TISとAINOが共同開発した「Acasia2.0」、インドネシアの公共交通機関でNFC対応

~交通決済の処理速度を飛躍的に向上させ改札のスループットを改善することで、スマートシティの実現に貢献~

TISインテックグループ

TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下:TIS)は、TISが出資するインドネシアのPT Aino Indonesia(所在地:Yogyakarta、President Director:Hastono Bayu Trisnanto、以下:AINO)が、インドネシア標準QRコード「QRIS※1」のNFC対応※2(通称:QRIS Tap)プロジェクトに協力のうえ、本プロジェクトが2025年3月14日よりインドネシアの公共交通機関において開始予定であることを発表します。また、この機能はTISとAINOが共同開発した交通決済パッケージ「Acasia2.0」にも搭載されます。

AINOは今回、インドネシア中央銀行ならびにASPI(インドネシア決済システム協会)とともにQRISのNFC化開発に取り組み、QRコード画面を改札で読み取ることなく、スマートフォンを改札にかざすだけで決済を完了できる仕組みを構築しました。

利用イメージ動画:https://www.youtube.com/watch?v=57r1gCCH-hw

インドネシアでは、QRコードを使った公共交通機関の決済が一般的に利用されていました。しかし、スマートフォンに表示されたQRコードがスムーズに読み取れないケースが多く、QRコードの生成から改札の通過までに最大8秒を要することが交通の流動性を妨げる要因となっていました。これをNFC対応にすることで、読み取り精度が飛躍的に向上し、処理時間を1秒以内に短縮できることから、改札での混雑緩和や交通の流動性向上が期待されています。

提供イメージ

※1 Quick Response Indonesia Standardの略。2019年8月にインドネシア中央銀行とインドネシア決済システム協会によって開始された、電子決済システムのインドネシア国内統一規格

※2 Near Field Communicationの略。非接触ICチップを内蔵したデバイス(スマートフォン、カードなど)と、リーダー機能を持つ端末が10cm程度の近距離で通信する仕組み

背景

インドネシアでは、車やバイクが主な交通手段となっていますが、交通渋滞や大気汚染が深刻な社会問題となっているため、公共交通機関の利用促進が重要な施策として掲げられています。公共交通機関の利用にあたっては、ICカードやモバイルQRコードを利用したキャッシュレス決済の普及が進んでおり、今後さらなる利便性の向上が期待されています。

QRISは、QRコード決済を一元化する目的でインドネシア中央銀行により導入されました。2024年11月末時点の利用者数は5,520万人に達し、これはインドネシア総人口の約20%に相当します。また同年1~11月の決済件数は6億8,970万回にのぼります。

TISは2018年にAINOと資本業務提携を行い、複数の交通機関をまたぐルート検索や予約、ICカードおよびモバイルQRコードによる決済が可能な交通決済パッケージ「Acasia」を共同開発しました。現在AINOは、首都ジャカルタを含んだ計12州28市15交通事業者にサービスを提供、インドネシア公共交通機関のキャッシュレス化に大きく貢献しています。この提供実績が評価され、AINOはQRIS Tapを共同企画・開発する事業者としてインドネシア中央銀行およびASPI(インドネシア決済システム協会)より選定されました。

詳細

AINOは駅改札またはバス車載端末で利用者のスマートフォンからNFC方式で決済情報を読み取り、電文をQRISフォーマットに変換します。その後、運賃情報を付加し、マルチアクワイアリング機能を搭載したAcasia2.0 Payment Gatewayモジュールを通じて、アクワイアラーへ決済データを連携します。

開発イメージ

「Acasia2.0」について

「Acasia2.0」は、ICカードやモバイルQRコードを利用して公共交通機関利用時のキャッシュレス決済導入を支援するサービスです。インドネシアの首都・ジャカルタをはじめとする12州28市、計15交通事業者に導入されています。運賃の決済のほか、乗務員による車内での運賃精算処理や、運行や売上に関する情報を画面上で一覧として確認できるダッシュボード機能などを提供しており、キャッシュレスの推進や低・脱炭素化の実現、データ利活用をサポートしています。搭載している機能は以下の通りです。

  • ICカードおよびモバイルQRコードでの公共交通の利用 (Multi Media)

乗降時にICカードまたはモバイルQRコードをかざすことで、キャッシュレスでの精算が可能

  • さまざまなTicket Validatorとの接続

現地で調達ができる3rd Party端末と接続が可能

  • 乗務員向け運賃精算管理アプリ

運転手・車掌による車内での運賃精算処理やチケットの発行・認証・取消に対応

  • 複数交通機関にまたがる運賃計算とチケット管理

複数の交通機関にまたがった運賃計算、割引適用など柔軟な運賃設定が可能

  • 交通事業者のバックオフィスへの各種ダッシュボード機能の提供

運行や売上に関する情報を画面上で一覧として確認可能

  • 3rd Party Payment

現地のWalletやデジタルバンクサービス等との接続・決済機能を搭載 (Open Loop)

 

今後について

2025年1~3月にかけて、Medanをはじめとした複数の都市で、一部のユーザーおよび路線における実証実験を実施予定です。その後、2025年度中には、15都市で運輸省と交通省が運営するBRT(バス高速輸送)サービスでの一般展開を予定しています。今後とも、「Acasia2.0」のさらなる利便性向上をTIS、AINO共同で推進するとともに、同様の課題を抱えるASEAN他国への展開を目指していきます。また、交通決済プラットフォームに集約される高品質なビッグデータを活用した交通・都市マネジメント市場へのサービス開発を推進します。

AINOについて(https://www.ainosi.co.id/

AINOは、インドネシア国立ガジャマダ大学のベンチャー育成機関を母体とするベンチャー企業です。Payment Gatewayライセンスを保持し、公共交通、公営観光施設(世界遺産、動物園、遊園地等)、空港駐車場、高速道路等の電子決済化を推進してきました。

TISは2018年にAINOとの資本提携を行い、東南アジア新興国向け交通決済ソリューションプロバイダとして共に事業を推進しています。

TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/

TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。

TISインテックグループについて

TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。

※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

◆本サービスに関するお問い合わせ先

TIS株式会社 デジタルイノベーション事業本部 PAYCIERGE総合窓口

E-mail:paycierge@ml.tis.co.jp

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会社概要

TIS株式会社

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URL
https://www.tis.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー
電話番号
050-1702-4071
代表者名
岡本安史
上場
東証プライム
資本金
100億円
設立
1971年04月