「人間はこれくらいすごくなれる。その頂点を見てほしい」。WOWOW陸上ナビゲーター・為末大が、開幕を目前に控えたダイヤモンドリーグへの期待を語る!・・・開幕直前スペシャルをWOWOWで無料放送
世界各地を転戦し、男女計32種目で世界最速・最高・最長を決める陸上ワールドツアー「ダイヤモンドリーグ」。WOWOWでは全14大会を生中継中心に、関連番組も充実したラインナップでお送りする。
ダイヤモンドリーグは、2010年に新設された陸上競技大会シリーズの最高カテゴリーで、5月~9月に世界各地で14大会が開催される。出場者は各種目のトップ選手に厳選され、ほとんどが予選無しの一発勝負で行われるため、全ての競技が真剣勝負。また、国別の出場人数制限がないため、ジャマイカ勢が出そろう男子100mなど、五輪や世界陸上でも見られないハイレベルなレースが実現する。
今シーズンの幕開けとなる5月10日のドーハ(カタール)を前に、WOWOWでは「開幕直前!陸上ワールドツアー ダイヤモンドリーグ」を4月28日(日)午前11:45よりWOWOWプライムで放送する。直前スペシャルの放送と合わせ、01年・05年世界陸上400mH銅メダリストの為末大さんに、ダイヤモンドリーグの魅力と大会への思いを聞いた。
Q:ダイヤモンドリーグは選手にとってどういう位置付けでしょうか。
為末:オリンピックと世界陸上が非日常の大会で、逆にダイヤモンドリーグが日常と考えてもらえれば良いと思います。野球で例えると、オリンピックがオールスターであり、ダイヤモンドリーグが通常のリーグ戦ですね。
Q:日本と世界で、ダイヤモンドリーグへの意識は異なりますか?
為末:日本ではオリンピックや世界陸上の比率がかなり高いのですが、世界的に見ると、それらはもう少し比率が低い。ゴールデンリーグ(ダイヤモンドリーグの前身)の頃には、全試合で勝つと金塊をもらえるボーナスがあったのですが、それを獲得するために世界陸上をパスした選手もいました。そういう感覚の選手もいる程、世界的選手たちの中ではダイヤモンドリーグにかける比率が大きいです。
Q:短期間で世界を転戦する難しさはありましたか?
為末:我々の頃は全部で7~8試合を戦っていました。初めは慣れなかったのですが、一度ペースを掴めば戦っていけたと思います。逆に試合の間隔が空きすぎると、試合勘が鈍るという感覚です。ただ、定期的な試合のリズムに対して上手に適応する選手がいる一方で、そうでない選手もいて、シーズン中盤くらいから徐々に両者が分かれていくと思います。
Q:定期的に出場し続ける必要があるのですね。
為末:この試合が日常なので、リーグ戦に出場せずオールスターだけに出場しても、違和感がありますよね。そもそもオリンピックや世界陸上では賞金が出ないという側面もあります。ダイヤモンドリーグは賞金が出るので、生活するための賞金を得ていく大会でもあります。
Q:ダイヤモンドリーグ特有の見どころを教えてください。
為末:先ほどもお話ししましたが、ひとつは『日常』という点です。例えばオリンピックなどで、陸上の人気が高い国へ行くと、ある選手が登場しただけで盛り上がったりするのですが、そこにはダイヤモンドリーグでの勝率が競っていたり、対戦相手との間に因縁があったりと、背景や理由が存在しています。それらの背景は日常を見ていないとわからないものであり、日常を知らないことには非日常も面白くないわけです。選手たちが普段試合をしている場所がダイヤモンドリーグである、という点がまず魅力です。
また、選手の対決に興奮するという日本の基本的なスポーツの楽しみ方がある一方で、陸上においてはそれぞれの選手が前の記録と比べてどれくらい伸びたかという見どころがあります。個々人の、自身との戦いもダイヤモンドリーグの楽しみのひとつですね。
Q:国ごとに選手の特徴はありますか?
為末:文化的背景という面では、例えばジャマイカからジャンパーが出てくると僕らは面白いと思う。「なぜジャンパーが入ってきたのだろう?」「新しいコーチがあの国に入ったのかな?」と。なぜなら、ジャマイカは今までスプリンターしか出てきていない国だから。そういった文化的な背景とセットで見ると非常に面白くなります。大まかに覚えてもらいたいのは、ジャマイカとカリブは短距離選手、アメリカからはジャンパー、北欧はジャンプか投てき、そしてアフリカからは長距離の選手が生まれるということです。
サリー・ピアソン(オーストラリア/ロンドン五輪・女子100mH金メダリスト)はまさしく例外ですね。調べてみると、アメリカに金メダルをもたらした有能なコーチが、オーストラリアに移住していたという背景があるものです。そういう意外性を自分で見つけながら見るのは面白いと思います。それも試合を見続ける楽しさですね。
Q:選手たちのレベルはどのくらい高いものでしょうか。
為末:「最高にレベルの高い運動会」という認識で見てもらうのが一番わかりやすいと思います。陸上競技場だと実際の距離や幅が麻痺しがちですが、走り幅跳びで8m以上の記録が出たとして、普通の横断歩道の幅が8mと言われています。棒高跳びだと信号機の高さより高かったり、走り高跳びの2m40cmは電話ボックスの高さと同じくらいです。日常生活で自分が見ている様々なものを、人間が越えている。そういったことを少しだけ想像しながら、人間がどのくらいすごくなれるのかという、その頂点を見ることも楽しみです。
Q:会場の雰囲気はどうですか?
