新型コロナウイルスの陰で、子どもへの暴力リスクの高まりに強い懸念ーユニセフ等が共同声明【プレスリリース】

 

 

母親から繰り返し身体的虐待を受けた経験をもつ8歳のマヘリーくん。(マダガスカル、2019年2月撮影) ※本文との直接の関係はありません © UNICEF_UN0285178_Ralaivita母親から繰り返し身体的虐待を受けた経験をもつ8歳のマヘリーくん。(マダガスカル、2019年2月撮影) ※本文との直接の関係はありません © UNICEF_UN0285178_Ralaivita

【2020年4月8日 ニューヨーク 発】

ユニセフ(国連児童基金)、「子どもに対する暴力撲滅グローバル・パートナーシップ」(GPeVAC)をはじめ、子どもに対する暴力の問題に取り組む世界のリーダーたちは、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な拡大の陰で増加する子どもたちのリスクについて、以下の共同声明を発表しました。

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子どもに対する暴力:COVID-19の世界的大流行に隠された危機

COVID-19の世界的大流行(パンデミック)は、各国に破壊的な影響を及ぼしています。ウイルスを封じ込める努力は、世界の人々の健康を守るために不可欠ですが、それは同時に、子どもたちを虐待、ジェンダーに基づく暴力、性的搾取を含めた暴力のリスクに晒しています。

子どもに対する暴力の撲滅にコミットする組織のリーダーとして、私たちは、この状況に対する深い懸念を共有し、すべての国とコミュニティーで子どもたちを暴力から守り、COVID-19による子どもたちへの影響を減らすための行動を求めるとともに、そうした行動へのサポートをお約束します。

世界の人口の3分の1が、COVID-19によるロックダウンの状況に置かれています。学校の休校は、15憶人以上の子どもたちに影響を与えています。移動の制限、収入の減少、社会からの隔絶、過密した生活環境、そしてストレスや不安が高まる中、特に、以前から暴力的な扱いを受けていたり、適切な育児環境になかった子どもたちが、家庭で身体的、心理的、性的虐待を経験したり、目撃したりする可能性が高まっています。また、インターネットが、多くの子どもたちに、学びやサポート、そして遊びの機会を提供し続けるための中心的な役割を担い始める中、ネットいじめや危険なネット上の行動、性的搾取へのリスクも高まっています。

子どもたちが学校の友達、先生、ソーシャルワーカーに会えず、学校が提供する安全な空間やサービスを使えないことで、状況はさらに悪化しています。最も脆弱な立場におかれた子どもたち-難民、移民、国内避難民の子ども、自由を奪われた子ども、親のケアを受けられていない子ども、路上や都市スラムで生活する子ども、障害のある子ども、紛争の影響下に生きる子ども-については、特に懸念があります。多くの子どもにとって、経済不安の増大は、児童労働、児童婚、人身売買のリスクも高めます。

今、行動を起こさなければなりません。私たちは、COVID-19への対応の一環として、子どもたちを暴力や搾取、虐待への高まるリスクから守るために、各国の政府と国際社会、そして、すべての分野のリーダーたちに、ともに力を合わせ迅速に取り組むことを求めます。

各国政府には中心的な役割があります。COVID-19の感染予防や対応の計画には、すべての子どもを暴力やネグレクト、虐待から守るための、年齢やジェンダーに配慮した措置が含まれなければなりません。また、子どもの保護の取り組みやそれに携わる職員は、必要不可欠であると位置付け、適切な予算措置が図られなければなりません。

また、私たちは、各国政府とともに、また各国政府をサポートしつつ、次のようなことに協力して取り組まなければなりません:メンタルヘルス、心理的サポートを含めた基本的な保健サービスや社会福祉サービスの維持、子どもの保護のケースマネージメントと緊急の代替的養育の提供、最も脆弱な立場の子どもと家庭への社会的保護の提供、施設にいる子どもたちへのケアと保護の継続、証拠に基づいた情報やアドバイスを用いた保護者や子どもたちとのコミュニケーション。困難な状況にある子どもたちが助けを求めることができるヘルプラインやスクールカウンセラーなどの子どもを対象にした相談サービスも、現在のCOVID-19の状況に適応させる必要があります。
 

16歳のときにSNSで性的被害に遭ったアンドレアさん(仮名)。(エルサルバドル、2016年4月撮影) ※本文との直接の関係はありません © UNICEF_UN018614_Zehbrauskas16歳のときにSNSで性的被害に遭ったアンドレアさん(仮名)。(エルサルバドル、2016年4月撮影) ※本文との直接の関係はありません © UNICEF_UN018614_Zehbrauskas

インターネット上での子どもたちのリスクが高まっていることから、情報通信技術に関わる企業やプロバイダーは、子どもたちをネット上で守るために、できることはすべてしなければなりません。子どもたちのヘルプラインや、年齢に適したサービスや安全なオンライン教育のプラットフォームへの無償のアクセスを提供すること、ネットの安全に関するアドバイスを自社のプラットフォームで共有すること等が含まれます。また、グルーミングや子どもの性的虐待画像・映像の製作や配布など、子どもに対するネット上の有害な行為を発見し、中止させるため、さらなる対策をとらなければなりません。

私たちは、子どもに対する暴力撲滅に取り組むグローバルな組織として、引き続き、子どもを守る効果的な解決策を訴え、そのための取り組みを続けていきます。各国政府や具体的な施策を実施される方々、保護者や子どもたちのためのガイドライン等を作成し、共有します。そして、この前例のない状況の中で、昼夜子どもたちの安全を守るために働いている医療、保健、子どもの保護、人道支援の専門家の方々をサポートします。

近年、国際社会において、子どもたちを暴力から守ることについての大きな進展がみられています。現在の混乱の中で、その進展が失われるようなことがあってはなりません。子どもたちの安全を今守るため、できることはすべてしなければなりません。そして、この差し迫った健康危機が去った際には、あらゆる形態の暴力、虐待、ネグレクトを終わらせるという国際社会のゴールに向けた取り組みの軌道に戻れるよう、共に、先を見据えて計画しなければならないのです。

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■ 子どもに対する暴力撲滅のためのグローバル・パートナーシップ(GPeVAC)について
「子どもに対する暴力撲滅のためのグローバル・パートナーシップ(GPeVAC)」は、各国政府、国連機関、民間セクター、市民社会、研究者、若者たちが、2030年までに子どもへの暴力を撲滅するという、持続可能な開発目標(SDGs)に掲げられた、国際社会の新たなターゲット達成のために協力する取り組みです。2016年に始まり、ユニセフをはじめ子どもへの暴力撲滅に取り組む多くの団体が参加しています。

■ 共同声明について
署名した組織等は以下のとおり:ユニセフ/GPeVAC、WHO(世界保健機関)、Special Representative of the Secretary-General on Violence against Children、UN Special Representative for Children and Armed Conflict、UN Women、African Child Policy Forum、Arigatou International、ChildFund Alliance、Child Helpline International、ECPAT  International、End Violence Against Children、ISPCAN、Plan International、Save the Children International、SOS Children’s Villages International、Terre des Hommes、Together for Girls、WePROTECT Global Alliance、World Childhood Foundation USA、World Council of Churches, World Vision International

■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
正しい手洗いで感染予防: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0023.html
30億人が家で手洗いできず: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0047.html
家族を持つ労働者への支援強化を: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0062.html
ユニセフ日本人職員ビデオメッセージ: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0068.html
子どもの権利の危機を防ぐために: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0069.html

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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