しています。
※3 2021年より実施する、社員が新規事業創出にチャレンジするグループ内制度
※4 工場での排水処理などで発生するもの等
サントリーグループではかねてより、再生農業※5など土壌の改善を通じた持続可能な農業の導入に取り組んでおり、将来的にミミズを活用した肥料が実用・市販化できれば、農業分野での化学肥料等の使用量減に伴うGHG削減や有機肥料栽培における農作物の収量増、残渣・汚泥のアップサイクルなど資源循環に貢献できるものと考えています。
※5 土壌の健全性や生物多様性などを保護・再生しながら、農家の生活向上にも資する、持続可能かつ成果ベースの農業アプローチ。具体的には化学肥料や農薬の使用量抑制等を通じ、GHG排出削減等につながる。
▼サントリーグループのサステナビリティ
https://www.suntory.co.jp/company/csr/
▼「mimizunchi」ホームページ
以上
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