ロヒンギャ難民危機から2年、ユニセフ最新報告書【プレスリリース】

長谷部誠大使のキャンプ訪問ミニ・ドキュメンタリーも本日公開

 

ミシンを使った裁縫の技能を学ぶロヒンギャ難民の15歳の女の子。© UNICEF_UN0326950_Brownミシンを使った裁縫の技能を学ぶロヒンギャ難民の15歳の女の子。© UNICEF_UN0326950_Brown

【2019年8月16日 ニューヨーク/ジュネーブ/コックスバザール(バングラデシュ)発】
 

報告書『生き抜いた先に:ロヒンギャ難民の子どもたちは学びたい(原題:Beyond Survival Rohingya Refugee Children in Bangladesh Want to Learn)』報告書『生き抜いた先に:ロヒンギャ難民の子どもたちは学びたい(原題:Beyond Survival Rohingya Refugee Children in Bangladesh Want to Learn)』

ユニセフ(国連児童基金)は本日、新しい報告書『生き抜いた先に:ロヒンギャ難民の子どもたちは学びたい(原題:Beyond Survival: Rohingya Refugee Children in Bangladesh Want to Learn)』を発表しました。同報告書の中で、ユニセフは、バングラデシュ南東部で暮らすロヒンギャ難民の子どもや若者たちは不満と絶望に打ちのめされており、彼らが暮らす広大なキャンプの内外で教育や能力開発の機会創出に緊急に投資が必要であると訴えています。

報告書は、ミャンマーでの暴力激化から逃れるためおよそ74万5,000人のロヒンギャの人々が流入してから2年の節目に発表されました。同報告書によると、教育分野全体では、2019年6月までに4歳から14歳の子ども28万人が非公式教育の機会を得ることができました。ユニセフはパートナー団体とともに、そのうち19万2,000人の子どもたちに対し、2,167カ所の学習センターに通えるよう支援しました。

しかし、2万5,000人の子どもたちがいまだ学習プログラムに参加することができておらず、さらに640カ所の学習センターが必要とされています。その上、15歳から18歳の子どもにおいては97%が、いかなる教育施設へも通うことができていません。

「バングラデシュで暮らすロヒンギャの子どもや若者たちはもう、生き延びるだけでは十分ではないのです」とユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。「彼らのこれからの長い将来を保証する質の高い教育や能力開発が非常に重要です」

より公教育に近い学習教材が、キャンプの学習センターで学ぶ子どもたちに着実に広がりつつあります。ユニセフは他機関とともにミャンマーとバングラデシュ両政府に対し、カリキュラムや学習指導要領、評価手法など国の教育資源を使い、ロヒンギャの子どもたちにより体系的な教育を提供することを認めるよう求めています。

「学習教材の提供は大規模な取り組みで、様々なパートナーの協力なしには実現できません。しかし、子どもや若者世代の希望は危機に瀕しています。子どもたちを裏切るわけにはいきません」(フォア)

コックスバザールのロヒンギャ難民キャンプで暮らす18歳のウラーさんは、年齢的に学校に通う機会がなく、毎日独学で勉強をしている(2019年6月24日)© UNICEF_UN0326963_Brownコックスバザールのロヒンギャ難民キャンプで暮らす18歳のウラーさんは、年齢的に学校に通う機会がなく、毎日独学で勉強をしている(2019年6月24日)© UNICEF_UN0326963_Brown

報告書は、適切な教育の機会がなければ、自暴自棄になったロヒンギャの若者たちをバングラデシュの外に連れ出そうする人身売買業者や、この地域で暗躍する麻薬密売人の犠牲になる若者が生まれてしまうと述べています。女性や女の子は、特に夜間にハラスメントや虐待に直面します。

ユニセフは、包括的な支援パッケージの一部としてライフスキルや心理社会的支援、基本的な読み書きや職業訓練をおこなうユースセンターや、若者が集うことができるクラブ組織の開発を支援しています。2019年7月までにこうした施設70カ所近くが稼働し始めましたが、さらに多くが必要です。

「私たちの目標は、人身売買、虐待、女の子の場合には児童婚といった多くの危険に対処するために必要なスキルを若者たちが身に着けられるよう支援することです」とユニセフ・バングラデシュ事務所代表の穂積智夫は述べました。「広い意味で、私たちは、若者たちが自分たちのアイデンティティを築き、自分たちを取り巻くこの非常に厳しい状況を解決していく一員となるよう支援しているのです」
 

ソーラー電池を設置するための技能を学ぶ、ロヒンギャ難民の女の子たち(2019年6月25日撮影)© UNICEF_UN0326948_Brownソーラー電池を設置するための技能を学ぶ、ロヒンギャ難民の女の子たち(2019年6月25日撮影)© UNICEF_UN0326948_Brown


2017年以降、人道支援機関は、バングラデシュ政府のリーダーシップのもとで保健、栄養、水と衛生、教育、保護、その他の基本サービスの強化を大きく推し進めることができました。例えば、キャンプ内に保健センターを設置し、妊婦や赤ちゃんのための24時間体制の医療サービスを確立したり、塩素処理された水をパイプラインを通じて給水所に届ける支援を広く展開しました。下痢やその他の水に起因する病気は今も脅威ですが、幼い子どもたちの間の栄養不良率は低下しているとユニセフは報告しています。

 


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本報告書の発表に合わせ、日本ユニセフ協会は、本年6月にコックスバザールのロヒンギャ難民キャンプを訪問した長谷部誠・日本ユニセフ協会大使の映像を公開しました。それぞれ下記URLからご覧いただけます。
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■ 本信発表する報告書PDF(英文)は下記からダウンロードいただけます。
https://www.unicef.org.au/Upload/UNICEF/Media/AboutUs/Publications/UNICEF-Rohingya-ChildAlert-2019.pdf

■   本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。原文は、下のURLからご覧いただけます。
http://j.mp/2OZMpeP

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■   ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■   日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
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