リーガ・エスパニョーラ12‐13シーズン完結!元サッカー日本代表の野口幸司氏が、2強の戦いぶりを中心に今季を総括!・・・リーガ総集編をWOWOWで放送
今シーズンも数多くのドラマが生まれたリーガ・エスパニョーラ。バルセロナが勝ち点100を達成し、リーガ奪還を果たした一方で、今季主要タイトル無冠に終わったレアル・マドリードでは、モウリーニョ監督の退任が決定された。WOWOWでは、リーガ総集編の放送を前に、WOWOWサッカー解説者の野口幸司氏に独占インタビューを実施。独自の視点から、今季の総括を語っていただいた。
Q:新体制となったバルセロナの1年目はいかがでしたか?
野口:グアルディオラ前監督の体制から継承した、強いバルセロナという印象は今シーズンもありました。一方で、ティト・ビラノバ監督が目指した方向性を出し切ることはできなかったと感じています。
それでもレアル・マドリードを抑えてリーガで優勝を果たしたことは、バルセロナの実力による結果だと思います。また、ビラノバ監督は就任1年目でリーガというタイトルを獲ることができたので、2年目の来季は多少の余裕も生まれると思います。オフの間にどれだけ準備をして、チームに方向性を植え付けられるかがポイントです。
Q:今季限りでのモウリーニョ監督の退団が決まりました。R・マドリードの戦いぶりを振り返ってください。
野口:モウリーニョが3年かけて構築し、示してきた戦い方に僕は多くのメッセージを感じました。近代サッカーと言われるバルセロナのポゼッションに対して、R・マドリードで見せたモウリーニョのサッカーは、全員がしっかり守備をして攻撃に早く移り、シュートまで持っていくスタイルでした。それはどのチームにも当てはめることができる戦い方だと思います。そのうえで、彼がこれまでに率いたポルト、チェルシー、インテルというチームからの進化も見られました。
ただ、3年目となった今シーズンはスーペル・コパ以外にタイトルが取れなかった。主要タイトル無冠に終わったという意味では、彼のキャリアの中で最も納得のいかないシーズンだったと思いますが、3年間をトータルで見た際には非常に優秀な監督だったと感じています。
Q:必ずしも成功とは言えないシーズンとなった要因を、どのように見ますか?
野口:ひとつ挙げるならば左サイドバックです。コエントランとマルセロが、怪我などもあってうまく収まらなかった。積み上げてきたものが崩れたからタイトルが取れなかったのではなくて、やりたいことが準備段階から少しずつ遅れてしまったと僕は見ています。
Q:良くも悪くも、2チーム以外で気になったチームを挙げてください。
野口:悪い面ではアスレティック・ビルバオです。昨シーズン、ビエルサ監督が自身のサッカーを植えつけて、ヨーロッパリーグのファイナルに進むなど結果を残しました。若くてポテンシャルの高い選手がいて、このチームはどこまでいくのだろうと考えていただけに、ビルバオの今季の成績(12位)はショックでした。
フェルナンド・ジョレンテが契約で揉めてしまったことなども、本当にもったいなかった。まだ若いとはいえ、選手生活は長くありません。ベストの状態で臨んだ末に結果が出なければまだ納得もできましたが、そうではない。選手、監督ともに振り回された一年だったと思います。
Q:良い意味ではどのチームでしょうか?
野口:コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)を取ったアトレティコ・マドリードですね。普通は中立地で行われるコパ・デル・レイの決勝をR・マドリードのホームで戦い、これまで長らく勝てなかった宿敵に勝ち、タイトルを手にしました。そして、リーガでも3位という結果を残しています。
Q:エースのファルカオが移籍となりますが、来季のA・マドリードへの期待はいかがでしょう?
