日本の安全保障観に警鐘を鳴らす論争必至の書、『日米同盟の地政学 「5つの死角」を問い直す』が、4月25日に刊行されます!
もう「日本だけの都合と願望」は通用しない。基地使用、事態対処から拡大抑止まで、意外な盲点から安全保障の課題を突く。
防衛研究所の気鋭の研究者・千々和泰明氏による『日米同盟の地政学 「5つの死角」を問い直す』(新潮選書)が、4月25日(木)に刊行されます。
第二次世界大戦後に日米安全保障条約の締結に伴って成立した日米同盟の問題点を大胆に指摘し、私たちの日米同盟観の「バージョンアップ」を図る提言の書です。
現在の同盟観には、「アメリカの戦争に巻き込まれたくない」「軍事協力は最低限に留めたい」というような「日本だけの都合と願望」があるが、同盟の抑止力を高めるには、このような「平和ボケ」を克服した「第三者的視点」から同盟を見直す必要があると著者は言います。
意外な盲点から安全保障の課題を突く、たいへん刺激的な論考です。
■日米共同声明の裏側もよくわかる!
2024年4月の訪米で岸田文雄首相は「日本は米国と共にある」と演説し、バイデン大統領との日米首脳会談を経て、共同声明の「防衛・安保」の分野では、米軍と自衛隊の指揮統制の連携強化が合意されました。さらに米国の核戦力などで日本を守る拡大抑止の強化の重要性を確認し、突っ込んだ議論を行なうとしています。
このような日米同盟の強化には、どのような背景があるのか。もっと具体的に、「指揮統制の連携強化」や「拡大抑止の強化」にはどのような問題が潜んでいるのか――本書は「基地使用」「部隊運用」「事態対処」「出口戦略」「拡大抑止」という5つのポイントから詳細に解説しています。いま最も注目される安全保障研究者が、まさに私たちの眼の前で進行している日米同盟の最重要点を分析し問題提起する必読書です。
■本書の目次より
第1章 基地使用
1 日米安保条約と極東
2 「極東一九〇五年体制」の成立と戦後
3 「米日・米韓両同盟」の一機能としての日米同盟
第2章 部隊運用
1 日米同盟における指揮権
2 極東の米軍指揮権体系と日米指揮権調整
第3章 事態対処
1 極東有事への対処
2 重要影響事態への対処
3 存立危機事態・武力攻撃事態への対処
第4章 出口戦略
1 戦争終結論の視座――「紛争原因の根本的解決」か「妥協的和平」か
2 日米同盟側優勢のケース
3 日米同盟側劣勢のケース
第5章 拡大抑止
1 非核三原則と拡大抑止
2 安保改定と「核密約」
3 沖縄返還と核密約
4 日米同盟と核兵器
■著者の言葉
日米同盟の抑止力を高め、平和を維持するために、「第三者的視点」を取り入れる必要がある。
日本的視点が、日本側の願望や都合に依拠するものであるのに対し、第三者的視点とは、日本以外の国ぐにの見方も踏まえつつ、現状を歴史的背景あるいは地域全体のなかに置いて俯瞰する戦略的・地政学的視点である。
本書は、日本的視点でかたちづくられ、評価されてきた日米同盟をめぐる仕組みや思考様式を、第三者的視点から点検していくものである。
(本書「はじめに」より構成)
■著者紹介
千々和泰明(ちぢわ・やすあき)
1978年生まれ。福岡県出身。広島大学法学部卒業。大阪大学大学院国際公共政策研究科博士課程修了。博士(国際公共政策)。京都大学大学院法学研究科COE研究員、日本学術振興会特別研究員(PD)、防衛省防衛研究所教官、内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)付主査などを経て、2013年より防衛省防衛研究所主任研究官。著書に『安全保障と防衛力の戦後史 1971〜2010』(千倉書房、第7回日本防衛学会猪木正道賞正賞受賞)、『戦争はいかに終結したか』(中公新書、第43回石橋湛山賞受賞)、『戦後日本の安全保障』(中公新書)など。国際安全保障学会理事。
■書籍データ
【タイトル】日米同盟の地政学 「5つの死角」を問い直す
【著者名】千々和泰明
【発売日】2024年4月25日(木)
【造本】新潮選書(四六判変型ソフトカバー)
【本体定価】1,815円(税込)
【ISBN】978-4-10-603908-9
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