新型コロナウイルス:7人に1人の子どもが外出制限下~深刻化するメンタルヘルス【プレスリリース】

パナマシティにある学校の空き教室の中に立つ女の子。ラテンアメリカとカリブ海諸国に住む子どもたちは、COVID-19の影響で学校教育の機会を奪われている。(パナマ、2020年9月撮影) © UNICEF_UN0359850_Schverdfingerパナマシティにある学校の空き教室の中に立つ女の子。ラテンアメリカとカリブ海諸国に住む子どもたちは、COVID-19の影響で学校教育の機会を奪われている。(パナマ、2020年9月撮影) © UNICEF_UN0359850_Schverdfinger

【2021年3月4日 ニューヨーク 発】

世界で3億3,200万人、少なくとも7人に1人の子どもが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが始まってから最短でも9カ月間、全国的に義務づけられた、あるいは推奨された外出制限(ステイホーム)の下で生活しており、子どもたちのメンタルヘルスと幸福が危険に晒されていると、ユニセフ(国連児童基金)は本日警鐘を鳴らしました。

世界の大多数の子どもたちが、昨年より断続的なロックダウンを何らかの形で経験していますが、オックスフォード大学によるデータ(COVID-19 Government Response Tracker)に基づくユニセフによる新たな分析は、世界で最も長く続いているロックダウンのいくつかを明らかにしています。

分析によると、COVID-19が2020年3月11日にパンデミックと宣言されて以来、世界では1億3,900万人の子どもたちが最短でも9カ月間、全国的に義務づけられた外出制限の下で暮らしています。残りの1億9,300万人は、同じ期間、全国的に推奨された外出制限の下で暮らしています。

「全国的なロックダウンとパンデミックに関連した移動制限により、私たち全員にとって、特に子どもたちにとっては長い1年でした」とユニセフのヘンリエッタ・フォア事務局長は述べました。「毎日、友人や愛する人から離れて過ごし、また、虐待者と一緒に家に閉じこもっている場合、その影響は非常に大きいものになります。多くの子どもたちは、恐怖、孤独、不安、将来の心配を感じています。子どもと若者のメンタルヘルスへのより良いアプローチを通じて、このパンデミックを切り抜けなければなりません。それはまず、この問題を意識することから始まります」
 

首都リマの自宅で宿題に取り組む15歳のダニエラさん。パソコンが自宅にないため、携帯アプリを通じて授業の映像を受信している。(ペルー、2020年9月撮影) © UNICEF_UN0376554_García_AFP-Services首都リマの自宅で宿題に取り組む15歳のダニエラさん。パソコンが自宅にないため、携帯アプリを通じて授業の映像を受信している。(ペルー、2020年9月撮影) © UNICEF_UN0376554_García_AFP-Services

パンデミックが2年目に入り、子どもと若者のメンタルヘルスと心理社会的な幸福への影響は深刻です。ラテンアメリカとカリブ海諸国では、ユニセフは最近若者を対象としたU-Report(ユー・レポート)の調査を実施しました。8,000人以上の回答が寄せられ、4分の1以上が不安を、15%が気持ちの落ち込みを経験していることが明らかになりました。

パンデミック以前から、子どもと若者はメンタルヘルスのリスクを抱えており、すべての精神疾患の半数が15歳より前に、75%が成人期初期までに発症しています。毎年約80万人が自殺により命を落としていますが、その大半は若者であり、自傷行為は15~19歳の死因の第3位で、10代の女の子においてはより高い比率になっています。また世界では、4人に1人の子どもが心に病のある保護者と一緒に暮らしていると推定されます。

ロックダウンによって、家庭で暴力やネグレクト、虐待を経験している子どもたちの多くが虐待者と一緒に置き去りにされ、教師や親戚、地域社会の支援を受けられなくなっています。路上で生活したり働いたりしている子ども、障がいのある子ども、紛争下で暮らす子どもなど、不利な立場に置かれた子どもたちにおいて、メンタルヘルスのニーズが完全に見過ごされてしまう恐れがあります。
 

国内で行われるオンラインキャンペーンに、ボランティアで参加する16歳のカラムカスさん。身体の健康やメンタルヘルスを守る方法、誤情報への対処方法や隔離中の過ごし方などウェビナーを通じて学んだ。(カザフスタン、2020年10月撮影) © UNICEF_UN03国内で行われるオンラインキャンペーンに、ボランティアで参加する16歳のカラムカスさん。身体の健康やメンタルヘルスを守る方法、誤情報への対処方法や隔離中の過ごし方などウェビナーを通じて学んだ。(カザフスタン、2020年10月撮影) © UNICEF_UN03

世界保健機関(WHO)によると、パンデミックによって、世界の93%の国で重要なメンタルヘルスサービスが中断または停止している一方で、メンタルヘルス支援の需要は高まっています。中国の194の都市を対象とした調査では、回答者の16%がパンデミックの最中に中等度から重度の抑うつ症状を報告し、28%が中等度から重度の不安症状を報告しました。

これを受けてユニセフは、政府やパートナーが子どもを対象としたサービスを優先するための支援を行っています。例えば、カザフスタンでは、学校でメンタルヘルスの専門家を対象にオンライン研修を行うとともに、子どもたちに個別でオンラインカウンセリングを行うためのプラットフォームを立ち上げました。中国では、動画アプリを開発・運営するKuaishou(快手)とともに、子どもたちの不安を軽減するための取り組みをオンラインで行っています。

今年後半に発行されるユニセフの基幹報告書「世界子供白書」は子どもと若者のメンタルヘルスがテーマです。世界的な課題における認識を高めて解決策を提示し、各国政府がこの問題に一層の重点を置くよう推進することを目指しています。

「パンデミック以前にはその緊急性を十分に認識していなかったとしても、今は確実にそれを理解しているはずです。各国は、地域社会や学校での若者とその保護者のためのメンタルヘルスサービスと支援の拡大に多くの資金を投入しなければなりません。また、厳しい状況に置かれた家庭の子どもたちが家庭で必要な支援と保護を受けられるように、子育て支援の規模を拡大する必要があります」(フォア)

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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。
特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
COVAX情報ページ: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/covax/

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
 
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