LCA算定の精緻化・効率化でCO₂排出量の低減を加速
10月からOne Click LCA(ワンクリックエルシーエー)を本格導入しCO₂排出・固定量把握の精緻化を推進
大東建託株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 CEO:竹内啓)は、10月より本格的にCO2排出量算定の取り組みを強化し、エンボディドカーボン(Embodied Carbon)※1計算の精密化と効率化を図ります。
昨今、日本国内では、CO2排出量のおよそ40%を占める建築物分野において、エコ建材の活用など持続可能な建築が求められています。2028年には、建築物の計画から解体までのライフサイクル全体におけるCO2排出量の算定・評価が制度化され、最終的にはCO2排出量削減の取り組みが業界全体での共通要件となる見込みです。
一方で、日本国内ではLCA(ライフサイクルアセスメント)に関する標準化されたデータベースの不足や、LCAの評価基準が複数存在するなど、業界全体で統一された基準がないため、評価結果の比較が困難であるという課題も存在しています。
こうした中で、大東建託は2014年から業界に先駆けLCAの算定を始め、これまでに一般的な木造アパート、CLT造マンション、RC造マンションの3種類の基準モデルをもとに、エンボディドカーボンの概算算出を実施してきました。2022年より、より精緻な算定を実現するため、国際規格に準拠したLCA算定ソフトウェア「One Click LCA」(ワンクリックエルシーエー)※2を導入し、10月より本格的に利用を開始します。
このソフトウェアは、建築物の部位や資材ごとのCO2排出量をグラフで可視化し、環境負荷の高い工程や部位、資材に加え、削減効果の大きい領域の分析を可能にします。また、算定基準モデルも従来の3種類から、構造・用途・間取りなどで分類した大東建託の主要14商品に基づく16種類に拡大され、当社が年間に供給する建物の約9割をカバーできるようになります。これにより、CO2排出量の算定がより効率的かつ精緻に行えるようになります。さらに、木材などの炭素固定量も自動で評価できるため、木造建築物の環境価値を定量的に示すことも可能です。
算定範囲の中で、精緻化による削減効果を特に見込んでいるのは、建設業界でCO2排出量の大部分を占めるスコープ3。このうち原材料の調達などを含む「カテゴリー1」でのCO2をより正確に算定することにより、サプライチェーン全体での排出量削減に向けた取り組みの強化が期待できます。
今後は、精緻化したLCA算定を基に、CO2排出量の低減を意識した設計・資材選定を推進し、EPD※3認証を取得した資材・設備の採用を積極的に進めていきます。
大東建託は、今後も率先して持続可能な設計や資材選定を促進し、建物の資材調達・輸送・施工・解体など、建物に関わるサプライチェーン全体でのCO2排出量削減に貢献していきます。
※1 建築物の建設、改修、維持管理、解体、廃棄、リサイクルといった、建物が運用される以外のライフサイクル全体で排出される温室効果ガス(主に二酸化炭素)の総量
※2 フィンランドの「One Click LCA社」が提供するソフトウェアで、建物のCO2を見える化し、脱炭素設計を支援するLCA算定ツール。欧州を中心に170カ国で利用され、ISOや欧州規格を含めた世界80種類以上の環境認証に対応。日本では住友林業株式会社が総代理店となっている。なお、住友林業株式会社と大東建託株式会社は、2025年2月に国産材利活用など広範な業務提携で基本合意をしており、今回のOne Click LCA導入もこの提携の一環となる。
※3 Environmental Product Declarationの略称であり、環境製品宣言と呼ばれている。製品の一生涯の環境影響を算出し、CO2排出量をはじめとする製品の環境負荷を定量的に示したもので、第三者機関が検証し、文書化したもの。
以上

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