インテック、愛媛CATVに地域共同利用型の画像AI解析システム及びデータ連携基盤を構築
地域の産学官民が共同利用することで地域DXを推進
インテックと愛媛CATVは、愛媛県松山市を中心にICTやIoTを活用した地域課題の解決に取り組むため、2021年10月からスマートシティ分野で協業しています。従来のソリューションでは高価な専用センサーを使うため、導入・維持管理コストが嵩み、費用対効果が得られにくいことが課題となっており、地域のステークホルダーと協力し、汎用性と共有性に着目した解決策を検討してきました。
そこで両社は解決策の実現に向けて、2022年9月に総務省の「令和4年度地域課題解決のためのスマートシティ推進事業※1」に応募し、採択されたことで、汎用カメラとAI技術を活用した地域共同利用型の画像AI解析システム及びデータ連携基盤を構築しました。なお、本システムの構築事業は民間企業である愛媛CATVが実施主体として採択された珍しいケースとなります。
※1 地域課題解決のためのスマートシティ推進事業:地域が抱える様々な課題の解決や地域活性化・地方創生のため、スマートシティリファレンスアーキテクチャを満たす都市OS/データ連携基盤の導入(整備・改修)や当該都市OSに接続するデジタル技術を活用したサービス・アセットの整備等を行う事業
■本システムの特長
① 画像AI解析システム
既設カメラや量販店で購入可能な汎用カメラの画像を活用し、取得した画像をAIでリアルタイムに分析することができます。人流や車などの混雑状況を分析し、利用者へリアルタイムの情報提供を行うことで、回遊性や消費行動の向上に繋げることができます。なお、本システムは個人情報や機密情報に配慮する必要のある画像を取得するため、愛媛CATVが既に構築しているローカル5Gの地域無線通信基盤を活用し、閉域網内のセキュアな環境に画像AI解析システムを構築しました。
② データ連携基盤
画像AI解析システムとクラウド環境上に構築した都市OSを専用線で接続するハイブリット型のデータ連携基盤(FIWARE※2)を構築しました。スマートシティリファレンスアーキテクチャ※3に準拠した基盤とすることでデータ連携の仕様が標準化され、地域の様々なステークホルダーが保持しているデータを容易に相互連携することが可能となります。
※2 FIWARE:ヨーロッパで開発されたスマートシティプラットフォーム用のオープンソースソフトウェア群
※3 スマートシティリファレンスアーキテクチャ:内閣府が定めたスマートシティを進める上での体系的な指針
■ユースケースでの試行効果
本システムの構築にあたり、4つのユースケースで試行および効果検証を行いました。
・ケース① 三津浜地区(商店街・駐車場)
商店街に流入する車の駐車場利用状況、商店街内の人気店舗前における待ち行列等を分析し、
回遊性の向上や活性化の施策検討に繋がりました。
・ケース② レスパスシティ(商業施設)
商業施設の出入口の通行量を測定し、施設内の動線検討や混雑時の出入口の誘導等の施策検討に繋がりました。
・ケース③ しまなみ海道(観光地)
サイクリストの時間帯別移動方向を測定しました。今後、しまなみ海道のルートに合わせて複数個所の状況を解析することで移動距離や休憩場所などを把握し、利便性の向上・消費拡大に繋がる施策検討に活用できることが分かりました。
・ケース④ ツウテック/ユタカ(工場)
特定の機械前で作業する作業者の滞在時間帯を測定し把握することができました。この結果を生産計画や機械の稼働状況と相関分析することで、計画と実績の差異を明確化し、生産性向上に寄与できることが分かりました。
本事例の詳細はこちらをご覧ください。https://www.intec.co.jp/case/detail/59.html
■エンドースメント
地域密着のケーブルテレビ事業者として、地域のにぎわい創出や生産性向上、地域DXの推進による地域活性化に取り組んでおります。従来のスマートシティの取り組みは、主にプラットフォーム運営者によるパブリックデータの公開と流通に重点が置かれていました。しかし、地域DXを進めるためには、地域の様々なステークホルダーが自由に利用でき、自律的な発展が可能な受益者負担型のビジネスモデルを想定した仕組みづくりが重要と考えております。そこで、画像AI技術を活用し、汎用カメラを用いて地域の様々な情報を容易に収集し活用できるシステムを構築し、付加価値の高いパブリックデータを創出できるプラットフォームの実現を目指しました。
このたび、インテックが中心となり、地域のステークホルダーと課題収集やシステム活用方法について繰り返し対話を重ねていただいたことで、様々なユースケースで活用できるシステムを構築できました。本システムは地域の課題解決に資すると共に、このシステムを通じて地域のDXを推進するための受益者負担型ビジネスモデルを実現できると確信しております。インテックには今後とも永く弊社のパートナーとしてビジネスを支えてくれることを期待しています。
株式会社愛媛CATV
専務取締役 白石 成人
■今後の展開
インテックは、今後も愛媛CATVと地域のにぎわい創出や生産性向上、地域DXを推進していきます。また、今回構築した画像AI解析技術や閉域網との接続におけるノウハウをインテックが提供する「エリアデータ利活用サービス」のオプションサービスに加え、全国展開していく予定です。
■「エリアデータ利活用サービス」について
エリアデータ利活用サービスは、IoTによるリアルタイムデータやオープンデータなど様々なサービス・ソリューションと連携し、地域の暮らしに関連するデータを収集・可視化・利活用を促進するデータ連携基盤を中心としたサービスです。
「エリアデータ利活用サービス」の詳細は、以下をご参照ください。
https://www.intec.co.jp/service/detail/area-data/
※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
株式会社インテックについて(https://www.intec.co.jp/)
お客様の経営戦略に沿った情報化戦略の立案からシステムの企画、開発、アウトソーシング、サービス提供、運用保守まで、IT分野において幅広く事業を展開しています。インテックは、1964年の創業以来培ってきた技術力をもとに、AI、RPA等のデジタル技術の活用や、新たな市場の創造にも積極的に挑戦しています。常にオープンな姿勢で、人、企業、社会を技術でつなぎ、自らも変革しながら「豊かなデジタル社会の一翼を担う」企業としてお客様に新しい価値を提供してまいります。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心とした様々な社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
◆本サービスに関するお問い合わせ先
株式会社インテック
ビジネスイノベーション事業部 クロスインダストリー企画部 松島、中西
E-mail:Smart_IoTPF@intec.co.jp
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