南スーダン:拘留される子ども85人を解放~新型コロナウイルスから守るために【プレスリリース】
【2020年5月7日 ジュバ(南スーダン)発】
新型コロナウイルス(COVID-19)への感染防止策の一環として、刑務所における密集状態を緩和するため、南スーダンで拘留されている子ども85人が本日解放されました。子どもたちは両親もしくは法的保護者と再会を果たしています。
一方で、11人の子どもたちはその問われた罪の重大性により、今も刑務所に残っています。子どもの拘留の新たな事例が報告されているため、ユニセフ(国連児童基金)は国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)とともに、子どもを即時に解放することを引き続き呼びかけています。これは、ユニセフが人道行動における子どもの保護のためのアライアンスとともに先日発表した、「自由を奪われた子どもを新型コロナウイルスから守るための指針」(注)に沿ったものです。
南スーダンで刑務所は、多人数の密集を余儀なくされ、公衆衛生サービス、栄養や保健ケアへのアクセスが不十分であり、COVID-19のような病気が広がる危険性が非常に高くなっています。拘留された子どもはまた、パンデミック或いはその封じ込め対策によって、施設職員の人数やケアの質に影響が及んでいる場合、ネグレクトや虐待、ジェンダーに基づく暴力に対してより弱い立場に置かれます。
「子どもたちの特別なニーズに応じた保護が必要で、彼らの幸福や健康は守られなければなりません」とユニセフ・南スーダン事務所代表のモハメド・アグ・アヨヤは述べました。「COVID-19への感染リスクがあるため、子どもたちが安全で健康的な生活を送る権利を守る最善の方法は、家族によるケアを受けることのできる自宅に子どもを戻すことです」
この解放は、ユニセフとUNMISS、南スーダンの司法省、ジェンダー・児童・社会福祉省の協力によるもので、同国の子どものための司法を改善すべく活動しているユニセフの重要なパートナーです。
南スーダンの少年司法制度には、有罪か否かにかかわらず、法律に関わる子どもたちの特別なニーズへの配慮が欠けています。あまりにも多くの子どもたちが軽犯罪のために投獄され、多くの子どもがおとなと一緒に刑に服しており、これは子どもの権利を明らかに侵害しています。
「法律に抵触する子どもたちの権利を尊重する、子どもにやさしいシステムを確立しなければなりません。それと同時に、貧困、教育や将来の機会の欠如といった根本的な原因に対処することで、まず子どもたちが罪を犯さないようにしなければなりません」(アヨヤ)
ユニセフ・南スーダン事務所は、子どもの投獄を最後の手段とすることを目的としたパイロットプロジェクトに取り組んでおり、実刑判決の代替案も検討されています。子どもの権利、南スーダンの児童法や子どもにやさしい取り組みに関して法執行機関に研修機会を提供することによって、拘留される子どもの数を減らし、法律に抵触する子どもにより良いサポートが行えるよう取り組んでいます。
* * *
注) ユニセフと人道行動における子どもの保護のためのアライアンス(Alliance for Child Protection in Humanitarian Action)は、学術機関や他の国連機関とともに、「自由を奪われた子どもを新型コロナウイルスから守るための指針」(Technical Note:COVID-19 and Children Deprived of their Liberty)を発表しました。指針は、以下よりダウンロードいただけます。
https://alliancecpha.org/en/child-protection-online-library/technical-note-covid-19-and-children-deprived-their-liberty
(関連記事) 拘留されている子どもを新型コロナウイルスから守るために
https://www.unicef.or.jp/news/2020/0083.html
* * *
■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
子どもたちの安全な解放を: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0083.html
左ききのエレン ユニセフ特別編: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0105.html
学校再開ガイドライン: https://www.unicef.or.jp/news/2020/0107.html
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像