野心的評伝『決断の太平洋戦史 「指揮統帥文化」からみた軍人たち』が3月27日に刊行されます!
ベストセラー新書『独ソ戦』で知られる戦史研究の第一人者・大木毅が、今度は太平洋戦争を徹底分析。
山下奉文、ハルゼー、小沢治三郎、そしてルメイ。太平洋で戦った12人はどのように勝利し、いかにして敗れたのか。戦史の根底に存在する、個人の優劣を超えた「勝敗の定理」を探る――。
軍艦や戦闘機の性能ではない、兵力の差だけでもない。日本軍が連合軍に敗れたのは、「リーダー養成哲学」と「人材登用システム」の差だった――。「指揮統帥文化」という新たな視点で、日米英12人の戦歴を再検証する。
ドイツ軍事研究で名を馳せた著者ですが、実は太平洋戦域での軍事行動、そして日本軍人に対しての深い知識と造詣がありました。本作では、太平洋戦争に参戦した日米英3か国12人の指揮官、参謀について、最新研究をもとに、その生い立ちから軍人としての教育、戦歴をつぶさに追います。しばしば戦争の帰趨を左右した彼らの戦いを通じて炙り出されるのは、日本軍と米英軍の間に画然と存在する、リーダーシップ醸成のための方策と、人材登用システムの差でした。そのまま21世紀日本の問題点を摘出したかのような分析は、軍事に関心を抱く読者だけでなく、ビジネスの現場で人材育成やリーダーシップ涵養に腐心する、幅広い層に様々なヒントを与えてくれるはずです。
【登場する軍人】
山下奉文
ウィリアム・ハルゼー・ジュニア
三川軍一
アリグザンダー・A・ヴァンデグリフト
小沢治三郎
クレア・L・シェンノート
【推薦コメント】
防衛大学校名誉教授 戸部良一
過去の戦史・軍事史を例としながら、本書の指摘には、現代日本の組織一般におけるリーダーシップの問題についても示唆するところ、考えさせられるところがたくさん含まれている。
【目次】
第一章 「戦争になって、不十分な兵力で相当厄介な仕事にかかることになるか」
アーサー・E・パーシヴァル中将(イギリス陸軍)
第二章 「パーフェクト・ゲーム」
三川軍一中将(日本海軍)
第三章 「これだから海戦はやめられないのさ」
神重徳少将(日本海軍)
第四章 「日本兵はもはや超人とは思われなかった」
アリグザンダー・A・ヴァンデグリフト大将(アメリカ合衆国海兵隊)
第五章 「細菌戦の研鑽は国の護りと確信し」
北條圓了大佐(日本陸軍)
第六章 「空中戦で撃墜を確認した敵一機につき、五百ドルのボーナスが支払われた」
クレア・L・シェンノート名誉中将(アメリカ合衆国空軍)
第七章 「諸君は本校在学中そんな本は一切読むな」
小沢治三郎中将(日本海軍)
第八章 「猛烈に叩け、迅速に叩け、頻繁に叩け」
ウィリアム・ハルゼー・ジュニア元帥(アメリカ合衆国海軍)
第九章 「これが実現は内外の情勢に鑑み、現当局者にては見込つかず」
酒井鎬次中将(日本陸軍)
第十章 「おい、あの将校に風呂を沸かしてやれ」
山下奉文大将(日本陸軍)
第十一章 「殴れるものなら殴ってみろ」
オード・C・ウィンゲート少将(イギリス陸軍)
第十二章 「爆撃機だ、爆撃機を措いてほかにはない」
カーティス・E・ルメイ大将(アメリカ合衆国空軍)
終章 日本陸海軍のコマンド・カルチャー――一試論として
【著者紹介】
1961年東京生まれ。立教大学大学院博士後期課程単位取得退学。DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生としてボン大学に留学。千葉大学他講師、防衛省防衛研究所講師、陸上自衛隊幹部学校講師等を経て著述業に。雑誌「歴史と人物」の編集に携わり、旧帝国軍人を多数取材。『独ソ戦』(岩波新書)で「新書大賞2020」大賞を受賞。近刊に『戦史の余白 三十年戦争から第二次大戦まで』(作品社)、『勝敗の構造 第二次大戦を決した用兵思想の激突』(祥伝社)など。
【書籍データ】
〈タイトル〉決断の太平洋戦史 「指揮統帥文化」からみた軍人たち
〈著者〉大木毅
〈発売日〉3月27日
〈造本〉選書(ソフトカバー単行本)
〈本体価格〉1,600円(税込1,760円)
〈ISBN〉978-4-10-603907-2
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