イエメン:感染症予防の支援、継続困難~衛生分野の深刻な資金不足を訴え【プレスリリース】

アデンのアル・シャーブ(Al Sha’ab)キャンプで手を洗う10歳のムナさん(右)。(2020年4月27日撮影) © UNICEF_UNI324046_アデンのアル・シャーブ(Al Sha’ab)キャンプで手を洗う10歳のムナさん(右)。(2020年4月27日撮影) © UNICEF_UNI324046_

【2020年6月12日 ジュネーブ 発】

本日ジュネーブで行われた国連の定例記者ブリーフィングで、ユニセフ(国連児童基金)広報官マリキシ・メルカドが報告した、イエメンにおける水と衛生分野の状況を抜粋してお伝えします。

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イエメンにおいて、人道支援ニーズがこれほどまでに深刻になり、支援のための活動資金がこれほどまでに不足したことはありません。

今日までにユニセフが確保できた資金は、子どもたちのための基本的で不可欠なサービスを維持するために今年必要としていた4億7,900万米ドルのうち、わずか38%です。最も差し迫った深刻な資金不足に陥っているのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応を含む、水と衛生分野の緊急支援です。

水と衛生サービスへのアクセスがある840万人のイエメンの人々が、活動資金の不足によって影響を受けるおそれがあります。そのうちの400万人(半数近くが子ども)は、ユニセフの支援に直接依存しています。彼らは、紛争、コレラ、避難生活によって、最も弱い立場にある人々です。
 

アデンのオマール・ビン・ヤセール(Omar Bin Yasser)キャンプで、給水所で汲んだ水を運ぶ子どもたち。(2020年4月27日撮影) © UNICEF_UNI324950_アデンのオマール・ビン・ヤセール(Omar Bin Yasser)キャンプで、給水所で汲んだ水を運ぶ子どもたち。(2020年4月27日撮影) © UNICEF_UNI324950_

ユニセフが6月末までに3,000万米ドルの資金支援を得られなければ、この400万人のための水や衛生サービスは、7月に停止し始めることになります。このことは、給水場を稼働させたり、汚水処理をしたり、壊れかけの水と衛生インフラを維持したりするための燃料を、ユニセフが提供することができないことを意味しています。

そして、何百万人もの人々が手洗い施設にアクセスできない状況下で、コレラとCOVID-19の両方を予防するために非常に重要な、石けんを含む基本的な家族用衛生キットを配布することができないことも意味します。

水と衛生サービスを年末まで継続させるために、ユニセフは1億1,000万米ドルの資金を必要としています。この規模の資金があれば、年末までに支援が必要になると推定される280万人にもあらたに支援することが可能です。

安全な水やトイレなどの衛生サービスを維持することの重要性は、コレラと下痢の流行が起こっている中ではいくら強調してもしすぎることはありません。今年の初めから13万7,000件以上の症例が記録されており、その4分の1近くが5歳未満児です。
 

COVID-19啓発のためのアニメを見る子どもたち。© UNICEF YemenCOVID-19啓発のためのアニメを見る子どもたち。© UNICEF Yemen

イエメンにおけるユニセフのCOVID-19対応も、深刻な資金不足に陥っています。ユニセフがCOVID-19に対応する資金として国際社会に要請した5,300万米ドルのうち、今日までに調達できたのはわずか10%です。

水と衛生分野に加え、ユニセフは、新型コロナウイルスに関する意識を高めるリスク・コミュニケーションとコミュニティを動員した取り組みに焦点を当てた分野を主導し、感染の予防と封じ込めに向けた地域の取り組みを支援しています。ユニセフの対応計画には、最前線で活動する人々への感染予防のための訓練と装備、不可欠な母子保健サービスの維持、および、検査キット、酸素濃縮器、人工呼吸器、個人防護具(PPE)等の保健施設への提供が含まれます。

流行が始まって以来、ユニセフは3万3,000枚以上のN95マスク、3万3,000個のフェイスシールド、1万8,000枚のガウンなど、前線で活動する人々に必要なPPEを輸送してきました。しかし、これらはユニセフが必要とするCOVID-19対応物資のわずか5%です。

直ちに4,800万米ドルが得られなければ、ユニセフは次の活動を行うことができません。
  • 保健・医療スタッフを含む最前線で働く人々2万5,000人へのPPEの提供や活動支援
  • 隔離センターや検疫施設の90万人を対象にした安全な水と衛生サービスの提供
  • 酸素濃縮器や人工呼吸器の調達

世界最悪の人道危機の中にいる子どもたちは、助けを必要としています。イエメンの水と衛生支援とCOVID-19対応への資金支援は、彼らが命をつなぐために極めて重要です。私たちはドナーに向けて、この命を守る支援へのさらなる協力を呼び掛けています。

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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
各種ガイドライン: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/info/

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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業種
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本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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