アフガニスタン:毎日9人の子どもが死傷~世界で最も命の危険が高い紛争地帯と警鐘【プレスリリース】

ユニセフ、子どもや市民の保護を訴え

公益財団法人日本ユニセフ協会

ヘラートの国内避難民キャンプに設置された栄養センターの前で、妹を抱く12歳のヤスミンさん。(2019年12月11日撮影) © UNICEF_UNI242646_ヘラートの国内避難民キャンプに設置された栄養センターの前で、妹を抱く12歳のヤスミンさん。(2019年12月11日撮影) © UNICEF_UNI242646_

【2019年12月17日 ニューヨーク/ジュネーブ/カブール(アフガニスタン)発】

アフガニスタンの40年にわたる紛争は、子どもたちに壊滅的な影響を与えており、その当事者たちは、紛争がもたらす結果から子どもたちを保護する義務を果たしていないと、ユニセフ(国連児童基金)は本日訴えました。
 

報告書『アフガニスタンで希望を守る-世界で最も命を奪う紛争下の子どもの保護(原題:Preserving Hope in Afghanistan-Protecting children in the world’s most lethal conflict)報告書『アフガニスタンで希望を守る-世界で最も命を奪う紛争下の子どもの保護(原題:Preserving Hope in Afghanistan-Protecting children in the world’s most lethal conflict)

ユニセフが発表した報告書『アフガニスタンで希望を守る-世界で最も命を奪う紛争下の子どもの保護(原題:Preserving Hope in Afghanistan-Protecting children in the world’s most lethal conflict)』は、2019年の最初の9カ月間に、毎日平均9人の子どもが殺されたり、重傷を負ったりしたことを示しており、この数は2018年の同時期に比べて11%増加注1したと伝えています。その大きな要因は、自爆攻撃と、政府軍-反政府勢力間の戦闘の急増です。

2009年から2018年までの10年間で、6,500人近くの子どもが死亡、約15,000人が負傷し、その結果2018年にアフガニスタンは世界で最も命を奪う戦争地帯となりました注2。

ユニセフは、暴力の直接的な影響に加えて、自然災害、貧困、開発の遅れなどの複合的な影響によって、子どもたちの生活が破壊されていると述べています。

「アフガニスタンの子どもたち、その家族、地域社会は、毎日毎日、紛争がもたらす恐ろしい結果に苦しんでいます」と、ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「今すぐにでも一般市民、特に子どもたちを紛争の影響から守らなければなりません」

フォアは、紛争に関わる各当事者に対し、一般市民の犠牲を防ぐことを定めた国際人道法と人権法に基づく義務を果たし、学校や保健センターを標的にすることを止め、一般市民が人道支援やサービスにアクセスすることを可能にするよう要請しました。
 

 

ユニセフはまた、長年の流血と混乱がアフガニスタンで何百万人もの子どもたちの人生を形作っている一方で、5歳未満児の死亡率は2008年から3分の1近く削減され、国の96%はポリオを撲滅でき、同国初の子どもの権利保護法が採択されるなど、重要な進展もあったと報告しています。

ユニセフによると、世界で最も高い水準にある非識字率に取り組み、学校に通えていない推定370万人の学齢期の子どもたちに教室や教師を提供するため、教育への投資が緊急の優先事項です。

毎年40万人のアフガニスタンの若者が労働市場に参入しますが、多くは仕事や生活の糧を得るために必要な職業スキルを持っていません。

「アフガニスタンの若者たちは、自分の職業の可能性は武装グループに参加したり、国から逃げ出して海外で運を試すこと以外にも広がっていることを知る必要があります」と、ユニセフ・アフガニスタン代表のアブバカール・カンポは話しました。「適切な支援があれば、若者たちは暴力や開発の遅れのサイクルから脱却し、自身とアフガニスタンのためにより良い未来を作り出すことができます」

ユニセフは、アフガニスタン当局や地域社会と協力して、様々な負の社会規範に取り組んでいます。女の子は名誉殺人や家庭内の虐待、性的暴力の危険に晒されています。少なくとも3人に1人は18歳の誕生日を迎える前に結婚しています。男の子たちは武装集団の徴兵に直面し、児童労働を強いられ、廃棄された武器弾薬(爆発性戦争残存物)による事件の犠牲者の大半を占めています。
 

カブールの病院で重度の急性栄養不良の治療を受け、快方に向かっている2歳のカリードちゃん。(2019年11月26日撮影) © UNICEF_UNI230835_Bouvetカブールの病院で重度の急性栄養不良の治療を受け、快方に向かっている2歳のカリードちゃん。(2019年11月26日撮影) © UNICEF_UNI230835_Bouvet

パートナーと共に、ユニセフは27万7,000人の重度の栄養不良の子どもたちに治療を行っています。しかし、さらに支援を必要としている30万人の子どもたちへ手を差し伸べるためには、プログラムを大幅に拡大する必要があります。

ユニセフは、昨年の深刻な干ばつで被害を受けた280万人のアフガニスタンの人々を支援していくために、重力と太陽光発電を利用した持続可能な給水システムの導入を始めています。それでも外部汚染から保護され、改善された飲料水にアクセスできるのは、人口の64%です。

ユニセフは、2020年のアフガニスタンでの活動を支える資金3億2,300万米ドルを求めていますが、その75%が不足しています。

注1:国連アフガニスタン支援ミッションの紛争データ
注2:「The Armed Conflict Location & Event Data Project (ACLED) 」2018年レビュー

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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )

 

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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