地下水涵養量の推定手法に関する研究成果を発表
― 国際的な水文学の学術誌「Hydrological Processes」に論文掲載 ―
サントリーグローバルイノベーションセンター(株)は、筑波大学、東京大学などと共同で山地における地下水涵養量※1の推定手法について研究してきました。この手法は水源涵養活動「サントリー 天然水の森」の他、企業などの用水確保をサポートするWater Scape(株)の事業でも活用しています(https://www.suntory.co.jp/news/article/14793.html)。
この度、研究成果をまとめた論文が国際的な水文学(すいもんがく)※2の学術誌「Hydrological Processes」に掲載されました。
※1 雨水や河川水などが地中に浸透し、地下水として蓄えられる水の量
※2 雨・雪・氷や、地表水・地下水、水質や水資源など、広く自然界の水循環について研究する学問
▼研究テーマ
「高解像度モデリングによる山地源流域の地下水涵養量推定の高度化」
▼研究者
サントリーグローバルイノベーションセンター(株) 矢野 伸二郎
協力体制:サントリーホールディングス(株)、(株)地圏環境テクノロジー、筑波大学生命環境系、東京大学大学院新領域創成科学研究科地圏環境システム学研究室
(五十音順)
▼研究背景
人々の生命や生活を支える極めて貴重な資源である「水」のサステナビリティを実現するには、山地における水循環の把握が不可欠です。水循環の中でも地下水涵養量の正確な推定は重要な研究課題とされてきました。
▼研究方法
河川や地質構造などの水文地質に関する現地調査データをもとに三次元地下水流動モデルを構築し、そのモデルに降水量や蒸発散量などの気象データを読み込ませ、地下水涵養量をシミュレーションしました。さらに、得られた計算結果に対して現地調査による検証を重ね、湧水分布などの観測情報を反映させる「観測とモデルの対話的アプローチ」を採用し、精度向上を図りました。

▼研究成果
「観測とモデルの対話的アプローチ」を用いて地下水涵養量推定の精度向上を図る手法を確立しました。また、地質の違いによって地下に蓄えられていく水の浸透過程や量が異なること、特にリニアメントと呼ばれる局所的な線状構造が涵養プロセスに影響を及ぼすことも明らかにしました。
▼今後の展望
本研究成果を活用して水循環の理解を進めることで、サントリーグループが環境目標として掲げる水源涵養活動を一層推進し、「水のサステナビリティ」の実現を目指します。

サントリーグローバルイノベーションセンター(株)は、サントリーグループの価値向上、事業成長のための研究・技術開発を担う機関です。新たなお客様価値の創出を目指し、先端技術や自然科学を探求しています。
▼サントリーグローバルイノベーションセンター(株)ホームページ
https://www.suntory.co.jp/sic/
▼「サントリー 天然水の森」ホームページ
https://www.suntory.co.jp/eco/forest/
▼Water Scape(株)ホームページ
以上
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