新型コロナウイルス:緊急時の輸送システムの重要性ー国連諸機関による公開親書【プレスリリース】
ユニセフの支援でニアメに設置された治療用テントと、COVID-19の最前線で闘う保健員。(ニジェール、2020年4月17日撮影) © UNICEF_UNI322641_Haro
ユニセフ(国連児童基金)をはじめとする国連諸機関の各代表が、世界の最も脆弱な国に新型コロナウイルス(COVID-19)のもたらすリスクについて、警鐘を鳴らしました。
以下は共同で発表した公開親書の内容です。
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ご支援者のみなさま、
アディスアベバのCOVID-19陽性者隔離施設に送るための医療物資を準備する様子。(エリオピア、2020年3月17日撮影) © UNICEF_UNI319776_Tesfaye
この目に見えない敵との闘いにおいて、どの国も屈せずに闘わなければなりませんが、すべての国が同じスタートラインに立っているわけではありません。世界で最も脆弱な国々は、パンデミックに打ち勝つために人道支援と物資を必要とし、フライトのキャンセルや物資供給ルートの混乱は、非常に大きな打撃を与えています。感染拡大に歯止めがきかない状況になること、生活や経済が破壊されること、世界中に広がり続けることを阻止することは、すべての人にとって利益になります。
国連事務総長は3月25日、COVID-19人道支援計画を発表し、世界で支援活動を加速させるために20億米ドルの資金が必要であると呼びかけました。みなさまの迅速かつ寛大なご支援により、みなさまご自身がウイルスの影響で苦しんでいるにも関わらず、戦争、貧困、そして気候変動の影響下に置かれている人々の命を守ることができました。
これまでに、約5億5,000万米ドルがこの支援計画を実行するために提供され、多くの追加資金が新たに集まり、また約束されています。
国連中央緊急対応基金(CERF)は、COVID-19の対応を開始し、ウイルスの蔓延を抑制し、サプライチェーンを維持し、女性や女の子、難民や国内避難民を含む最も弱い立場に置かれた人々に支援と保護を提供するために、9,500万米ドルの資金を拠出しました。しかし、行うべきことはまだあります。
ユニセフの医療物資を載せてバマコに到着した航空機。(マリ、2020年4月4日撮影) © UNICEF_UNI317382_
支援計画のすべての要素は重要であり、継続的な資金調達が必要ですが、これらの共通の物流サービスがなければ、世界における対応は停滞するおそれがあります。今はその手を緩める時ではありません。すべての人が安全な状態になるまで、誰も安全ではありません。
私たち国連機関は、物流サービスの迅速な拡大が可能になるよう、世界的な緊急時物資輸送システムに3億5,000万米ドルの資金支援を求めています。
このサービスは、最も弱い立場に置かれた人々のためのCOVID-19への迅速で効率的な取り組みを可能にします。私たちの行動が遅れると、パンデミックを制御するための世界的な取り組みが損なわれてしまうおそれがあります。
COVID-19への対応の拡大には以下が含まれます:
- 国際的な混載輸送の拠点と地域における中間準備地の設立、手配、管理
- 航空貨物輸送サービス
- ウイルスのさらなる蔓延を防ぐために必要な対策を備えた旅客航空サービス
- 最前線で働く人々が、治療を受けることができる場所へ避難するための輸送サービス
- インフラ整備と治療センターの建設
- リアルタイムのリモートデータ収集
- 運用とサービスを安全に提供するために必要な資源の投入
必要とされるものが何であれ、私たち人道支援機関は、人々の緊急のニーズに応えるべく取り組む所存です。誰もが必要とする共通のサービスを拡大することは、このニーズを満たすために不可欠です。
命を脅かすCOVID-19の脅威は、世界中のすべての国、すべての人に及んでいます。輸送を加速させる度に、より多くの命を守ることになるでしょう。COVID-19のパンデミックは、人類に前例のない挑戦を与えました。そして前例のない世界的な対応だけが、その拡大を止めることができるのです。
今こそ、共に前進し、不要な苦しみをなくし、すべての人にとってより良い未来の実現に向かって取り組む時です。
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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
30億人が家で手洗いできず: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0047.html
子どもの権利の危機を防ぐために: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0069.html
ユニセフの子育て6つのヒント: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0075.html
ユニセフ日本人職員ビデオメッセージ: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0068.html
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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