イスラエル・パレスチナ衝突:ユニセフ停戦を歓迎~長期的、平和的解決を【プレスリリース】

破壊されたガザ地区の建物の前で家族を待つ女の子。家族は、建物内にある自宅から持ち物を取り出している。(2021年5月17日撮影) © UNICEF_UN0464417_El Baba破壊されたガザ地区の建物の前で家族を待つ女の子。家族は、建物内にある自宅から持ち物を取り出している。(2021年5月17日撮影) © UNICEF_UN0464417_El Baba

【2021年5月21日 ジュネーブ 発】

停戦が発効したパレスチナ・イスラエルの衝突について、国連の定例記者会見においてユニセフ(国連児童基金)・パレスチナ事務所特別代表のルシア・エルミが行った報告の概要は以下の通りです。

* * *

甚大な人的被害をもたらしたガザ地区における衝突の停戦合意が、今朝2時に発効したことをユニセフは歓迎しています。また、東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区で続く暴力とその原因について、一刻も早く解決策が見出されることを願っています。
 

ガザにあるUNRWAの学校の避難所で、空のペットボトルを持ち、きれいな飲み水を探す男の子。(2021年5月15日撮影) © UNICEF_UN0463022_El BabaガザにあるUNRWAの学校の避難所で、空のペットボトルを持ち、きれいな飲み水を探す男の子。(2021年5月15日撮影) © UNICEF_UN0463022_El Baba

この11日間で、パレスチナの子ども少なくとも65人が死亡し、540人が負傷したと報告されています。イスラエルでは、子ども2人が死亡、60人が負傷したとされています。

これらは単なる数字ではありません。彼らはみな、世界中の他の子どもたちと同様に、夢や希望を持っていました。しかしその人生は、彼らの未来とともに切り捨てられてしまったのです。

現在、10万7,000人近い人々が、安全を求めて、急遽、家を離れざるを得なくなっています。避難した人々のうち9,000世帯以上が、ガザ地区にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営している学校58校に避難しており、残りは家族や友人のもとに身を寄せています。

ガザ地区の子どもたちは、今回の紛争以前から非常に困難な状況にありました。今回の衝突がこれまでの人生で経験する4度目の紛争である子どももいます。現在の一連の衝突以前から、3人に1人の子どもがメンタルヘルスや心理社会的支援を必要としており、そうした子どもの数は間違いなく、この数日間で著しく増加しています。
 

アル・ダラジ(Al-Daraj)地区で、警告ミサイルが投下されたクリニックの前に立つ親子。(2021年5月16日撮影) © UNICEF_UN0464404_El Babaアル・ダラジ(Al-Daraj)地区で、警告ミサイルが投下されたクリニックの前に立つ親子。(2021年5月16日撮影) © UNICEF_UN0464404_El Baba

こうした深刻な人的被害に加えて、今回の暴力がガザ地区の基本的な生活インフラに与えている被害も甚大です。少なくとも50の教育施設と20の保健・医療施設が損傷しました。水道網の約50パーセントが被害を受けています。井戸や貯水池、海水淡水化プラント、廃水プラント、配水網、ポンプ場など、いずれも大きな被害を受けているため、80万人近くが水道水を利用できず、子どもたちが水に起因する病気にかかる危険性があります。

ユニセフは、40年以上にわたってガザ地区で活動してきました。他の人道支援パートナーとともに、今回の危機においても、子どもたちや家族の高まるニーズに対応しています。
  • 母子保健サービスの継続と負傷者の治療のための、生理食塩水、ブドウ糖、抗生物質、ORS(経口補水塩)などを含む必須医薬品やその他の医療用消耗品を提供
  • 家族が水を得るための水タンクと水容器を提供、給水システムの緊急補修を支援
  • 教育キットやレクリエーションキット、子どもたちや家族への直接的な心理社会的支援を提供

いま必要なのは、すべての当事者による永続的な停戦であり、子どもたちとその未来のために、70年に及ぶ紛争を長期的かつ平和的に解決することです。どのような政治的解決に至ったとしても、すべての子どもたちにとって耐えがたい過去に戻ることがあってはなりません。

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

104フォロワー

RSS
URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
-
設立
-