プロ野球「史上最大の危機」に迫る! 山室寛之の新刊ノンフィクション    『2004年のプロ野球 球界再編20年目の真実』本日発売!

プロ野球史初の選手ストライキ、楽天・ソフトバンクの新規参入の全貌が解き明かされる!いかにして、セ・パ両リーグは危機の年を乗り越えたのか。

株式会社新潮社

元巨人軍代表にして、各界より高い評価を得たノンフィクション書籍『1988年のパ・リーグ』著者、山室寛之氏が、数々の初証言と極秘文書から球史を解き明かす、新刊『2004年のプロ野球 球界再編20年目の真実』を本日5月16日に、新潮社より刊行いたします。


2024年、オリックス・山本由伸、横浜・今永昇太選手らが大リーグに移籍を果たしました。セ・パの2リーグからなるプロ野球で活躍したのちに、渡米する選手は今や珍しくありません。しかし、20年前の今、「セ・パ」は揺れに揺れていました。2004年のオールスターゲームでは「合併反対、パシフィック」のシュプレヒコールがスタンドから響き、合併反対の横断幕が掲げられました。

2004年、日本のプロ野球は史上最大の危機にありました。近鉄とオリックスの合併が報じられたことを皮切りに、パ・リーグ球団の経営状況がクローズアップされ、2リーグ制を維持できるかが問題となったのです。もう一組、合併構想があるとまことしやかに囁かれる中、巨人の渡邉オーナーを筆頭に、NPBや球団経営の有力者らの思惑と言動は、加熱するマスコミ報道を通して、球界だけでなく、政財界を駆け巡っていました。球団側と選手側の対立も深まり、プロ野球史上初のストライキに突入します。その直後、50年ぶりの新規球団「楽天イーグルス」が誕生し、ソフトバンクの孫正義氏が突如ダイエーを買収します。

なぜストライキは決行されてしまったのか。楽天とソフトバンクの連続参入の舞台裏では何が起きていたのか。1リーグ制に傾いた流れは、いかにして2リーグ制に落ち着いたのか。著者は、新聞、雑誌、書籍など活字文化が残した膨大な記録を丁寧に整理し、複数の球団の首脳陣から新たに実名で証言を取り、ばらばらに起こったように見える出来事の因果関係を明らかにしていきます。本作は5年の歳月をかけて要人への取材と分析を重ね、確かと思えるピースだけを厳選してジグソーパズルを組み立てていく、推理小説のようなノンフィクション作品です。「これは経済とスポーツのハイブリッド・ノンフィクションだ」。プロ野球ファンのみならず各界から高い評価を得た『1988年のパ・リーグ』の著者、山室寛之氏による渾身の新作にぜひご注目ください。


【目次】

はじめに 「史上最大の危機」に残された謎を追う


第1章  スターたちの渡米と沈みゆく巨艦ダイエー

イチローに続け/下降する〝体感指数〟/ニッポン放送、横浜球団の筆頭株主へ/前代未聞の謝罪表明/ひっそり誕生「加盟料」「参加料」の目的は/ダイエーホークス第一次身売り騒動/野球は「社会の文化的公共財」/巨人、球界を襲う松井ショック/ホークス第二次身売り騒動/再生機構とダイエーの思惑違い/官や外資の球団はNOだ/協約の遵守求める渡邉書簡/オーナー会議に出されたダイエー「確認書」


第2章  近鉄にも迫る経営危機

バファローズの“時限爆弾”/近鉄球団のCM契約に渡邉激怒/野球は芸者遊びにあらず/「しまった‼ 先を越された」/小久保無償譲渡! ホークス自壊始まる/「福岡ドーム」米企業が買収へ/球団社長・高塚猛の反乱と密約/球団名から「近鉄」消える?/近鉄が命名権を撤回/堤義明「弱い球団潰れて球界活性化」/根来泰周「12球団は永続的か」


第3章   「近鉄いただきます」

札幌“開幕戦”と「1リーグ」/アテネ五輪「金メダル」のために/プロアマ雪解けの吉報/根来泰周「協約は時代遅れ」/極秘契約・外資がホークス支配/堤が西武会長を辞任、混乱拡大/堤に迫るもう1つの危機/近鉄、合併交渉を認め緊急会見/宮内義彦「近鉄いただきます」/「1リーグ10球団」の一斉報道/「白馬の騎士だ。監督は君が選べ」/「かなり前に合併の匂いをかいでた」


第4章 もう1組合併進行中

球界は百家争鳴/情報の集積地・読売新聞主筆室/「1か2か」セパ双方に募る怒り/渡邉と宮内、ドームの密談/オーナー会議に耳目集まる/「10球団1リーグもあり得る」/「パ4球団もセに混ぜて」堤哀訴/千慮の一失「たかが選手」/「これからはパです!!」絶叫/「1リーグ制反対」へ阪神蜂起/セパ対立が一気に険悪化/渡邉が突然オーナー辞任/深まる堤の焦りと暴走


第5章 巨人がパ・リーグに?

