イエメン:豪雨でコレラや下痢症のリスク500万人【プレスリリース】
清潔な水使用できず、避難生活を送る人々
国内避難民キャンプで正しい手洗いの方法を教えてもらうエスラムさん。(2020年2月9日撮影) © UNICEF_UNI324897_
イエメンでは、4月中旬以降豪雨が続き、5歳未満の子ども500万人以上がコレラや急性水溶性下痢症になるリスクが高まっています。2020年1月以降、イエメンの331の地区のうち290地区でコレラ疑いの症例が11万件以上報告されており、これらの症例の4人にひとりが5歳未満の子どもです。
現在イエメンは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにも立ち向かっています。国内で報告された症例は現時点で1件のみですが、流行のリスクは依然として非常に高いままです。
「イエメンの子どもたちは、命を脅かされ続けています。コレラのさらなる蔓延、重度の栄養不良、COVID-19の影響下で発生したワクチンで予防可能な感染症は、子どもとその家族がすでに直面している負担をさらに大きくします」とユニセフ・イエメン事務所代表サラ・ベイソロー・ニャンティは述べました。「世界中が注目するなか、イエメンでは悲劇が続いているのです」
アデンのアル・シャーブ(Al Sha’ab)キャンプで、容器に水を汲む10歳のムナさん。(2020年4月27日撮影) © UNICEF_UNI324049_
特に都市部での非常に低水準の衛生サービス、汚染された水の使用、効果的な手洗いや食品衛生など基本的な衛生習慣に関する意識の不足により、コレラや下痢症の蔓延が助長されています。イエメンでは、紛争、長年の貧困や放置の結果、基本的なサービスが崩壊寸前か、不十分な形で続いています。
「コレラや下痢症は予防可能で、治療することができます。ユニセフは、家族とそのコミュニティが清潔な水へのアクセスを維持し、公衆衛生を改善することに重点を置きながら、健康リスクをどのように低減できるかについても考えて取り組んでいます」(ニャンティ)
アデンのオマール・ビン・ヤセール(Omar Bin Yasser)キャンプの給水所で、容器に水を汲む子どもたち。(2020年4月27日撮影) © UNICEF_UNI324949_
「イエメンでの5年間にわたる残酷な紛争が終わらない限り、破壊的で予防可能な感染症は、多くの、そして何よりもまず弱い立場に置かれた子どもたちに忍び寄るでしょう」(ニャンティ)
* * *
■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
中東・北ア貧困層800万人増加: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0092.html
予防接種を受けていない子ども: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0102.html
休校で給食を得られぬ子ども: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0104.html
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像