コンゴ民主共和国:赤道州でのエボラ出血熱が終息【プレスリリース】
【2020年11月18日 キンシャサ(コンゴ民主共和国) 発】
ユニセフ(国連児童基金)は、コンゴ民主共和国政府による、北西部に位置する赤道州でのエボラ出血熱流行の終息宣言を歓迎します。
コンゴ民主共和国では1976年以来11回目の流行で、赤道州では2年以内で2回目の流行となり、55人が死亡、130人が感染しました。そのうち、子どもは2人死亡し、11人が感染しました。
「流行は終わったとはいえ、エボラの影響を受ける子どもたちは、そのコミュニティが日常生活に戻り始める間も、特別な注意とケアを必要とするでしょう」とユニセフ・コンゴ民主共和国事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデルは述べました。「コンゴ民主共和国での今回の流行の間、ユニセフはパートナーと連携し、子どもたち特有の身体的、心理的、社会的なニーズに応えてきました。これには、両親や家族を対象とした福祉ケアも含まれます。それによって、家族は子どもたちの面倒をよりしっかりと見ることができます」
ユニセフは、両親や保護者がエボラ出血熱に感染したり、死亡した何百人もの子どもたちに、ケアと心理社会的支援を提供してきました。このような支援は、孤立、差別・偏見、栄養不良、貧困などの影響を特に受けやすい子どもたちにとって、非常に重要です。
過去の流行への対応経験により、ユニセフとパートナーは、2020年6月1日に流行が宣言されてから48時間以内に、資源と専門知識を効果的に活用することができました。その後5カ月半にわたり、地域や政府のパートナーと緊密に連携し、エボラ治療センター内の水と衛生設備を改善し、保護者と離ればなれになった子どもたちを含む、感染者や影響を受ける人々への心理社会的支援を提供し、感染症と予防策に関する知識をコミュニティで広めました。具体的には、以下のような取り組みを行ってきました。
- 100万人以上の人々に、エボラ出血熱の症状、予防、治療に関する情報を提供した。
- 州内のエボラ治療センターに50万リットル以上の清潔な水を配布した。
- 治療センターにいる102人のエボラ患者、288人のエボラ患者またはその疑いのある子どもたち、66人の生存者、387人のエボラ患者の家族に心理社会的支援を提供した。
- 3つの保育所で、保護者から引き離された26人の子どもたちのケアを行った。
- 1,000人以上の不利な立場に置かれた子どもたちを支援した。
- ガイダンス・ブリーフ、認知・行動調査、対応をより良く導くための提言を含む社会科学的分析を行った。
- 政府とNGOパートナーに向けて、性的搾取や虐待の防止に関する研修を行った。
ユニセフは、将来の感染症への対応をより効果的なものにするために、国の保健医療システムの強化を継続していきます。また、コンゴ民主共和国のエボラ生存者のためのプログラムにも取り組んでいます。さらに、過去にエボラに感染した母親や子どもが、質の高い不可欠な保健医療を継続的に受けられるようにするために、赤道州の保健当局と連携して取り組みます。これには、保健センターでの水と衛生設備の改善、コミュニティでの衛生習慣の促進、エボラ生存者や流行の影響を受けた子どもたちへの心理社会的支援の提供などが含まれます。
コンゴ民主共和国での11回目のエボラ流行への対応では、過去のエボラ流行の社会科学的研究に基づきコミュニティを優先的に支援し、対象を絞ったリスクコミュニケーションとエンゲージメント活動を行ってきました。その結果、医療従事者への信頼が高まり、ワクチンがどのように作用するのか、どこで接種するのか、副作用はどうなのかについての理解が深まったことで、コミュニティはエボラワクチンを受け入れやすくなったのです。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
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