TOPPANデジタルとセントケア・Replus、スマートグラスを活用した訪問看護支援の実証実験を実施

スマートグラス越しの映像から医師が遠隔での確認・指示を行い、看護師の心理的負担軽減や医師の正確な診断を支援

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANデジタル株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:坂井 和則、以下 TOPPANデジタル)とセントケア・ホールディングのグループ会社であるセントケア・Replus株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山下 拓哉、以下 セントケア・Replus)は、訪問看護を行う看護師や医師に向けてスマートグラスを活用した訪問看護支援の実証実験を2024年4月末から2024年5月末まで実施しました。

 本実証では、TOPPANデジタルが提供するスマートグラスによる遠隔作業支援サービス「RemoPick®(リモピック)」を使用。患者の自宅で訪問看護にあたる看護師がスマートグラスを装着し、クリニックの医師と、遠隔から患者の様子をリアルタイムで共有し診察や処置を行いました。医師は、看護師の見ているスマートグラス越しの映像を基にポインター機能を使用し明確に指示ができることや、看護師は両手が自由に使えることなどから、遠隔からの医師の指示を聞きながら、同時に患者への処置を行うことができました。本実証を通して、的確な診療とそれに伴う看護師の心理的負担の軽減が可能となり、訪問看護支援における「RemoPick®」の有用性を確認しました。なお、本実証は、埼玉県さいたま市で訪問医療を行うひまわり往診クリニック(院長:前島 理)協力のもと実施しました。

 なお、2024年7月20日(土)に開催される「第6回日本在宅医療連合学会大会」において、本実証の協力先であるひまわり往診クリニックの前島理医師により本実証の一部が紹介される予定です。


「RemoPick®」を活用した訪問看護診療のイメージ「RemoPick®」を活用した訪問看護診療のイメージ

■ 本実証実験の背景

 超高齢社会にある日本において、厚生労働省によると在宅医療を必要とする人は年々増加しており(※1)、看護師が自宅に訪問して看護を行う「訪問看護」のニーズも高まっています。一方、訪問看護師は、利用者宅での診察や各種処置の中で、電話での医師とのコミュニケーションにおいて、実際の患者の状態を医師が見ていないことによる心理的な不安を抱えています。

 TOPPANデジタルは、2022年より遠隔コミュニケーションサービス「RemoPick®」を提供。これまでに、人口減少地域の買い物支援や製造現場における遠隔からの作業指示、専門学校での遠隔授業などに利用されています。今回、訪問看護事業における先端技術活用を積極的に進めるセントケア・Replusと共同で、訪問看護支援の実証実験を実施しました。


■ 本実証実験の概要と成果


実施

場所

セントケア・Replus訪問看護利用者宅

実施

期間

   

2024年4月末~2024年5月末までの約1か月間

  

実証

件数

合計8件

 ※「RemoPick®」を活用して、看護師が利用者宅に訪問した回数

検証

項目

訪問看護現場における「RemoPick®」の有用性

結果

【全体】

・看護師の安心感の醸成と正確な診断行為に繋がった。


<看護師>

【評価点】

・現場の状態を映像で的確に医師に伝えることができた。

・スマートグラス越しに医師が映像で確認しているという状況が、利用者(患者)の安心感に繋がった。

【改善点】

・スマートグラスのボタン操作が煩雑なため、緊急時の利用では誤操作に繋がりやすい。

・映像配信を開始するまでのプロセス短縮が求められる。


<医師>

【評価点】

・画像の色味や解像度が繊細で、自分の目の前に利用者(患者)がいるような感覚で正確に診察ができる。

・ポインター機能により、時間をかけずに確認したい利用者(患者)の創部を看護師に伝えることができる。また、触診の代行も看護師が行うことができる。

・電話の場合、個々の看護師による伝達内容に個人差が出てしまうが、「RemoPick®」の利用による視覚情報からの伝達で、急性増悪をはじめとした患者の急変時に、より正確な状態把握ができた。

【改善点】

 ・スマートフォンで映像を見る場合が多く、カメラの画質や角度で見づらいパターンがある。


訪問看護での「RemoPick®」活用イメージ訪問看護での「RemoPick®」活用イメージ

■ TOPPANデジタルが提供する遠隔コミュニケーションサービス「RemoPick®」 

 「RemoPick®」はスマートグラスやタブレットなどを用いて遠隔地をリアルタイムで繋ぎ、よりスムーズなコミュニケーションを可能とする次世代サービスです。スマートグラスなどの送信側端末の専用アプリケーションから送られる映像・音声を視聴側端末のWEBブラウザに表示します。視聴側で映像にタッチすると、ポインターが表示され、そのポインターは送信側端末のモニターで確認することができるため、遠隔でのコミュニケーションを円滑にし、新たな価値を提供します。
サービスサイトURL:https://solution.toppan.co.jp/secure/service/remopick.html


■ 今後の目標

 TOPPANデジタルは、本実証実験を通じた効果検証・サービス改良を進め、「RemoPick®」の医療向けサービス展開を2025年4月より提供開始を目指します。セントケア・Replusは、提携医療機関を拡充させ、医師とのリアルタイム連携による質の高い訪問看護の提供を目指します。


■ セントケア・Replus株式会社について

会社名:セントケア・Replus株式会社

代表者:山下 拓哉
創業 :2023年1月
事業内容 :通所介護サービス、訪問看護サービス

会社URL: https://www.saint-care.com/replus/

訪問看護×デイサービスの2つの専門性を活かした複合的な自立支援サービスに、科学的に実証されたリハビリテーション機器の活用、ICT技術による健康状態の見える化等の先端技術を掛け合わせ、新たな価値の創造を目指します。



※1  厚生労働省の資料を参照

「在宅医療・介護連携推進事業の取組について」 

 https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001195365.pdf

 「在宅医療の現状について」

 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000909712.pdf



* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。



以  上

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

TOPPANホールディングス株式会社

150フォロワー

RSS
URL
https://www.holdings.toppan.com/ja/about-us/overview.html
業種
情報通信
本社所在地
東京都文京区水道1-3-3
電話番号
-
代表者名
麿秀晴
上場
東証プライム
資本金
1049億8643万円
設立
-