コンゴ民主共和国:医療システムの崩壊~はしかやコレラ、COVID-19感染拡大のリスク【プレスリリース】

マンジナにあるユニセフが支援する保育所で、エボラ出血熱に感染した母親を持つ子どもを抱くスタッフ。(2020年1月20日撮影) © UNICEF_UNI312451_Brownマンジナにあるユニセフが支援する保育所で、エボラ出血熱に感染した母親を持つ子どもを抱くスタッフ。(2020年1月20日撮影) © UNICEF_UNI312451_Brown

【2020年3月31日 キンシャサ(コンゴ民主共和国)/ジュネーブ/ニューヨーク 発】

コンゴ民主共和国が直面する医療システムの崩壊は緊急の支援を必要としており、何千人もの子どもの命を奪うはしかやコレラの蔓延、さらには新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大のリスクに晒されていると、ユニセフ(国連児童基金)は本日述べました。

本日発表された報告書で、ユニセフは、同国東部において現在も続くエボラ出血熱への対応の結果、命を奪ういくつもの感染症に対処するためすでに疲弊していた医療保健施設では、人材や設備などの資源がさらに不十分になっていると指摘しています。

2019年の初め以来、「世界最悪の流行」と言われるはしかの蔓延によって、5,300人以上の5歳未満の子どもの命が奪われました。同時に、コレラの症例は約3万1,000件に上ります。また、現在COVID-19の感染数が急激に増加しており、アフリカで最もリスクの高い国の1つであるとされる同国に、大きな課題をもたらしています。

公衆衛生センターでは、設備、訓練を受けたスタッフ、および資金が深刻に不足しています。多くの施設には、安全な水と衛生の設備さえありません。すでに低かった予防接種率は、過去1年間の間に、複数の州で急激に低下しました。
 

国内避難民キャンプの衛生状態は悪く、開いたままだったり化膿してしまった傷が手や顔に残る子どもたちが多くいる。(2020年2月14日撮影) © UNICEF_UNI308351_Desjardins国内避難民キャンプの衛生状態は悪く、開いたままだったり化膿してしまった傷が手や顔に残る子どもたちが多くいる。(2020年2月14日撮影) © UNICEF_UNI308351_Desjardins

コンゴ民主共和国の推定330万人の子どもが、重要な保健ニーズを抱え、それが満たされない状態にありますが、国全体では、910万人の子ども(18歳未満人口の5分の1近く)が人道支援を必要としています。

最も弱い立場に置かれた子どもの多くは、紛争の影響を受け、エボラ出血熱の流行する東部の3つの州に暮らしています。保健センターを標的とした攻撃を含む、残虐な暴力により、2019年に限っても100万人近くの人々が自宅からの避難を強いられ、子どもたちが不可欠な医療ケアにアクセスすることがさらに困難になりました。

マラリア、はしか、コレラの流行は、国のあらゆる場所で死をもたらす脅威となっています。遠隔地の農村地域は特に脆弱です。報告書では、以下を指摘しています:
  • 2019年には約1,650万件のマラリア感染が報告され、約1万7,000人が死亡した。 この感染症の影響を最も強く受けているのは、5歳未満の子どもである。
  • はしかの症例数は2019年から2020年の間に急増、国全体で33万2,000人に達し、同国の歴史上最悪の流行となった。報告された6,200人以上の死亡者のうち、約85%が5歳未満の子どもである。
  • コレラも多発しており、多くの家族が飲用や洗濯に使用する汚い水や、衛生状態の悪さが原因である。コレラによって、2019年には約540人の命が奪われた。症例件数のうち、子どもは約45%を占める。
 

キンシャサ郊外の保健センターで、はしかの予防接種を受ける赤ちゃん。(2020年1月29日撮影) © UNICEF_UNI312443_Brownキンシャサ郊外の保健センターで、はしかの予防接種を受ける赤ちゃん。(2020年1月29日撮影) © UNICEF_UNI312443_Brown

「コンゴ民主共和国の基本的な医療保健ケアのシステムを強化することは絶対に不可欠です」とユニセフ・コンゴ民主共和国事務所代表のエドゥアルド・ ベイグベデルは述べました。「遠隔地を含め、保健施設が予防接種、栄養およびその他の必須とされるサービスを提供する手段を持たない限り、多くの子どもたちの生活と未来が予防可能な病気で脅かされるリスクがあります」

本報告書を通じて、ユニセフは政府に対し、妊娠中の女性、新生児や幼児を支援する重要な保健医療サービスに予算をより多く配分し、定期予防接種の強化を優先するよう求めています。

また、国際社会に向けて、保健医療サービスの改善や、感染症から子どもを守るための水と衛生に関するSDGsの目標達成に向けた政府の取り組みを、複数年にわたって支援するよう要請します。

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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
正しい手洗いで感染予防: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0023.html
30億人が家で手洗いできず: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0047.html
中南米、休校で9割以上が学校通えず: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0056.html
国連、新たな人道支援計画を発表: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0058.html
予防接種など保健サービス中断の恐れ: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0059.html

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )

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会社概要

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業種
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本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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