レバノン爆発:子どもの半数にトラウマの兆候~ユニセフ、心理社会的支援を実施【プレスリリース】
【2020年8月21日 ジュネーブ/ベイルート(レバノン) 発】
本日ジュネーブで行われた国連の定例記者ブリーフィングで、ユニセフ(国連児童基金)広報官マリキシ・メルカドが報告した、レバノンの首都ベイルートにおける大規模爆発後の子どもたちへの影響について、抜粋してお伝えします。
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ベイルートで現在行われている評価と対応について、最新情報をお伝えします。
まず、主要な優先プログラムである心理社会的支援について:
8月10日から17日にかけて行われたユニセフとパートナーによる緊急ニーズ調査では、回答者の半数が、爆発後、自宅で子どもたちに行動の変化やトラウマ、極度のストレスの兆候が見られたと報告しました。これらの行動や症状には、重度の不安感、無口、両親や家族から離れ引きこもること、悪夢や睡眠障害、攻撃的な態度などが含まれます。また、3分の1の世帯では、おとなにもネガティブな症状があることが報告されています。
ニーズが膨大であることは明らかです。多くの子どもたちは、爆発のトラウマに対処するために、緊急かつ持続的な心理社会的支援を必要とするでしょう。ユニセフの心理社会的支援は、子どもと親のための心理社会的キットの提供、影響を受けた地域における子どもにやさしい空間の設置、そしてより専門的で集中的、長期的な支援も必要とする人々におこなっていきます。
爆発の影響について、もう少し詳しく説明します。最新の情報によると:
- 影響を受けた地域において、推定5パーセントの建物が主要な給水ネットワークから切断されています。水源と建物や、建物内の接続部が損傷しているため、各家庭にはいまだに清潔な水が供給されていません。
- 廃棄物管理サービスが制限され、遅れているため、水を媒介とする病気のリスクが高まっています。
- 6つの主要な病院と20の診療所が部分的または大規模な構造的損傷を受け、500床分の収容力が損なわれています。
- 教育・高等教育省の報告によると、5万人の子どもや若者にサービスを提供している159の公立・私立学校と20の専門学校が軽度から重度の被害を受けています。
そして、私たちがパートナーとともにこれまでに行ったことの一部を以下にご紹介します:
- 何百人もの子どもたちに心理的・社会的な応急処置を行い、何百人もの保護者に健康カウンセリングと照会を行いました。
- 60以上の建物を公共の水道システムに再接続し、被害を受けた家に109の貯水タンクを設置しました。
- 中央医薬品倉庫から98パーセントの医薬品とワクチンを移設し、プライマリ・ヘルスケア・センター、調剤所、UNHCRの予防接種実施場所、その他の予防接種会場に配布しました。
- ワクチン保管用のコールドルーム2室とソーラー冷蔵庫2台を修理し、主要な公立病院に発電機を設置しました。
- 350万米ドルの個人用防護具(PPE)を含む、人道物資の輸送を3回行いました。
- 1,100人以上の若者を支援して、被害を受けた家の清掃や修理を行い、食料やマスクを配布しました。
ユニセフは、今後3カ月間、子どもたちとその家族の緊急ニーズに対応するために、4,670万米ドルを必要としています。子どもたちの安全を確保すること、基本的で必要不可欠なサービスを回復させること、国を再建するための取り組みの一環として必要なスキルを若者たちが身につけられるようにすることに重点を置いており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延を抑えるための活動と同時に行われます。
ユニセフはこれまでに130万米ドルを受け取りました。即時で柔軟なご支援に感謝するとともに、さらなる支援を求めます。
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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
各種ガイドライン: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/info/
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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