為末:とても良いですし、選手にもとってやりやすい。屋台なども出ていますし、お祭りなんですよね。ローザンヌやオスロは陸上専門の競技場で、トラックの真横に観客席がズラーっと作ってあって、本当に観客の手が届くくらいのスレスレのところを走って行くんですよ。
陸上の試合だからと言って特別かしこまっている訳でもなくて、観客はビールを飲んだりウインナーを食べたりしながらリラックスしている。だから運動会というのが近いのですが、普通の運動会と異なるのはレベルが本当に高いということ。選手としても、出ていて面白かったですね。あの雰囲気を作るのは相当難しいと思いますが、ダイヤモンドリーグを日本に持ってくることが僕の夢です。
世界のトップアスリートが人間の限界に挑戦する瞬間を、WOWOWでお見逃しなく!
■詳しい内容はWOWOWオンライン 陸上ワールドツアー ダイヤモンドリーグへ!(wowow.co.jp/diamond)
http://www.wowow.co.jp/sports/diamond/
◆◆◆WOWOW番組情報◆◆◆
★「陸上ワールドツアーダイヤモンドリーグ」トップアスリートたちが世界各地を転戦し、男女計32種目で世界最速・最高・最長を決める陸上ワールドツアーダイ ヤモンドリーグ。世界新記録誕生の瞬間を見逃すな!
・第1戦ドーハ(カタール) 5月10日(金)深夜0:45~[WOWOWライブ]※生中継
・第2戦上海(中国) 5月18日(土)夜8:50~[WOWOWライブ]※生中継
・第3戦ニューヨーク(アメリカ) 5月25日(土)深夜2:30~[WOWOWプライム]※生中継
・陸上ダイヤモンドリーグハイライト5月11日(土)午前11:55 ほか[WOWOWプライム]
★「開幕直前!陸上ワールドツアーダイヤモンドリーグ」
・4月28日(日)午前11:45~[WOWOWプライム]※無料放送
ダイヤモンドリーグは、2010年に新設された陸上競技大会シリーズの最高カテゴリーで、5月~9月に世界各地で14大会が開催される。出場者は各種目のトップ選手に厳選され、ほとんどが予選無しの一発勝負で行われるため、全ての競技が真剣勝負。また、国別の出場人数制限がないため、ジャマイカ勢が出そろう男子100mなど、五輪や世界陸上でも見られないハイレベルなレースが実現する。
今シーズンの幕開けとなる5月10日のドーハ(カタール)を前に、WOWOWでは「開幕直前!陸上ワールドツアー ダイヤモンドリーグ」を4月28日(日)午前11:45よりWOWOWプライムで放送する。直前スペシャルの放送と合わせ、01年・05年世界陸上400mH銅メダリストの為末大さんに、ダイヤモンドリーグの魅力と大会への思いを聞いた。
Q:ダイヤモンドリーグは選手にとってどういう位置付けでしょうか。
為末:オリンピックと世界陸上が非日常の大会で、逆にダイヤモンドリーグが日常と考えてもらえれば良いと思います。野球で例えると、オリンピックがオールスターであり、ダイヤモンドリーグが通常のリーグ戦ですね。
Q:日本と世界で、ダイヤモンドリーグへの意識は異なりますか?
為末:日本ではオリンピックや世界陸上の比率がかなり高いのですが、世界的に見ると、それらはもう少し比率が低い。ゴールデンリーグ(ダイヤモンドリーグの前身)の頃には、全試合で勝つと金塊をもらえるボーナスがあったのですが、それを獲得するために世界陸上をパスした選手もいました。そういう感覚の選手もいる程、世界的選手たちの中ではダイヤモンドリーグにかける比率が大きいです。
Q:短期間で世界を転戦する難しさはありましたか?
