大学生向け思考力測定テスト「GPS-Academic」の記述・論述版に自動採点を導入

AI自動採点システムにより、採点・返却期間を従来の1〜2ヶ月から即日へ短縮　学生の振り返りや活用のしやすさ、受検機会の自由度を向上

　株式会社ベネッセホールディングスとパーソルキャリア株式会社の合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリア（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：風間 直樹、以下：ベネッセi-キャリア）は、自社の提供する大学向けオンラインテスト「GPS-Academic」の記述問題採点にAI自動採点システム※1を導入し、2026年度版テスト（2026年2月より提供）から結果の即日返却を開始します。

　「GPS-Academic」は、「思考力」「姿勢・態度」「経験」の観点から社会で活躍するために必要な能力を可視化、それらの結果から自分の強みや課題などを把握した上で、主体的な学びにつなげることを目的としたテストです。大学教育の成果や、社会進出後に必要となる汎用的能力「問題を解決する力」を測ることができるテストとして、215大学28万人（2024年度実績）に活用されています。

　「GPS-Academic」には選択式と記述・論述式の2つの形式があります。記述・論述式においては、実生活に即した論述問題※2を出題し、論理性や視野の広さ、課題設定の的確さなど思考のアウトプットを多面的に測定し、確立したルーブリックに基づく質の高い採点で受検結果を戻します。これにより、学生が受検後に強み・弱みの振り返りとそれをふまえた学習のサイクル（PDCA）を回すことを支援し、社会に出た後の活躍につながるスキルの習熟につなげる内容になっています。しかし、本テストを学生が活用する上で、専門のスタッフによる採点に一定の時間がかかり、返却するまで約１～2か月を要するという課題がありました。

　今回、AIが採点ルーブリックに基づき評価を行うAI自動採点システムを導入することで、出題形式や測定項目を変更することなく、現行と同じ品質を維持したままで、採点から返却までを即日で行えるようになります。これにより、学生は受検後の記憶が新しいうちに振り返りを行うことが可能となり、学内での成長行動のきっかけとしやすくなります。また、返却期間を気にせず受検できるため、活用の自由度も高まりました。

　ベネッセi-キャリアでは、今回の即日返却化で「GPS-Academic」の提供価値を高め、学生の「汎用的スキル」育成支援の強化につなげてまいります。

※1：AI自動採点システムの開発および導入は、「GPS-Academic」の採点を担うHmcomm株式会社が担当しました。

 ※2：論述問題のサンプル　https://www.benesse-i-career.co.jp/gps_academic/about/index.html#sample06

                

 ■AI自動採点システム導入の背景

　ベネッセi-キャリアが運営するシンクタンク「まなぶとはたらくをつなぐ研究所」が行った調査※3では、企業・大学ともに思考力や問題解決力といった学生の「汎用的スキル」を重視している（右図1）一方で、入社後に企業が最もギャップを感じていることも「汎用的スキル」である（右図2）ことがわかりました。

【図1】

　その要因の一つに、「理解はあるが書けない」アウトプット不足が挙げられます。

　今回のAI自動採点を活用した即日返却の導入は、学生にとっては、アウトプットの機会と学習のサイクルをさらに早く多く回せるメリットがあり、「GPS-Academic」の提供価値向上につながると考えます。

【図2】

※3：「まなぶとはたらくをつなぐ研究所」の調査①「企業の「新卒採用動向」における調査 2025」(回答823社/2025年12月レポート公開予定) 、②「大学キャリアセンターの 「学生キャリア支援」 における調査 2024」（回答277大学/https://www.benesse-i-career.co.jp/news/20241220_2release.pdf）からデータを引用。図1は①と②のデータを引用しての比較、図2は①から引用。

■「GPS-Academic」について

　ベネッセi-キャリアと株式会社ベネッセコーポレーションが開発した、大学向けのオンラインアセスメントサービスです。学生が身につけるべき汎用的能力「問題を解決する力」を、「思考力」「姿勢・態度」「経験」の視点から可視化します。

　受検する学生は、本アセスメント共通の設問である①問題解決の質と深さを左右する「思考⼒」、②問題解決に向かう「姿勢・態度」、③問題解決の⼒を磨くための「経験」の3領域と、各大学が個別設定する「学⽣意識調査」に回答します。測定結果（帳票）を大学、学生に提供します。

　測定結果が学生、大学双方に提供されることにより、学生側は自身の強み・弱みの客観的な把握、大学側は学生・保護者などとの面談での今後に向けたアドバイスなどに活用することが可能です。

　また、学生向けのフォローガイダンスや学習コンテンツ、大学担当者向けの活用・分析方法についてのセミナーといった学内でのデータ活用の継続的サポートなども提供しています。

▶「GPS-Academic」サービスサイト：https://www.benesse-i-career.co.jp/gps_academic/

■株式会社ベネッセi-キャリアについて＜ https://www.benesse-i-career.co.jp/ ＞       

　株式会社ベネッセホールディングスとパーソルキャリア株式会社が2015年4月に設立した合弁会社です。株式会社ベネッセコーポレーションの大学教育事業部門とパーソルキャリア株式会社の新卒就職支援部門が一緒になりました。両社の力を最大限に活用して、大学の教育支援、学生の就活支援、および企業の採用支援を行う事業を推進しています。大学生向け教育事業と新卒学生に特化した就職支援事業を合わせることで、学生の力を伸ばし、学生が自分を活かせる職場に出会い、自らの力で社会に貢献できる人材になることを支援してまいります。教育事業と就職支援事業の一体的な運営を通じて「まなぶ と はたらく をつなぐ」ことを目指します。