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公益財団法人日本ユニセフ協会
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イエメン:子どもたちが直面する3つの危機~紛争、パンデミック、経済の崩壊【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

重度の栄養不良にかかり、サヌアの病院で治療を受ける生後4カ月のシュアイブちゃん。(2020年2月5日撮影) © UNICEF_UNI312495_Alghabri重度の栄養不良にかかり、サヌアの病院で治療を受ける生後4カ月のシュアイブちゃん。(2020年2月5日撮影) © UNICEF_UNI312495_Alghabri

【2020年5月28日 ニューヨーク 発】

現在も紛争状態が続くイエメンでは、5月28日現在22州のうち10州で合計253件の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が確認され、死亡例は50件に上っています。検査数が非常に限られている状況を踏まえると、実際の感染数はさらに多いことが推定され、すでに脆弱な社会への影響が危惧されています。こうした中、ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアは、イエメンの状況について、以下の声明を発表しました。

* * *

世界中で、COVID-19による危機が起きていますが、イエメンは最も深刻な影響を受けている国のひとつです。

暴力と情勢不安は、イエメンでは日常の現実です。学校や病院が攻撃を受けています。食料と水の供給システムはほとんど機能していません。経済は大きな打撃を受けています。

イエメンは、パンデミックが起きる前から破滅的状況の一歩手前でした。慢性的な開発の遅れと5年間におよぶ紛争により、大規模な人道危機が発生しました。

イエメンでは、1,200万人以上の子どもが人道支援を必要としています。約50万人の子どもが重度の急性栄養不良の治療を必要としており、緊急のケアを受けなければ命を落とすリスクがあります。

5年前に紛争が始まって以来、8,600人以上の子どもが死傷しています。国連のデータによると、3,500人の子どもが紛争において徴用されました。
 

紛争の影響が大きいタイズの学校で、過密状態の仮設教室で授業を受ける女の子たち。(2020年3月23日撮影) © UNICEF_UNI313441_紛争の影響が大きいタイズの学校で、過密状態の仮設教室で授業を受ける女の子たち。(2020年3月23日撮影) © UNICEF_UNI313441_

COVID-19以前は、200万人の子どもが学校に通えていませんでしたが、現在のパンデミックにより全国で学校が休校になり、さらに500万人の子どもたちが学校に行けなくなりました。貧困と紛争下にある国では、子どもたちが学校に行けない期間が長くなればなるほど、学校に戻れる可能性は低くなります。

人々は清潔な水、適切な公衆衛生システムや衛生用品を利用できないため、常にコレラや下痢になるリスクがあります。そして、何百万人もの人々が手洗い設備を利用できず、物理的な距離を保つこともできません。どちらも、病気の蔓延を防ぐためには欠かせません。

空港や港が閉鎖されているため、支援物資を国内に持ち込むことは非常に困難です。

国内で感染拡大し、イエメンは現在、紛争、COVID-19、経済の崩壊という3つの危機に直面しています。そしていつものように、最初にそして最も苦しむのは子どもたちです。

また、定期予防接種は継続しているものの、パンデミックによって予防接種キャンペーンは中断しています。特に、医療崩壊が近づくなかで予防接種率を拡大するキャンペーンは重要ですが、中断されたことで5歳未満の子ども500万人は、ポリオの予防接種を受けられません。170万人の子どもがジフテリアの予防接種を受けず、240万人の子どもがコレラの予防接種を受けられないでしょう。そして出産適齢期の女性40万人以上が、破傷風の予防接種を受けられません。
 

アデンのアル・シャーブ(Al Sha’ab)キャンプで、石けんを使って手を洗う10歳のムナさん(右)。(2020年4月27日撮影) © UNICEF_UNI324045_アデンのアル・シャーブ(Al Sha’ab)キャンプで、石けんを使って手を洗う10歳のムナさん(右)。(2020年4月27日撮影) © UNICEF_UNI324045_

紛争というこれまでの危機に加えてパンデミックという新たな危機に直面しています。それでも、ユニセフは変わらず、イエメンの子どもたちのために留まり、支援を届け続けています。

ユニセフは、テレビ、ラジオ、ソーシャルメディアを活用するとともに、戸別訪問しているボランティアのネットワークを通じて、1,600万人にCOVID-19から身の安全を守る方法について情報を届けました。

また、医療施設をサポートし、必要なコミュニティに清潔な水と衛生キットを提供しています。そして、医療保健・栄養分野の従事者の安全を守るために、個人用防護具を含む必要な物資を届けるため日夜取り組んでいます。

しかし、COVID-19の対策をとるとともに、子どもたちの他の基本的なニーズにも応じ続けなければなりません。重度の栄養不良の子どもを治療し、ワクチンを届け、暴力や搾取から保護し、教育を受け続けられるようにしなければなりません。そのためには、さらに支援が必要です。

また、ぎりぎりの生活を送っている家庭に支援を届けるために、人道的アクセスを必要としています。

そして何よりも、イエメンの子どもたちには平和が必要です。ユニセフは、紛争のすべての当事者に対し、武器を置いて、包括的な和平に向けた交渉をあらためて呼びかけます。真のリーダーシップを発揮し、イエメンの子どもたちの幸福を第一に追及するよう求めます。

今日、パンデミックによってイエメンは崩壊への道をさらに進んでいます。ユニセフは、イエメンの子どもたちの側に立ち、世界中のパートナーに対しても同じ行動を呼びかけています。

* * *

■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
各種ガイドライン: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/info/

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )

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上場
未上場
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