為末:我々の頃は全部で7~8試合を戦っていました。初めは慣れなかったのですが、一度ペースを掴めば戦っていけたと思います。逆に試合の間隔が空きすぎると、試合勘が鈍るという感覚です。ただ、定期的な試合のリズムに対して上手に適応する選手がいる一方で、そうでない選手もいて、シーズン中盤くらいから徐々に両者が分かれていくと思います。
Q:定期的に出場し続ける必要があるのですね。
為末:この試合が日常なので、リーグ戦に出場せずオールスターだけに出場しても、違和感がありますよね。そもそもオリンピックや世界陸上では賞金が出ないという側面もあります。ダイヤモンドリーグは賞金が出るので、生活するための賞金を得ていく大会でもあります。
Q:ダイヤモンドリーグ特有の見どころを教えてください。
為末:先ほどもお話ししましたが、ひとつは『日常』という点です。例えばオリンピックなどで、陸上の人気が高い国へ行くと、ある選手が登場しただけで盛り上がったりするのですが、そこにはダイヤモンドリーグでの勝率が競っていたり、対戦相手との間に因縁があったりと、背景や理由が存在しています。それらの背景は日常を見ていないとわからないものであり、日常を知らないことには非日常も面白くないわけです。選手たちが普段試合をしている場所がダイヤモンドリーグである、という点がまず魅力です。
また、選手の対決に興奮するという日本の基本的なスポーツの楽しみ方がある一方で、陸上においてはそれぞれの選手が前の記録と比べてどれくらい伸びたかという見どころがあります。個々人の、自身との戦いもダイヤモンドリーグの楽しみのひとつですね。
Q:国ごとに選手の特徴はありますか?
為末:文化的背景という面では、例えばジャマイカからジャンパーが出てくると僕らは面白いと思う。「なぜジャンパーが入ってきたのだろう?」「新しいコーチがあの国に入ったのかな?」と。なぜなら、ジャマイカは今までスプリンターしか出てきていない国だから。そういった文化的な背景とセットで見ると非常に面白くなります。大まかに覚えてもらいたいのは、ジャマイカとカリブは短距離選手、アメリカからはジャンパー、北欧はジャンプか投てき、そしてアフリカからは長距離の選手が生まれるということです。
サリー・ピアソン(オーストラリア/ロンドン五輪・女子100mH金メダリスト)はまさしく例外ですね。調べてみると、アメリカに金メダルをもたらした有能なコーチが、オーストラリアに移住していたという背景があるものです。そういう意外性を自分で見つけながら見るのは面白いと思います。それも試合を見続ける楽しさですね。
Q:選手たちのレベルはどのくらい高いものでしょうか。
為末:「最高にレベルの高い運動会」という認識で見てもらうのが一番わかりやすいと思います。陸上競技場だと実際の距離や幅が麻痺しがちですが、走り幅跳びで8m以上の記録が出たとして、普通の横断歩道の幅が8mと言われています。棒高跳びだと信号機の高さより高かったり、走り高跳びの2m40cmは電話ボックスの高さと同じくらいです。日常生活で自分が見ている様々なものを、人間が越えている。そういったことを少しだけ想像しながら、人間がどのくらいすごくなれるのかという、その頂点を見ることも楽しみです。
Q:会場の雰囲気はどうですか?
為末:とても良いですし、選手にもとってやりやすい。屋台なども出ていますし、お祭りなんですよね。ローザンヌやオスロは陸上専門の競技場で、トラックの真横に観客席がズラーっと作ってあって、本当に観客の手が届くくらいのスレスレのところを走って行くんですよ。
陸上の試合だからと言って特別かしこまっている訳でもなくて、観客はビールを飲んだりウインナーを食べたりしながらリラックスしている。だから運動会というのが近いのですが、普通の運動会と異なるのはレベルが本当に高いということ。選手としても、出ていて面白かったですね。あの雰囲気を作るのは相当難しいと思いますが、ダイヤモンドリーグを日本に持ってくることが僕の夢です。
世界のトップアスリートが人間の限界に挑戦する瞬間を、WOWOWでお見逃しなく!
■詳しい内容はWOWOWオンライン 陸上ワールドツアー ダイヤモンドリーグへ!(wowow.co.jp/diamond)
http://www.wowow.co.jp/sports/diamond/
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★「陸上ワールドツアーダイヤモンドリーグ」トップアスリートたちが世界各地を転戦し、男女計32種目で世界最速・最高・最長を決める陸上ワールドツアーダイ ヤモンドリーグ。世界新記録誕生の瞬間を見逃すな!
・第1戦ドーハ(カタール) 5月10日(金)深夜0:45~[WOWOWライブ]※生中継
・第2戦上海(中国) 5月18日(土)夜8:50~[WOWOWライブ]※生中継
・第3戦ニューヨーク(アメリカ) 5月25日(土)深夜2:30~[WOWOWプライム]※生中継
・陸上ダイヤモンドリーグハイライト5月11日(土)午前11:55 ほか[WOWOWプライム]
★「開幕直前!陸上ワールドツアーダイヤモンドリーグ」
・4月28日(日)午前11:45~[WOWOWプライム]※無料放送
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