新型コロナウイルス:莫大なワクチン輸送の準備が急務【プレスリリース】
深刻な輸送力不足のおそれ
個人用防護具(PPE)などのユニセフの医療物資を載せてテヘランの空港に到着した飛行機。(イラン、2020年3月撮影) © UNICEF_UNI320606_Sayyari
国際航空運送協会(IATA)は、各国政府に対し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンが承認され、配布可能となった際にすべての準備が整っているように、業界関係者とともに慎重な準備を始めるよう求めました。IATAはまた、航空輸送において、COVID-19ワクチンの輸送能力が深刻に制約されるおそれがあると警鐘を鳴らしています。
【準備】
航空貨物は、時間と温度に配慮した流通システムが世界的に確立されており、平時のワクチン流通において重要な役割を果たしています。これはCOVID-19ワクチンの迅速かつ効率的な輸送・配布にも不可欠であり、各国政府が主導し、業界関係者の支援を得て慎重に計画を立てなければなりません。
施設
適切な温度に保ったまま運ぶため、ワクチンを保冷箱に詰める様子。(パプアニューギニア、2019年3月撮影) © UNICEF_UN0292472_Holt
- 温度管理された施設や機器の利用可能性 - 既存インフラの使用または転用を最大化し、新規の仮設建設を最小限に抑える
- 時間や温度に敏感なワクチンを扱うためのスタッフへの訓練
- ワクチンの完全性を維持するための徹底したモニタリング能力
セキュリティ
ワクチンは非常に貴重な商品です。輸送物が異物の混入や盗難から守られるよう手配しなければなりません。貨物輸送の安全性を確保するための手段は整っていますが、見込まれるワクチン輸送量を考慮すると、拡張できるようにするための早期の計画が求められます。
越境プロセス
保健当局や税関当局と効果的に連携することは、規制当局の承認、適切なセキュリティ対策、適切な取り扱い、税関の通過を迅速に実施するために不可欠です。これは、COVID-19予防対策の一環として、多くの政府が手続きに時間を要する対策を実施していることを考えると、特に課題となり得ます。国境手続きの優先事項には以下が含まれます。
- COVID-19ワクチン輸送業務のための上空飛行および着陸許可のための迅速な手続きを導入する
- 貨物のサプライチェーンを確実に維持するため、隔離要件から客室乗務員を除外する
- COVID-19ワクチンの輸送に制限がある場合の一時的な通行権を支援する
- 最も柔軟なグローバルネットワークの運用を可能にするため、ワクチンを輸送する便の運航時間の制限を撤廃する
- 遅延による温度上昇を防ぐため、重要な貨物の到着を優先する
- ワクチンの移動を容易にするための関税緩和を検討する
【能力】
ラテンアメリカ・カリブ海諸国のCOVID-19の状況に対応するため、トクメン国際空港に到着したユニセフの医療物資。(パナマ、2020年7月撮影) © UNICEF_UNI346304_Amador
「全世界が安全なCOVIDワクチンを切望しています。すべての国が安全で、迅速かつ公平に初回投与量を受け取れるようにすることは、私たち全員の責務です。COVAXファシリティに代わってユニセフは、これまでで最大かつ最速のワクチン調達と供給を主導することになるでしょう。航空会社や国際的な輸送会社の役割は、この取り組みに不可欠です」と、ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。
輸送が見込まれる規模は莫大です。78億人に1回の投与量を提供するだけで、8,000機の747型貨物機が満杯になります。陸上輸送は、特に現地で製造能力のある先進国では助けになるでしょう。しかし、航空貨物を大規模に利用しなければ、ワクチンを世界規模で配送することはできないでしょう。
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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
各種ガイドライン: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/info/
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
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