野口:ここでダメになるのか、もう1ランクチームを上げられるのか、真価が問われると思います。優勝争いに加われるかどうかが、シメオネ監督の3年目の集大成ですよね。それは選手にも言えることで、R・マドリードを破ってコパ・デル・レイを取ったことに満足するのか、常勝軍団としてチームも個人もステップアップさせられるのかがポイントです。リーガの2強と対等に戦ってほしいですし、期待もしています。
Q:退団する選手がいる一方で、バルセロナではブラジルの至宝とも呼ばれるネイマールの加入が決まりました。どのようなサッカーを期待しますか?
野口:メッシに加えてネイマールが入ったことで、1人でも魅せられるプレーヤーが2人となりました。彼らをどのように共存させるのか戦術面が気になります。また、世界的なビッククラブに来て環境も変わる中で、ネイマールがリーガでどのように順応して活躍していくのかが楽しみですね。
Q:来季のR・マドリードで期待する選手を挙げてください。
野口:やはりDFのヴァランです。実力は示しましたので、シーズンを通して安定したプレーをできるかが鍵になると思います。まだ若いのでもっと伸びると思いますし、組み立てからゲームを作れるレベルになるのか、今後の成長が楽しみです。
攻撃面にはクリスティアーノ・ロナウドがいますが、長いシーズンの中で強敵と戦う際に、それだけではまだ足りないと感じます。モドリッチが調子を上げてきたシーズン後半のサッカーが僕は好きなので、モドリッチが中盤を作って、そこからベンゼマか、あるいは新しい選手なのか、クリスティアーノ・ロナウド以外にもう1つ武器ができれば強いと思います。
シーズンのバロメーターにもなりますし、クラシコが今から楽しみですね。お互いに怪我人もなく、ベストな状態で戦えることを期待しています。
Q:若手の話が出ましたが、 U-21の欧州選手権がいよいよ開幕となりました。大会の見どころを聞かせてください。
野口:僕も高校生を教えているのですが、若いプレーヤーには良い部分もあれば、まだ荒削りの部分もある。スターを発掘する大会だと思いますし、ここで活躍した選手がA代表に加われるかどうかにも注目が集まりますね。指導者の目線に立つと、日本で教えている高校生たちと何が違うのか新たな発見もあると思います。色々な意味で、何年後かに「この大会を見ておいて良かった」と感じる大会です。
特にスペインには、クラブでチームの顔となっているような選手が揃っています。一方で、その選手が集まっても勝てなかったのがオリンピックなので、難しさもあると思います。
Q:名前が挙がったスペインの中で、注目の選手はいますか?
野口:スペインではMFのイスコに注目しています。彼がチームの中心になった時に、周りに気を配り過ぎて実力を発揮できないのか、あるいはその中でも自分も出せるのか。マラガとは違ったプレーを見せてくれると思うので、どういうプレーをするのか楽しみです。
豪華解説陣が今シーズンを振り返る「リーガ・エスパニョーラ 12-13シーズン総集編」は6月8日(土)午後5:00~WOWOWライブにて放送する。
◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆
★リーガ・エスパニョーラ 12-13シーズン総集編
12-13シーズンも6月初頭に終了。そこで、シーズンを通しての総集編を放送する。スーパースターたちが繰り広げてきた記憶に残るプレーを振り返る。
6月8日(土)午後5:00~[WOWOWライブ]
http://www.wowow.co.jp/sports/liga/
★2013 UEFA U-21 サッカー欧州選手権
若き代表選手たちが欧州No.1を争う、歴史ある国際大会。過去にはフィーゴ、カンナヴァーロ、ピルロなどスターを輩出しており、ブレイク必至のダイヤの原石にも注目だ。
6月7日(金)~18日(火)[WOWOWライブ]
http://www.wowow.co.jp/sports/euro/u21/
<放送スケジュール>
・グループリーグ第1戦 オランダvsドイツ
6月7日(金)午後5:00~[WOWOWライブ]
・グループリーグ第2戦 ドイツvsスペイン
6月10日(月)午前5:00~[WOWOWライブ]
・グループリーグ第3戦-1
6月11日(火)深夜0:50~[WOWOWライブ]※生中継
・グループリーグ第3戦-2
6月12日(水)深夜0:50~[WOWOWライブ]※生中継
・準決勝-1
6月15日(土)深夜0:20~[WOWOWライブ]※生中継
・準決勝-2
6月15日(土)深夜3:20~[WOWOWライブ]※生中継
・決勝
6月18日(火)深夜0:45~[WOWOWライブ]※生中継
Q:新体制となったバルセロナの1年目はいかがでしたか?
