TIS、ウィーメックスのクリニック用レセコン一体型電子カルテ開発を支援
~一般診療所向け電子カルテシェアNo.1※1「Medicom」のクラウドシフトを実現~
TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下:TIS)は、PHCホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区)傘下のウィーメックス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:高橋 秀明、以下:ウィーメックス)が2025年4月1日より提供開始したクリニック用レセコン一体型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」の開発を支援したことを発表します。
今回のプロジェクトでは、大規模プロジェクトの推進におけるTISの組織力・技術力と、電子カルテ・レセプトプロダクトにおけるウィーメックスの知見を活かす共創開発体制を構築し、両社一体の開発体制として推進しました。

※1 株式会社富士経済「2023 医療・ヘルスケアDX関連市場の現状と将来展望」より2022年企業シェア・金額ベース 診療所向け電子カルテ(PHC実績)
背景
政府の「医療DX令和ビジョン2030」では、電子カルテシステムの普及率を2030年までに100%にするという目標が掲げられています。しかし、令和5年度の実績では、一般診療所における電子カルテシステムの普及率は55.0%(57,662軒/104,894軒)※2で、依然、約半数の診療所が電子カルテシステム未導入という状況です。電子カルテシステムの導入は、国が進める「全国医療情報プラットフォーム」※3の創設に欠かすことのできない要件となっております。現在は複数の医療機関に点在する個々人の診療情報やアレルギー情報・薬剤禁忌情報などが集約され、質の高い医療の提供がより効率的に行える未来に向けた動きが加速しています。
ウィーメックスは、2007年よりレセコン一体型電子カルテ「Medicom-HR」シリーズの提供、2019年にハイブリッドクラウド型の電子カルテ「Medicom-HRf」の提供を開始し、改版を重ねてきました。一方、クライアントサーバー型システムによる導入・運用コストの見直しや、レセプトコンピューター一体型クラウドカルテの開発メソッドに加え、将来の医療DXを支える基盤としての新しい技術コンセプトと実装技術の強化を必要としていました。さらに、「医療DX令和ビジョン2030」といった政策対応や、初期投資を抑えたい新規開業医のニーズに応えるため、クリニック用レセコン一体型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」の開発に至りました。
今回、TISは大規模プロジェクトにおけるマネジメントノウハウや、システムのマイグレーションを低コスト・短期間で実現する技術力が評価され、開発パートナーに選定されました。
※2 「電子カルテシステム等の普及状況の推移」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/index.html
※3 「全国医療情報プラットフォームの概要(PDF)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001140173.pdf
プロジェクト概要
プロジェクトは2023年4月~2025年3月の2年間にわたって行われ、ウィーメックスの開発チームとTISの開発チームを一体化した共創体制を構築しました。開発機能の特性ごとに、複数の開発手法を用いて効率的な開発を実施しています。クラウドベースで動作するレセコン一体型電子カルテサービスを開発するために、当初、ウィーメックスより挙げられた要望は以下の通りです。
<プロジェクトにおけるウィーメックスの要望>
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既存プロダクトのノウハウを活かし、医療DXの追随を目的とした新プロダクトの開発
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完全クラウド化によるユーザーの利便性向上と保守性向上
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医療情報システムの安全管理に関するガイドラインなど各種省庁ガイドラインに準拠したサイバーセキュリティ対策
この要望に対し、TISは以下のアプローチにより、当初想定と比較して20%以上の開発コスト削減と、2年間という短期間での開発を実現し、プロジェクトを完遂しました。
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現行資産活用と双方のノウハウ最適化するプロジェクト運営
レセコン一体型電子カルテサービスの業務知識を有するウィーメックスとシステム開発における大規模プロジェクト運営とクラウドアーキテクトノウハウを持つTISでプロジェクトの共同運営を実施。現行製品の資産を有効活用し、生産性向上による開発の効率化と現行機能を継承したマルチテナント化を始めとする各種対応を行い、クラウドへのシフトを実現。既存プロダクトの強みと医療DXを意識した新たなアーキテクチャへの展開を支援。
