エチオピア・ティグライ州:民間人への性的暴力を非難【プレスリリース】
ユニセフなど共同声明
州都メケレにある国内避難民キャンプの小学校の子どもにやさしい空間で遊ぶ女の子。(2021年2月22日撮影) © UNICEF_UN0422021_Sewunet
ユニセフ(国連児童基金)など国連機関は、エチオピアのティグライ州で報告されている、性的暴力を含む民間人に対する攻撃に関して、以下の共同声明を発表しました。
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エチオピアのティグライ州で人道的状況が悪化する中、レイプなどの恐ろしい形態の性的暴力を含む、市民を標的にした無差別の攻撃が報告されています。こうしたことを止めなければなりません。
私たちはすべての国家・非国家の紛争当事者に対し、国際人道法および人権法の下での義務を果たすこと、自軍が民間人、特に女性と子どもをあらゆる人権侵害から保護すること、すべての性的暴力を明確に非難すること、そして侵害が発生した場合は加害者を裁くための行動をとることを求めます。
ティグライ州中央部のシレからアディグラットへ避難し、小学校の教室で生まれた生後2カ月の赤ちゃん。まだ予防接種をひとつも受けられていない。(2021年2月22日撮影) © UNICEF_UN0421999_Sewunet
また、レイプ被害者の臨床管理に必要なすべてのサービスを提供しているのは1施設のみで、緊急避妊法が完全に利用できるのは評価対象施設の半分以下でした。女性や子どもたちは、頻繁で深刻な治安上の脅威や避難生活に直面しているため、医療機関に行くこと自体を恐れる環境にあります。さらに、多くの人々は、未完成または破損した建物に避難しており、ほとんどの滞在先には、女男別々の空間やトイレがないため、ジェンダーに基づく暴力(GBV)が生じたり特定の感染症が蔓延したりするリスクが高まっています。
この紛争による深刻な人的被害の防止と対応には、あらゆるレベルでの連携が必要です。
子どもの保護プログラムとして、ユニセフから尊厳回復キットを受け取った18歳のフェベンさん(左)と20歳のセナイトさん(右)。(2021年1月撮影) © UNICEF_UN0405795_Leul Kinfu
人道的なアクセスも重要です。紛争や暴力の影響を受けているエチオピアのすべての地域に、人道支援スタッフが行けるようにする必要があります。ティグライ州、ベニシャングル・グムズ州、オロミア州、南部諸民族州(SNNPR)、アムハラ州の主要な町や農村部、そして多くの国内避難民を抱える地域も含まれます。
人道支援スタッフや物資がティグライ州に入ることにおいては、進展もあった一方で、まだ多くのことが実現していません。人道支援機関に必要なアクセスとリソースが与えられれば、保健サービスや物資、GBVケースマネジメント、尊厳回復キット、レイプ後の治療、女性と子どものための安全な空間など、命を守り、状況を変えていくためにどうしても必要な予防と対応のための支援を行うことができます。また、多くの人が深いトラウマを抱えていることから、メンタルヘルスや心理社会的ニーズへの支援も求められています。
人権と国際人道法を尊重した協調的かつ包括的な取り組みがなされてこそ、ティグライ州における人道支援が、女性と子どもに対する人道的ニーズの規模に見合ったものになるでしょう。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ
活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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