TOPPAN、調達支援プラットフォームにCO₂排出量算定サービスとのデータ連携を開始
発注情報(納期、数量、単価など)にCO₂排出量を併記し、脱炭素経営に向けた取引情報として活用可能に
TOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤 昌典、以下 TOPPAN)は食品、日用品、医薬品業界におけるパッケージや原材料の調達業務を効率化する企業間調達支援プラットフォーム「SDNECT®」を2020年8月から提供しています。このたび、TOPPANが2023年より提供している、容器包装パッケージの仕様情報を入力するだけでCO₂排出量が算定できるクラウドサービス「SmartLCA-CO₂®」との自動連携機能の提供を2025年4月より開始します。
「SDNECT🄬」に登録されたパッケージの注文書・発注書や納入指示などの調達データと、「SmartLCA-CO₂®」にて算出された企業の製品に使用するパッケージに関わる原料調達からパッケージ製造、リサイクル・廃棄までのCO₂排出量がリンクし、発注情報内で発注資材のCO₂排出量の管理が可能となります。この機能により、プライム上場企業の喫緊の課題となっている、Scope3※1の開示義務化(2026年4月~)における、CO2のサプライチェーン排出量(Scope3)のデータ収集や、カーボンフットプリント※2の算定作業が効率化します。

■ 開発の背景
持続可能な社会の実現に向けた世界的な機運の高まりを受け、環境負荷を低減する容器包装(パッケージ)に注目が集まっています。日本では、2022年にプラスチック資源循環促進法が施行され、プラスチックを使用する製品の「3R+Renewable」の取り組みがこれまで以上に重要視されています。また、EUでは、2030年までにすべての包材を再利用・リサイクル可能にするという目標がかかげられるなど、各国が容器包装(パッケージ)のサステナブル対応に取り組み始めています。容器包装(パッケージ)のCO₂排出量の見える化は、容器包装(パッケージ)とLCA※3の専門知識を有した人が、受注情報、仕様情報、工場の生産情報などを都度収集し、表計算ソフトなどで積算するのが一般的で手間と工数がかかっていました。2023年に発行された資源エネルギー庁のGHG排出量※4のガイドラインでは、企業の排出量を把握する活動だけではなく、関わるサプライチェーン排出量(Scope3)や製品単位でのCO₂排出量(カーボンフットプリント)を把握することが求められています。
また、製造現場や事務作業におけるデジタル変革は、競争力向上の手段として製造業の課題となっています。同時に、製造を行う上で重要な資材調達についてもデジタル化が進んでおり、さまざまなシステムが開発されています。その上で、電子帳簿保存法やインターナルカーボンプライシングを含めた脱炭素経営(カーボンニュートラル)への対応など、調達業務に求められる事象が増えているという課題に対して、企業間調達支援プラットフォーム「SDNECT®」とパッケージのCO₂排出量が算定できるクラウドサービス「SmartLCA-CO₂®」を自動連携する機能を追加しました。
TOPPANは中期経営計画の目指す姿を「Digital & Sustainable Transformation」とし、循環型社会実現への貢献を目指してパッケージ事業におけるさまざまなリサイクル関連技術の開発をすすめています。また、2023年10月より、パッケージを起点としたTOPPANグループのサステナブルブランドとして「SMARTS™(スマーツ)」を立ち上げました。パッケージで培った技術・ノウハウに、マーケティング・DX・BPOなどのリソースを掛け合わせ、バリューチェーンに沿った最適な選択肢を提供しています。本サービスの提供により、調達業務におけるカーボンニュートラルの取組みを支援し、より効率的な業務環境を提供いたします。
■ 「本サービス」の特長
・取引される原材料、容器包装(パッケージ)についてCO₂排出量の管理が可能に
本機能追加により、「SDNECT®」上で取引される発注資材について、納期、数量、単価(金額)などと併せてCO₂排出量について管理が可能になります。
・「SmartLCA-CO₂®」とのAPI連携
容器包装(パッケージ)については、TOPPANが提供する「SmartLCA-CO₂®」に登録されたデータを外部連携機能(API連携)によって取り込むことができ、取引される発注資材のCO₂排出量の反映が可能です。
・属人的な業務プロセスからの脱却
「SDNECT🄬」に調達データ(注文書・発注書や納入指示)を登録すれば、注文一覧や納品日時一覧がリアルタイムで更新され、関係者全員で同じ内容を確認できます。また、連携したCO₂排出量データについても、窓口となる調達部門だけでなくサステナビリティ推進部門や開発部門等、関連部門への情報共有も容易になります。関連資料の作成等の必要がなくなり、業務効率化に繋がります。
・円滑なコミュニケーションの支援
「SDNECT🄬」の特長であるチャット機能でコミュニケーションが完結できる為、連携されたCO₂排出量データの確認にもメールや電話を使わずに、調達データに紐づいたシームレスな業務フローを実現します。チャットの内容は関係者で共有できるようになっており、業務をカバーしあいながらミスを減らすことにも貢献します。
■ 価格
「SDNECT®」基本料金 月額2万円~(導入メーカーのサプライヤー1社あたり)
*SmartLCA-CO₂®基本料金の月額25万円が別途必要となります
■ 今後の目標
TOPPANは、「SDNECT®」を製造業中心にさまざまな企業に対して拡販し、2025年度までに関連事業含めて約3億円の売上を目指します。さらに、デジタル化した調達業務の情報をもとに、企業間や消費者までサプライチェーン全体のDXを実現することで、バリューチェーンの最適化に繋がるソリューションやサービスを開発・展開します。
■TOPPANグループのサステナブルブランド「SMARTS™」について
・サステナブルな未来に、スマートな選択を
「SMARTS™」は、パッケージを起点としたTOPPANグループのサステナブルブランドです。パッケージで培った技術・ノウハウに、マーケティング・DX・BPOなどのリソースを掛け合わせ、バリューチェーンに沿った最適な選択肢を提供します。TOPPANは、「SMARTS™」が持つ多彩なソリューションで、ステークホルダーの皆さまとともに持続可能な社会の実現に貢献します。
URL: https://www.toppan.com/ja/living-industry/packaging/sustainability/
※1 Scope3
企業において自社の事業活動に関する温室効果ガス(GHG)の排出量
Scope1: 自社での燃料の使用や工業プロセスによる直接排出
Scope2: 自社が購入した電気・熱の使用に伴う間接排出
Scope3: Scope1および2以外の間接排出(サプライチェーンを含む事業者の活動におけるその他の排出)
※2 カーボンフットプリント
LCA※3に基づき、製品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルを通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2排出量相当に換算したもの。
※3 LCA
LCAはLife Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)の略。原材料(資源採取から原材料製造)から製品の製造・使用・リサイクル・廃棄など、製品のライフサイクルにおける投入資源や排出する環境負荷を定量的に評価する手法。
※4 GHG排出量
GHGはGreen House Gas(温室効果ガス)の略。地表から放射された赤外線を宇宙に逃がさず、大気中で吸収する性質を持つ物質として二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)など7種類が該当する。その温室効果ガスの排出量をCO2排出量相当に換算したもの。
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以 上
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