新型コロナウイルス:難民の子どもの現在と未来を守る【プレスリリース】

ユニセフ・UNHCR共同声明

レスボス島モリアにある難民・移民受入・身元確認センターで遊ぶ子どもたち。(ギリシャ、2020年3月7日撮影) © UNICEF_UNI312591_Romenziレスボス島モリアにある難民・移民受入・身元確認センターで遊ぶ子どもたち。(ギリシャ、2020年3月7日撮影) © UNICEF_UNI312591_Romenzi

【2020年4月20日 ジュネーブ/ニューヨーク 発】

ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアは、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)国連難民高等弁務官のフィリッポ・グランディと共同で、新型コロナウイルス(COVID-19)への取り組みについて以下の声明を発表しました。

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世界の何百万人もの子どもたちが、紛争、暴力、その他の原因により、家や自国を離れることを余儀なくされています。これには、1,270万人の難民と110万人の庇護申請者が含まれます。

COVID-19のパンデミックの急速な拡大により、難民の子どもたちのニーズはさらに深刻になっています。このニーズを満たすことは、子どもたちの現在の健康と将来の可能性を守るための鍵です。

避難して暮らす子どもたちは、予防、検査、治療、その他の重要なサポートへのアクセスが最も困難な状況にあります。パンデミックおよびその封じ込め対策により、COVID-19発生以前から不安定だった、子どもたちの安全面と教育面へのリスクが高まっています。
 

コックスバザールのバルカリ難民キャンプにある宗教学校で、授業を受ける子どもたち。(バングラデシュ、2019年12月撮影) © UNICEF_UNI252562_Modolaコックスバザールのバルカリ難民キャンプにある宗教学校で、授業を受ける子どもたち。(バングラデシュ、2019年12月撮影) © UNICEF_UNI252562_Modola

世界で避難して暮らす多くの子どもたちにとって、日々学校に通うことはすでに困難なもしくは不可能なことになっていました。就学年齢の難民の子どものうち学校に在籍しているのは半数未満で、その割合は中等教育になると4人にひとりに減少します。今、さらに多くの子どもたちが長期間学校に行けない可能性が高まっており、その一部は学校に戻ることはできないかもしれません。

休校のため、食事をとれなかったり清潔な水を使用できなかったりする場合もあります。家庭がさらなる社会的・経済的困難に陥るにつれて、ネグレクト、虐待、ジェンダーに基づく暴力、および児童婚の割合が増加する恐れがあります。そして、ウイルスが国境を越えて広がり、恐怖心が生まれると、差別や偏見のリスクが高まります。

難民の子どもたちの保護、保健ケア、教育へのアクセスの拡大におけるこれまでの各国での成果が、パンデミックによって覆される恐れがあります。しかし、それは防がなければなりません。支援のニーズが高まる中、パンデミックに対応するうえで、避難を強いられた子どもたちの保護と福祉への取り組みが確実に行われなければなりません。

ユニセフはUNHCRとともに、この危機とその後においても難民の子どもたち、その家族、コミュニティ、彼らを受け入れている人々のためにさらにより良い取り組みをしていくことを約束します。

これは、2020年1月に我々2機関が、支援の優先国において難民の子どもの保護、教育、水と衛生サービスへのアクセスを拡大するために共同で立ち上げた新しいイニシアチブとも一致します。
 

 

 

ダリエン県La Peñitaの移民シェルターで、ユニセフとパートナー団体が設置した給水システムを使い、手を洗う女の子。(パナマ、2020年2月7日撮影) © UNICEF_UNI308592_Urdanetaダリエン県La Peñitaの移民シェルターで、ユニセフとパートナー団体が設置した給水システムを使い、手を洗う女の子。(パナマ、2020年2月7日撮影) © UNICEF_UNI308592_Urdaneta

私たちはともに、難民の子どもとその家族の生活の質を改善することを約束しました。教育を受けられる難民と帰還民の子どもの数を倍増させ、持続可能で、環境に配慮した水と衛生サービスを確実に利用できるようにします。また、保護の問題に対しては、質が高く子どもに優しいサービスを提供し、国のシステムにおいて、インクルージョンへの障壁がどこにあるかを特定することが含まれます。

ユニセフとUNHCRは世界40カ国以上で協力しており、難民に関するグローバルコンパクトの下、子どもたちに向けられた公約が実現できるよう取り組んでいます。COVID-19パンデミックの中、そしてそれ以降も、すべての難民の子どもたちに可能な限り最善のサポートを提供し続け、政府と国際社会にこれらの取り組みに参加するよう求めます。

世界のどの子どももそうであるように、難民の子どもたちも人生において公平に機会を得、その権利は完全に実現されるべきです。子どもたちの暮らしは暴力、避難、そして今はパンデミックによって混乱状態にありますが、すべての子どもが等しく必要とするサポートとサービスを受けられれば、尊厳ある未来を迎えられる可能性が高まります。

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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
30億人が家で手洗いできず: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0047.html
子どもの権利の危機を防ぐために: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0069.html
ユニセフの子育て6つのヒント: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0075.html

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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