TOPPAN、大型・高精細 LEDビジョンで色を適切に再現するカラーマネジメントシステムを開発
3Dシミュレーションサービス「MiraVerse® Core」などとの連携により、実物大で住空間などの色や質感を再現し臨場感溢れる顧客体験を実現
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:大矢 諭、以下 TOPPAN)は、これまで培ってきたカラーマネジメント(※1)技術を基に、大型・高精細LEDビジョン用CMS(カラーマネジメントシステム)(以下、本システム)を開発しました。ショールームや展示施設などに設置されるLEDビジョンへ表示するコンテンツを適切な色で再現することができます。
本システムは、コンテンツの制作環境とLEDビジョンの色域(※2)を合わせる仕組みにより、LEDビジョンのメーカーや機種の違いによる色再現のばらつきを解消します。加えてTOPPANが提供する3Dシミュレーションサービス「MiraVerse® Core」などで制作した高精細なコンテンツと連携することで、実物大かつ適切な色・質感を再現することを可能にしました。
これにより、LEDビジョンに投影したコンテンツで色や柄のバリエーションを確認する用途が想定される、住空間や車などのショールームで要求される高精度な再現性を提供します。
なお、本システムは株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:熊野 聡)が2025年4月に開設し、8月上旬より本格稼働する「デジタルプレゼンスペース・H/DTL(長谷工デジタルテクノロジーラボ)」に設置された「VRシアター」に採用されています。幅8m×高さ2.7mの超高解像度LEDビジョンでは、臨場感のある3D体験と高品質な色や質感の再現を実現しています。

■ 開発の背景
近年、現物が大型で展示スペースの確保が難しい住空間や車などのショールームでは、代替手段として、大型で高精細なデジタルデバイスのニーズが高まっています。しかし、LEDビジョンの多くは、広告看板用途での鮮やかさ・明るさなどの見映えと華やかさが優先される機種が主流となっており、実物の色味を適切に伝えるための色調・コントラスト等の調整や制御が可能な製品が少ないため、空間設計に合わせづらく、コストが高い傾向にあります。そのため、表示環境や使用する各機器の特性に応じて、コンテンツ制作における個別の色調整を行う必要があり、LEDビジョンで色味を正確に伝える用途に使用する場合のコスト高など導入の難しさの要因となっていました。
TOPPANはこれまでに、「MiraVerse® Core」で制作した再現性の高い3DCGや、高精細実写映像のサービスである「Meet Japan!®」や「Natural Window®」などの提供を通じて、LEDビジョンで表示する際に色や質感を適切に再現する仕組みの検証を自社ショールームなどで行ってきました。
これらの背景のもと、このたびTOPPANは、LEDビジョンへ表示するコンテンツの適切な色再現を可能にするCMSを開発しました。本システムの活用により、コンテンツ制作における個別の色調整が不要となります。加えてTOPPANが提供する「MiraVerse® Core」などで制作した高精細3DCGとの連携により、実物大かつ色・質感を高精度に再現し、大型製品や空間設計において臨場感のある提案を実現します。
■ 本システムの特長
・LEDビジョンへ正しい色を高精度に再現
印刷で培ってきたカラーマネジメント技術を活用し、LEDビジョンの各製品で異なる特性(色域や輝度など)に合わせて、出力機器からの映像信号を制御することで、LEDビジョンの出力表示の色域と制作環境の色域を合わせることが可能です。これによりコンテンツの個別の色調整の対応が不要となり、様々なLEDビジョンへ適切な色再現を高精度に実現します。


・多様なLEDビジョンに対応し、製品選定の柔軟性を実現
本システムは、表示したいコンテンツが制作された環境での色域を表示することのできるLEDビジョンであれば、多くのメーカーや機種のLEDビジョンに対応することができます。導入企業が設置を検討する空間や用途に応じて、最適な色域・輝度・解像度・ピッチ幅の製品を選定することが可能となり、LEDビジョンの導入選択の柔軟性を実現します。TOPPANは、これまで培ってきたショールームや展示施設におけるLEDビジョン導入やコンテンツ制作の知見により、ハードとソフト両面における最適なデバイスプランニングを提供します。
・実物大での再現性を重視した空間設計で顧客体験を高度化
本システムを大型・高精細LEDビジョンに適用させることで、製品や空間の細部まで、実物と近いイメージで色を確認できます。また、3Dシミュレーションサービス「MiraVerse® Core」などとの連携により、LEDビジョンにおける住宅空間などのイメージを、実物大かつ高精細な表示ができるため、実際の距離感やスケール感、光沢、陰影、テクスチャなどの繊細な質感も再現することが可能です。商業施設やショールームで、空間設計やデジタル上の製品における検討・決定プロセスの精度向上を実現します。
■ 価格
・本システムは、導入するLEDビジョンの仕様等によって都度見積となります。
・「MiraVerse® Core」の基本価格
サービス導入初期費 80万円~
月額サービス利用料 60万円~
※ 登録するデータ量や月間アクセス数によって価格は変動します。
※ 3Dデータ制作は別途費用がかかります。
■ 今後の目標
TOPPANは、今回開発した大型・高精細LEDビジョン用CMSと、3Dシミュレーションサービス「MiraVerse® Core」などを連携し、マンションデベロッパー、ハウスメーカー、住宅設備メーカー、建材メーカー、自動車メーカーなど、現物の展示の代替設備としてLEDビジョンのショールームや展示施設を持つ企業へ導入を拡大し、2028年までに10億円の売上げを目指します。
※1 カラーマネジメント
ディスプレイやプリンタ、印刷物など異なるデバイス間で色の調整を行い、表示色の統一を図るための技術。
※2 色域
使われるインキや紙、印刷機、ディスプレイにより表現可能な色の範囲。
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以 上
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