TIS、公共交通機関におけるオープンループでの二次元コード決済利用に関する特許を取得
~交通決済手段の拡充に向け、二次元コード決済利用時の運賃残高不足を防止し、改札の流動性の担保と駅務業務の負担軽減に貢献~
TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下:TIS)は、公共交通機関におけるオープンループ※1での二次元コード決済の普及に向けて、二次元コード決済利用時の運賃残高不足を防止する独自の方法を考案、特許を取得したことを発表します。
※1 交通系ICカード以外のクレジットカードやデビットカードなどを用いた公共交通機関の乗車システム。対象の媒体を改札の端末にかざすだけで公共交通機関を利用できる仕組み。
背景
経済産業省によると、2023年の国内キャッシュレス決済比率は39.3%に達し、その内訳はクレジットカードが83.5%を占め、次いで二次元コード決済が8.6%となっています※2。キャッシュレス決済の拡大に伴い、公共交通機関においても、オープンループの普及による利便性の向上が期待されています。オープンループには、普段使いの決済手段を公共交通機関でも利用できるというメリットがあり、交通系ICカードに比べて改札などの端末の設置・維持にかかるコスト負担が少ないことから、地方の公共交通機関を中心に導入が拡大しています。
国際ブランドクレジットカードによるオープンループが広がる一方で、プリペイド式二次元コード決済による公共交通機関の利用は、残高不足の際の改札での遅延や、駅務処理の負担増加に対する懸念から、国内での導入例が限られています。そこでTISは、キャッシュレス決済手段の中で2番目に大きな二次元コード決済についても公共交通機関での利用を可能にし、利用者・交通事業者・決済事業者それぞれの利便性を向上させるため、今回の特許技術を考案しました。
※2 経済産業省「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html
概要
今回、二次元コード決済を公共交通基盤に接続するため、改札通過時の残高不足を防止するシステムとして、以下の2種類の方式を考案しました。この方式を活用することで、交通決済手段の拡充による利便性向上や、改札の流動性を妨げないスループットの確保が実現できます。
①クレジットリミット方式
決済事業者がユーザーに対し、毎日所定の金額まで交通決済の利用があるものとして残高を保証し、その情報を交通事業者の運賃計算システムに連携する方法。この所定の残高(クレジットリミット)内であれば、改札通過時に決済事業者へ残高を問い合わせることなく交通決済を利用できる。
特許番号 :7619837
発明の名称:情報処理装置、運賃精算プログラム、及び運賃精算方法
登録日 :2025年1月14日
特許権者 :TIS株式会社

②都度オーソリ方式
改札通過時にユーザーがスマートフォンなどで二次元コード画面を表示させるタイミングで、交通決済システムが決済事業者に残高を問い合わせ、所定の残高が入金されていない場合は二次元コードの表示を行わない方法。
特許番号 :7619838
発明の名称:情報処理装置、運賃精算プログラム、及び運賃精算方法
登録日 :2025年1月14日
特許権者 :TIS株式会社

今後について
今回開発した2つの方式は、TISが出資するPT Aino Indonesiaがインドネシアの公共交通機関で展開している交通決済パッケージ「Acasia2.0」に搭載されています。日本国内においても、今後オープンループの導入を検討している交通事業者や、参入を検討している決済事業者に向けて、この方式の提供を目指します。TISは今後とも、ITによるよりスムーズな社会の実現を目指し、新たなサービスを生み出していきます。
TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/)
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
◆本サービスに関するお問い合わせ先
TIS株式会社 デジタルイノベーション事業本部 PAYCIERGE総合窓口
E-mail:paycierge@ml.tis.co.jp
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像