移民・難民の子ども:新型コロナ対応、対象から除外~不十分な遠隔学習環境など【プレスリリース】
グジャラート州で村に戻った移民への取り組みで、ロックダウン中に就学前教育キットを受け取る親子。(インド、2020年6月撮影) © UNICEF_UNI342637_Panjwani
移民・難民、避難民の子どもたちの大部分は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにおける各国の対応・復興計画の対象から除外されており、不可欠なサービスやケアへのアクセスが大幅に減少していると、ユニセフ(国連児童基金)は本日述べました。これは、ユニセフが活動する159カ国を対象とした最近の調査で収集されたデータに基づいています。
世界に2億7,200万人いると推定される移民・難民のうち、3,300万人が子どもで、それには1,260万人の難民と150万人の難民申請者が含まれます。また世界では、2,150万人の子どもたちが、紛争、暴力、災害によって国内避難民となっています。
12月18日の「国際移住者デー」に、ユニセフは各国政府に対し、移民・難民、国内避難民を含むすべての厳しい状況の子どもたちが、その状況にかかわらず、パンデミックへの対応・復興活動の中で優先され、質の高い保護、保健医療、水と衛生、教育サービスを受けられるよう求めています。
ロライマ州にある非公式居住区で、ユニセフが設置した新しい手洗い場を利用するベネズエラ難民の子どもと女性。(ブラジル、2020年5月撮影) © UNICEF_UNI345200_Perdomo
サービスの低下が顕著な国の中には、紛争や災害などの危機が続いていて、移動する子どもたちの保健医療、清潔な水、十分な衛生設備へのアクセスにすでに課題のある国もあります。ユニセフの調査によると、
- ユニセフが人道活動を行っている国の半数が、避難民や難民の人々の保健医療へのアクセスが減っていると報告
- 上記の国の約4分の1が、難民・避難民キャンプでの水と衛生サービスの中断を報告
調査データより、移民・難民、避難民の子どもたちが社会や経済面での対応や復興対応の一環として手を差し伸べられていないことが明らかになっています。例えば、以下のような状況です。
- 調査対象となったユニセフの国事務所の58パーセントが、 移民・難民、国内避難民など、不利な立場にある子どもたちの遠隔学習の選択肢が不十分であると報告
- 36パーセントが、移民や避難民の子どもたちへの保護サービスの減少を報告
- 難民や難民申請者の半数が、COVID-19に関連した新たな、あるいは拡大された政府の社会保護措置の対象になっていないと報告
ユニセフはまた、移動する子どもたちへの否定的な見解や敵意が増えていることを懸念しています。これは、COVID-19のもたらした社会経済危機が悪化し、何百万人もの移民・難民が失業率の高い国に帰国するにつれて、その傾向が強まると予想されています。
- ユニセフの国事務所の39パーセントが、移民・難民や国内避難民、帰国者に対する緊張の高まりを報告しており、これは不安定な状況に置かれた国でみると半数近くにまで上昇している
首都カイロで、移民の子どもと家族に配布しているCOVID-19衛生キットや本を受け取った女の子。(エジプト、2020年6月撮影) © UNICEF_UNI347853_Ragaa
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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
COVAX情報ページ: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/covax/
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
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