新型コロナウイルス:南アジア、教育継続に多様な施策を【共同プレスリリース】
地域のインターネットアクセス率33%
【2020年4月6日 カトマンズ(ネパール)発】
南アジアでは、新型コロナウイルス(COVID-19)危機が発生する前でさえ、9,500万人の学齢期の子どもたちが学校に通えておらず、慢性的な教育危機を抱えていました。現在のCOVID-19危機の中、この地域で学校休校の影響を受けている4億3,000万人の子どもたちの多くが、現在、教育システムから脱落するリスクに晒されています。
厳しい状況の子どもや支援の届きにくい子どもたちが、学校休校中の代替的な学習方法が得られずさらに取り残されてしまった場合、学校に戻ることはできないかもしれません。
COVID-19の南アジア地域の児童・生徒への影響は、学期休暇や試験への対応の工夫によって短期的には軽減されていますが、各国は今後起こりうる長い休校に備えるために、継続的な家庭学習のための計画を緊急に策定する必要があります。これは、ラジオ、テレビ、モバイル技術をうまく活用しながら教育を継続することだけでなく、こうした機器や技術を入手したり使ったりできない最も疎外された子どもたちのために、印刷した学習教材を送付することなどを意味します。
「長期の休校が、女の子や障がいのある子どもを含めたもっとも弱い立場にある子どもたちに大きな打撃を与えることを懸念しています。女の子はしばしば家事や兄弟の世話を強いられます。また、ロックダウン期間中に家庭内暴力が増えることによる子どもたちへの心理的影響も心配です」と、ユニセフ南アジア地域事務所の地域教育アドバイザーのジム・アッカーズ(Ackers)は述べました。
先進各国ではオンライン学習を通じて家庭学習を続けていますが、南アジアではインターネットの接続性というさらなる課題に直面しています。この地域でインターネットにアクセスできる人は、わずか33%です。ラジオとテレビの両方へのアクセスも、不十分な地域があります。例えば、ネパールの農村部ではテレビを視聴できる人は35%に留まります。また、親が読み書きができなかったり教育を修了できていなかったりした場合、子どもたちは家庭学習をする中で必要なサポートをしてもらうことはできないでしょう。
ユニセフはパートナー機関と協力し、子どもたちが自宅で教育を継続できるよう、この地域の政府を支援するために取り組んでいます。
アフガニスタンとネパールはともに、もっとも疎外されている子どもたちの家庭に学習教材届ける取り組みを始めました。バングラデシュは、インタラクティブで子どもや親にとって魅力的な学習を最大数の児童・生徒に届けるために、テレビ、ラジオ、携帯電話、インターネットを活用しています」とアッカーズは説明しました。このような対策は、質の高い学習を確保するために必要とされます。
「COVID-19は、学ぶ権利を含めた様々な面で子どもや若者を脅かす、複雑な緊急事態となりました」と、ユニセフ南アジア地域事務所代表ジャン・ゴフは述べました。「子どもたちの将来が損なわれないように、地域全体で緊急の対応を考える必要があります」
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■ 本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。原文は以下のURLからご覧いただけます。
https://www.unicef.org/press-releases/urgent-need-secure-learning-children-across-south-asia
■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
正しい手洗いで感染予防: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0023.html
30億人が家で手洗いできず: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0047.html
中南米、休校で9割以上が学校通えず: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0056.html
コンゴ民、医療システムの崩壊: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0063.html
移民・難民の子どもへの感染防止を: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0064.html
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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