TOPPAN、生成AIを活用した「デジタル分身サービス」の提供開始

人物の姿かたち・声・知見を再現することで、本人さながらの対話を実現マーケティング領域においてAI Powered化を推進

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:大矢 諭、以下 TOPPAN)は、現存する人物の姿かたち・声をリアルに再現し、本人さながらの対話を可能にした分身をデジタル空間上に作成する「デジタル分身サービス」(以下 本サービス)を2025年6月20日より提供開始します。

 本サービスはTOPPANが保有する見た目の再現技術や独自の音声再現AIモデルなどを用いて、人物の姿かたち・声をリアルに再現するだけでなく、TOPPANのデータ管理に関するノウハウを活用して本人に関する膨大なデータをAIに学習させることで、本人さながらの対話が可能な分身アバターを作成できるサービスです。

 TOPPANグループが2025年5月に提供開始した、社内外のAI活用をグループ横断で推進し、企業におけるマーケティング業務のAI Powered化を実現するサービス(※1)の一環として提供します。

 本サービスの提供により、その人物のデジタル分身を通じてより多くの人とのインタラクティブなコミュニケーションや、多様な人に向けた情報発信を可能にします。さらに、マーケティング領域へノウハウが活用でき、企業の資産としての蓄積・継承を実現します。

マーケティング分野における「デジタル分身サービス」の概念図

■ 開発の背景

 情報発信の手段が多様化する一方で、少子高齢化やデジタル化の進展により、世代間の知識や経験の継承、マーケティング領域における効果的なコミュニケーションが課題となっています。コロナ禍を契機に、オンライン上で人の想いや語りの力を伝える重要性も高まりました。こうした中、生成AI技術の進化により、人物の姿かたちや声など“人らしさ”を備えたデジタル分身の再現が可能となり、継承やマーケティング課題の解決に向けた新たなコミュニケーション手段として期待されています。

 しかし、特定の個人の知識・経験などの情報をデジタル分身に反映することは難しく、実現のためには本人が有する膨大な知識・経験に関するデータを構造化しAIに学習させる必要があり、生成AIに関する専門知識や高度な技術が求められます。

 そこでTOPPANがこれまで培ってきた生成AI活用における豊富な知見と、デジタル空間上に人物の姿かたちを再現する技術・ノウハウを合わせることにより、本人さながらの対話を実現した、リアルかつインタラクティブな分身を作成できる「デジタル分身サービス」を提供開始します。本サービスはマーケティングにおける営業商談や、顧客コンタクト業務に活用が可能となり、企業活動の可能性を拡大します。

■ 「デジタル分身サービス」の特長

・高度な表情制御技術を活用し、姿かたちをリアルに再現

 TOPPANがノウハウとして蓄積してきた様々な表現技術を活用し、対象者の顔をリアルに再現。姿かたちだけでなく人間らしい動きや表情も再現した、表現豊かなコミュニケーションを支援します。

・音声再現AIモデルを生成し、本人の声色や声質を多言語で再現

 収録した音声サンプルを元に音声再現AIモデルを生成し、声色や声質をリアルに再現します。音声サンプルの収録はスタジオでの本格的な収録と併せて、スマホアプリによる簡易的な収録も可能です。

 多言語対応エンジンの活用により、その人の声色や声質による多言語の発話も可能にし、世界中のユーザーとコミュニケーションを行えるようになります。

 

・生成AIの活用により、本人さながらの会話と疑似的な相互コミュニケーションを実現

 本人に関するテキストや動画、画像など多様なデータをTOPPANのデータ管理に関するノウハウを活用して構造化しAIに参照させることで、本人の知識・ノウハウに基づく対話を実現します。さらに、本人の話し方や口癖など細部まで再現することで、親近感を持って対話を行うことが可能になります。

「デジタル分身サービス」のイメージ

■ デジタル分身の想定される活用シーン例

 インタラクティブな会話により、単なる映像コンテンツや音声メディアの再現とは異なる、営業商談・顧客コンタクトや教育・文化の継承を実現し、企業の効果的なマーケティング・ブランディングを可能にします。

・AIを活用した分身による同時コミュニケーション

 本人が不在時の対応や、本人だけでは対応しきれない多人数との同時対応、窓口接客業務など、業務効率化を支援します。

・会社理念の継承の他、トップセールスのノウハウを活用した営業商談・顧客コンタクト

 経営者や創始者の知識・思考を基に、企業の経営ビジョン・行動指針を体現したプレゼンテーション、相互コミュニケーションを実現します。また、トップセールスのノウハウを反映することで、営業商談やコンタクト領域でより高い顧客満足度を追求することが可能となります。

・多言語対応によるグローバルな情報発信

 本人の代わりに多言語でメッセージを発信します。グローバルにおける教育・文化の継承や企業のブランディングコンテンツ・研修動画など、本人が話せない言語でも情報発信が可能です。

・対話体験の提供

 エンターテインメント分野におけるファンサービスなど、本人との対話に価値がある場面において、本人の代わりに対話体験を提供します。

■ 価格

・メッセージ型動画 1本 150万~

・対話型アバターシステム  1件 500万~

※各種設計やデータ量など、要件によって価格は変動します。

■ 今後の目標

 TOPPANは本サービスにより、様々な人物をデジタル空間に再現し、世界中の人との繋がりや新しいコミュニケーションの可能性を追求するとともに、ノウハウの継承や人材不足の解消におけるコミュニケーションを支援するAIサービスの構築を行います。

 また、本サービスがさらに活用されるためには分身作成に用いられているデータの信頼性を示す必要があります。TOPPANデジタルが提供している、アイデンティティ(アバター)の真正性を証明する基盤である「AVATECT®」とも今後連携をすることで、本サービスが安心して活用できる環境を整備します。

 このようにTOPPANグループが培ってきた技術・ノウハウと合わせて活用することにより、本サービスとそれに関連したサービスの提供を推進し、2027年度末までに10億円規模の売り上げを目指します。

■ 全社AI推進室について

 TOPPANグループはAIを企業競争力の根幹とするため、2025年4月にAI CoE(Center of Excellence)として「全社AI推進室」を設置しました。本組織では、TOPPANグループのAI戦略の策定および、AI知識の集約と教育、技術支援とリソース提供などにより、AIの戦略的活用を進めながら、業務革新と新規事業の創造を推進しています。本組織を基点として、AIの社会実装を加速させ、顧客企業やパートナーとともに新たな価値創造を目指します。

※1 AI Powered化の支援サービス:

 短期間でAI導入/効果/検証を行い、マーケティングDX領域における業務プロセス改革を実現させるサービス。企業のビジネス全体を俯瞰したうえで課題を抽出し、企業のAI戦略の立案を行うコンサルティングと、その計画の実装と運用、事業成長までをサポートするAI活用オーケストレーションで、企業へのAI活用の定着から運用までを統合的に支援します。

 https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2025/05/newsrelease250508_1.html

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以  上

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会社概要

TOPPANホールディングス株式会社

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URL
https://www.holdings.toppan.com/ja/news/
業種
情報通信
本社所在地
東京都文京区水道1-3-3
電話番号
-
代表者名
麿秀晴
上場
東証プライム
資本金
1049億8643万円
設立
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