野口:グアルディオラ前監督の体制から継承した、強いバルセロナという印象は今シーズンもありました。一方で、ティト・ビラノバ監督が目指した方向性を出し切ることはできなかったと感じています。
それでもレアル・マドリードを抑えてリーガで優勝を果たしたことは、バルセロナの実力による結果だと思います。また、ビラノバ監督は就任1年目でリーガというタイトルを獲ることができたので、2年目の来季は多少の余裕も生まれると思います。オフの間にどれだけ準備をして、チームに方向性を植え付けられるかがポイントです。
Q:今季限りでのモウリーニョ監督の退団が決まりました。R・マドリードの戦いぶりを振り返ってください。
野口:モウリーニョが3年かけて構築し、示してきた戦い方に僕は多くのメッセージを感じました。近代サッカーと言われるバルセロナのポゼッションに対して、R・マドリードで見せたモウリーニョのサッカーは、全員がしっかり守備をして攻撃に早く移り、シュートまで持っていくスタイルでした。それはどのチームにも当てはめることができる戦い方だと思います。そのうえで、彼がこれまでに率いたポルト、チェルシー、インテルというチームからの進化も見られました。
ただ、3年目となった今シーズンはスーペル・コパ以外にタイトルが取れなかった。主要タイトル無冠に終わったという意味では、彼のキャリアの中で最も納得のいかないシーズンだったと思いますが、3年間をトータルで見た際には非常に優秀な監督だったと感じています。
Q:必ずしも成功とは言えないシーズンとなった要因を、どのように見ますか?
野口:ひとつ挙げるならば左サイドバックです。コエントランとマルセロが、怪我などもあってうまく収まらなかった。積み上げてきたものが崩れたからタイトルが取れなかったのではなくて、やりたいことが準備段階から少しずつ遅れてしまったと僕は見ています。
Q:良くも悪くも、2チーム以外で気になったチームを挙げてください。
野口:悪い面ではアスレティック・ビルバオです。昨シーズン、ビエルサ監督が自身のサッカーを植えつけて、ヨーロッパリーグのファイナルに進むなど結果を残しました。若くてポテンシャルの高い選手がいて、このチームはどこまでいくのだろうと考えていただけに、ビルバオの今季の成績(12位)はショックでした。
フェルナンド・ジョレンテが契約で揉めてしまったことなども、本当にもったいなかった。まだ若いとはいえ、選手生活は長くありません。ベストの状態で臨んだ末に結果が出なければまだ納得もできましたが、そうではない。選手、監督ともに振り回された一年だったと思います。
Q:良い意味ではどのチームでしょうか?
野口:コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)を取ったアトレティコ・マドリードですね。普通は中立地で行われるコパ・デル・レイの決勝をR・マドリードのホームで戦い、これまで長らく勝てなかった宿敵に勝ち、タイトルを手にしました。そして、リーガでも3位という結果を残しています。
Q:エースのファルカオが移籍となりますが、来季のA・マドリードへの期待はいかがでしょう?
野口:ここでダメになるのか、もう1ランクチームを上げられるのか、真価が問われると思います。優勝争いに加われるかどうかが、シメオネ監督の3年目の集大成ですよね。それは選手にも言えることで、R・マドリードを破ってコパ・デル・レイを取ったことに満足するのか、常勝軍団としてチームも個人もステップアップさせられるのかがポイントです。リーガの2強と対等に戦ってほしいですし、期待もしています。
Q:退団する選手がいる一方で、バルセロナではブラジルの至宝とも呼ばれるネイマールの加入が決まりました。どのようなサッカーを期待しますか?
