第56回新潮新人賞発表! 歌人・詩人でもある竹中優子さんと、現役東京大学院生の仁科斂さんのダブル受賞。
純文学の登竜門である新潮新人賞。今回、応募総数は2855作にのぼりました。その頂点に輝いた受賞作の全文、受賞記念インタビュー、上田岳弘・大澤信亮・小山田浩子・金原ひとみ・又吉直樹の選考委員五氏による選評を、10月7日(月)発売の「新潮」11月号の誌面でお届けします。
竹中優子「ダンス」(110枚)は、20代会社員の「私」と、社内恋愛に失敗した30代の先輩・下村さん、それぞれに社会や世間に馴染めない女性二人が共にした人生のひとときを切り取った、新時代の会社員小説。歌人・詩人としての顔も持つ作者による、普遍的な題材をユーモアも交えて描き出したその完成度が評価されました。
仁科斂「さびしさは一個の廃墟」(150枚)は、建築学科の大学院生であり男婦のバイトをするレンが、奄美大島で観光ガイドをするなかで経験した出来事を描く。レンの移住の背景にある指導教員との歪んだ関係、奄美の方言や島唄、さらには英語や中国語などの異言語も入り混じった独特の色気のある語り口が評価されました。
■選評より(抜粋)
▶又吉直樹さん(「ダンス」について)
台詞がユーモラスで、どの場面も余韻が残った。少ない線に、多くの情報が含まれているような省略の上手さを感じた。(略)このまま舞台でも受けそうな柔軟性を持ちながら、同時に小説という方法を選んだ必然性も随所に感じられた。
▶金原ひとみさん(「さびしさは一個の廃墟」について)
方言や島唄といったモチーフにより強烈な異世界感が漂い、独特な言葉遣いによって、普段自分が使っている言葉の意味と、小説内の言葉の意味が少しずつブレていくような感覚に、揺さぶられる思いがした。
■受賞者略歴
竹中優子(たけなか・ゆうこ)
1982年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2016年「輪をつくる」50首で第62回角川短歌賞、第1歌集『輪をつくる』で2022年第23回現代短歌新人賞受賞。同年、第60回現代詩手帖賞を受賞。第1詩集『冬が終わるとき』で第28回中原中也賞最終候補
仁科斂(にしな・れん)
1994年8月25日、東京都生まれ。オックスフォード大学PPEコース卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科に在籍。
■書籍データ
【誌名】「新潮」2024年11月号
【特別定価】1,200円(税込)
【発売日】2024年10月7日(月)
【JANコード】4910049010648
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