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クラウドベースのアーキテクチャと品質のノウハウ提供
UI/UXについては既存の利便性を持たせつつ、クラウドベースでの次世代のUI/UXの実現のため、UI/UXデザイナーによりサービスプロダクト設計を支援。クラウド開発経験に基づく自動テストツールを活用したリグリッションテスト、サービスイン以降も品質安定化を実現するCI/CDへの自動テストの組み込みを実施することで品質向上を支援。
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3省2ガイドライン※4を準拠したクラウドセキュリティを意識したアーキテクト設計
クラウド化に伴うセキュリティ対策をアーキテクチャ構築から取り組み、セキュアコードの埋め込みやマルチスレッド対応などを実施。インターネット経由で医療サービスを提供する上で必要となるサイバーセキュリティ対策を実現。
※4 厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」、経済産業省・総務省の「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」の総称
今後について
今回のプロジェクトを契機として、TISとウィーメックスは両社で培ったノウハウを活かして、医療・ヘルスケア分野における新たな協業の可能性について協議を進めていきます。
また、TISでは、医療情報システムのクラウドシフトを必要とする企業に対して、医療情報システムの既存資産を活かしつつクラウドシフトを実現するノウハウを活かし、オンプレミス型の医療情報システムのクラウドシフトを支援します。これにより、医療DX政策に基づく保健・医療・介護の情報の有効活用を目指します。さらに、国民一人一人が安心して、健康で豊かな生活を送れる社会の実現に貢献します。
ウィーメックス株式会社 代表取締役社長 高橋秀明氏のコメント
「Medicom クラウドカルテ」の開発にあたり、社内の製品開発・運用チームで培ったノウハウに加え、TISが保有するクラウド技術、フロント開発/アーキテクトのスキルや大規模PJを計画通りに進めるPJマネジメントノウハウがPJ完遂に大いに寄与しました。「Medicom クラウドカルテ」の発売により、ウィーメックスが提供する電子カルテは、オンプレミス型・ハイブリッド型・完全クラウド型が揃ったプロダクトポートフォリオとなりました。診療所のさまざまなニーズにこれまで以上にお応えし、政府が掲げる電子カルテ普及100%をともに目指してまいります。
「Medicomクラウドカルテ」については以下をご参照ください。
https://www.phchd.com/jp/medicom/clinics/medicom-cloud
ウィーメックス株式会社について(https://www.wemex.com)
ウィーメックス株式会社は、グローバルヘルスケア企業として事業を展開するPHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)の日本における事業子会社です。企画・開発から販売までワンストップでサービスを提供する新体制として、2023年4月より新会社として事業を開始しました。「メディコム」ブランドの医事コンピューターや電子カルテシステムの他に、薬局経営のサポートや特定保健指導の支援、遠隔医療システムなどを提供しています。また、2023年10月に富士フイルムヘルスケアシステムズ株式会社より電子カルテ・ レセプト関連事業を取得し、ウィーメックスヘルスケアシステムズ株式会社が誕生。国内の「医療DX」を推進するヘルスケアIT製品・サービスを通じて、患者さんへの医療サービス向上と医療従事者の業務効率化に取り組んでいます。
PHCホールディングス株式会社(PHCグループ)について(https://www.phchd.com/jp)
PHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)は、健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念に掲げるグローバルヘルスケア企業です。傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス、エプレディアホールディングス、株式会社LSIメディエンス、ウィーメックス株式会社、メディフォード株式会社などを置き、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行っています。2024年度のグループ連結売上収益は3,616億円、世界125以上の国と地域のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。PHCグループはPHCホールディングス株式会社とその事業子会社の総称です。
TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/)
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
◆本事業に関するお問い合わせ先
TIS株式会社 デジタルイノベーション営業統括部 デジタルイノベーション第3営業部
E-mail:healthcare_sales@ml.tis.co.jp
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