野口:メッシに加えてネイマールが入ったことで、1人でも魅せられるプレーヤーが2人となりました。彼らをどのように共存させるのか戦術面が気になります。また、世界的なビッククラブに来て環境も変わる中で、ネイマールがリーガでどのように順応して活躍していくのかが楽しみですね。
Q:来季のR・マドリードで期待する選手を挙げてください。
野口:やはりDFのヴァランです。実力は示しましたので、シーズンを通して安定したプレーをできるかが鍵になると思います。まだ若いのでもっと伸びると思いますし、組み立てからゲームを作れるレベルになるのか、今後の成長が楽しみです。
攻撃面にはクリスティアーノ・ロナウドがいますが、長いシーズンの中で強敵と戦う際に、それだけではまだ足りないと感じます。モドリッチが調子を上げてきたシーズン後半のサッカーが僕は好きなので、モドリッチが中盤を作って、そこからベンゼマか、あるいは新しい選手なのか、クリスティアーノ・ロナウド以外にもう1つ武器ができれば強いと思います。
シーズンのバロメーターにもなりますし、クラシコが今から楽しみですね。お互いに怪我人もなく、ベストな状態で戦えることを期待しています。
Q:若手の話が出ましたが、 U-21の欧州選手権がいよいよ開幕となりました。大会の見どころを聞かせてください。
野口:僕も高校生を教えているのですが、若いプレーヤーには良い部分もあれば、まだ荒削りの部分もある。スターを発掘する大会だと思いますし、ここで活躍した選手がA代表に加われるかどうかにも注目が集まりますね。指導者の目線に立つと、日本で教えている高校生たちと何が違うのか新たな発見もあると思います。色々な意味で、何年後かに「この大会を見ておいて良かった」と感じる大会です。
特にスペインには、クラブでチームの顔となっているような選手が揃っています。一方で、その選手が集まっても勝てなかったのがオリンピックなので、難しさもあると思います。
Q:名前が挙がったスペインの中で、注目の選手はいますか?
野口:スペインではMFのイスコに注目しています。彼がチームの中心になった時に、周りに気を配り過ぎて実力を発揮できないのか、あるいはその中でも自分も出せるのか。マラガとは違ったプレーを見せてくれると思うので、どういうプレーをするのか楽しみです。
豪華解説陣が今シーズンを振り返る「リーガ・エスパニョーラ 12-13シーズン総集編」は6月8日(土)午後5:00~WOWOWライブにて放送する。
◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆
★リーガ・エスパニョーラ 12-13シーズン総集編
12-13シーズンも6月初頭に終了。そこで、シーズンを通しての総集編を放送する。スーパースターたちが繰り広げてきた記憶に残るプレーを振り返る。
6月8日(土)午後5:00~[WOWOWライブ]
http://www.wowow.co.jp/sports/liga/
★2013 UEFA U-21 サッカー欧州選手権
若き代表選手たちが欧州No.1を争う、歴史ある国際大会。過去にはフィーゴ、カンナヴァーロ、ピルロなどスターを輩出しており、ブレイク必至のダイヤの原石にも注目だ。
6月7日(金)~18日(火)[WOWOWライブ]
http://www.wowow.co.jp/sports/euro/u21/
<放送スケジュール>
・グループリーグ第1戦 オランダvsドイツ
6月7日(金)午後5:00~[WOWOWライブ]
・グループリーグ第2戦 ドイツvsスペイン
6月10日(月)午前5:00~[WOWOWライブ]
・グループリーグ第3戦-1
6月11日(火)深夜0:50~[WOWOWライブ]※生中継
・グループリーグ第3戦-2
6月12日(水)深夜0:50~[WOWOWライブ]※生中継
・準決勝-1
6月15日(土)深夜0:20~[WOWOWライブ]※生中継
・準決勝-2
6月15日(土)深夜3:20~[WOWOWライブ]※生中継
・決勝
6月18日(火)深夜0:45~[WOWOWライブ]※生中継
すべての画像