リビア:紛争下の難民や移民の子どもたち~9万人の子どもが避難【プレスリリース】
【2020年1月17日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)の事務局長ヘンリエッタ・フォアは、衝突が続くリビアの子どもたちの状況について、以下の声明を発表しました。
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難民や移民を含めリビアで暮らす子どもたちは、同国で長年続いている紛争によって生じた暴力と混乱の中でひどく苦しみ続けています。
首都トリポリとリビア西部で武力衝突が勃発した昨年の4月以来、何千人もの子どもたちや市民たちの状況がさらに悪化しています。人口の多い地域での無差別攻撃は何百人もの死を招き、ユニセフは重傷を負ったり殺されたりした子どもたちの報告を受けてきました。また、子どもたちは徴兵の対象にもなっています。一方、9万人の子どもを含む15万人以上の人々が、家を離れ避難することを余儀なくされ、国内避難民となっています。
子どもたちにとって健康を保ち生き延びるために必要なインフラもまた、攻撃の的になっています。30近くもの保健施設が戦闘により被害を受けており、そのうち13の施設は閉鎖せざるをえませんでした。学校に対する攻撃や暴力の脅威は学校の閉鎖につながり、約20万人の子どもたちが学校に通えなくなりました。水道システムが攻撃を受け、廃棄物管理システムがほとんど崩壊し、コレラを含む水に起因する病気の感染リスクが大きく増加しています。
現在都市部にいる6万人の難民や移民の子どもたち、特に家族と離ればなれになったり拘留施設に収容されていたりする1万5,000人の子どもたちもまた、非常に弱い立場に置かれています。このような子どもたちは既に保護や必要なサービスへのアクセスが限られているため、激しさを増す紛争は彼らの直面するリスクをただただ拡大させてきました。
ユニセフやパートナー団体は現場で、保健や栄養、保護、教育、水と衛生設備へのアクセスの支援を、紛争の影響を受けている子どもたちや家族に提供しています。また、拘留施設に収容されている子どもたちを含む、支援を必要とする難民や移民の子どもたちへも支援を届けています。残念ながら、人道支援団体や医療従事者だけでなく市民やインフラに対する攻撃が、人道支援の取り組みを妨げています。
今日、リビアの子どもたちは、悲惨極まりない状況にあり、世界の人々はこのことを容認できないはずです。ユニセフは、子どもたちを保護し、子どもの徴兵や徴用を終わりにし、民間インフラに対する攻撃をやめ、支援を必要としている子どもたちや人々に安全で制限のない人道的アクセスを可能にするよう、あらゆる紛争当事者と当事者に影響を与えている人々に緊急に訴えかけます。また、移民や難民の子どもたちの拘留を終わらせ、拘留に代わる安全で尊厳のある手段を積極的に追及するようリビアの政府当局にも呼びかけます。
今週の日曜日にドイツ・ベルリンでの開催が予定されている平和サミットに先立って、紛争当事者や当事者に影響を持つ人々に、リビアのすべての子どものために、緊急に包括的かつ永続的な和平合意を進めるよう訴えかけています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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