滝鼻「1リーグを推進する気はない」/1リーグ構想に根来「待った」/コミッショナー権限とは何か/急浮上「5・5の2リーグ論」/「5・5の2リーグ論」3日連続加速/政財官の思惑に揺れるホークス/オーナー代行高塚の深謀遠慮/パ4球団の“連判状”と方針転換/渡邉節炸裂「巨人パに移動も」/新・2リーグ論の危うさ/渡邉、根来、小池の発言一致は偶然か/運命の9月6日/報知スクープに球界揺れる


第6章 「新規参入」20年目の新事実

読売新聞グループ本社法務部/楽天の参入決断とハンバーグ/合併承認めぐりオーナー激論/「滝鼻君、いまだ!」/交流戦オーナー会議俎上へ!/「もう1組」は砂上の楼閣か/「今日の段階」に広がる波紋/激論2日、握手なきスト回避/楽天が球界参入を公表/不信感増幅、ついにスト突入/みんな野球が好きなんだ/根来、滝鼻の積極発言とスト収拾/スピード審査 楽天に軍配


第7章 ソフトバンク電撃参入の舞台裏

ダイエー、西武の落日/孫正義疾風の動き/「電話1本で買収を決めた」/「興行権抑えた」孫の極秘行動/再生機構が認めた経緯/引き継がれた応援歌/選手会事務局長・松原徹の本音/滝鼻「合併穴埋め考え続けた」/暴風圏突入への道程/「義理と人情とやせがまん」の間で


おわりに ロッテの千葉移転秘史

謝辞

主な参考文献

2004年のできごと



■著者コメント

球団の合併、新規参入、買収そして選手会のストライキ――プロ野球にとって2004年という年は空前絶後の危機の年でした。しかし、危機はさまざまな動きが複雑に絡み合いながら進行したため、発言の真意やものごとの因果関係がとてもわかりにくいのです。世論と報道が過熱したあの年、球界の深層で何が起きていたのか。「正確な野球史を残したい」という著者の考えを認め、取材に応じてくださったかたがたのおかげで、「真実」と題しても恥ずかしくない書籍を刊行することができます。コロナ禍の最中でも複数回の取材に応じてくれた方がいました。過密なスケジュールから時間を捻出し約束の時間を超えて語ってくれた方がいました。匿名を条件に古びた業務日誌を「こんなこともあった」と見せてくれた関係者の指先に「○○氏怒る」(○○は実名)の文字を認めたこともありました。ありがたいことです。奥深い迷路のような場所から掘り起こした「20年目の真実」を野球ファンの方々と共有し、驚きや興奮をともに共有できたら、それに勝る喜びはありません。


■書籍内容紹介文

近鉄・オリックス合併、史上初のスト、楽天の新規参入、ソフトバンクによるダイエーホークス買収――セ・パ2リーグの枠組みが大きく揺らいだ「史上最大の危機」には、今なお大きな謎が残されている。当事者による生々しい初証言と極秘文書を重ね合わせ、ジグソーパズルを組み立てるように定説を一新する迫真のドキュメント。


■著者紹介

山室寛之(やまむろ・ひろゆき)

野球史家、日本エッセイスト・クラブ会員。
1941年北京生まれ。64年九州大学文学部卒、読売新聞社入社。広報部長、社会部長、西部本社編集局長を経て、98年6月東京読売巨人軍代表、2001年読売新聞社総務局長、03年読売ゴルフ社長を歴任。 社会部記者時代は警視庁クラブで「プロ野球黒い霧事件」、「富士銀行不正融資事件」などを取材。警視庁キャップ時は「三浦和義事件」、「グリコ・森永事件」、社会部次長時に「リクルート事件」担当デスク、社会部長時は「オウム真理教事件」、「阪神大震災」などへの取材対応を指揮した。巨人軍代表として2000年の「ON決戦(ダイエーホークスと巨人による日本シリーズ)」を体験。 『マネー犯罪』(ダイヤモンド社)、『野球と戦争』『プロ野球復興史』『巨人V9とその時代』(中央公論新社)、『背番号なし 戦闘帽の野球』(ベースボール・マガジン社)、『1988年のパ・リーグ』(新潮社)など著書多数。


■書籍データ

【タイトル】2004年のプロ野球――球界再編20年目の真実

【著者名】山室寛之

【発売日】2024年5月16日

【造本】四六判、厚表紙丸背

【定価】1,980円(税込み)

【ISBN】978-4-10-352732-9

【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/352732/

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区矢来町71
電話番号
03-3266-5220
代表者名
佐藤隆信
上場
未上場
資本金
8000万円
設立
1896年07月