アメリカ人留学生が日本文化への愛と知識で事件に挑む!『ナゾトキ・ジパング』

謎解きをしながら日本文化のトリビアも学べる新感覚ミステリー!

探偵は、日本人より日本に詳しい留学生
 精南大学の男子寮《獅子辰寮》の代表となった長瀬秀次は、四月から二回目の三年生。成績はまずいが、寮での人望は厚い。寮で同室となるのは、アメリカ Los Angeles出身のケビン・マクリーガル。本来なら、一年生からの付き合いで気心の知れた平塚優作が秀次のルームメイトになるはずが、所属するゼミの雄島総一郎教授の一存で決まった。ギリギリの成績で教授に弱みを握られている秀次に拒否権はなかった。
 英語が不得手な秀次の前で、青い目の留学生が窓の外の桜を見ながら歌い出す。

«「さーくーら、さーくーら、やーよいのそーらは、みーわーたす、かーぎーりー」
澄み渡るような歌声だった。聞きほれてしまうような・・・・と思っていたら、
「『野山も里も』という歌詞もあるみたいデスネ」
「に、日本語、しゃべれるのか?」
「ハイ」 彼はにこりと微笑んだ。「アメリカで父の友人に習いマシタ。まだ不慣れデス」
 外国訛りはあるものの、意思疎通にはまったく問題ない。そもそも本当に日本語に不慣れなアメリカ人は、「不慣れ」などという言葉は使わない。
 あらためまして、ケビン・マクリーガルデス。どうぞよろしくお願い申し上げマス」»
(本文より)

 言語の問題がなくなりほっとした秀次は、満開の桜の下で寮の仲間たちと宴会を開くことに。博識なケビンの日本文化トークで盛り上がる中、悪い知らせが届く。大学の旧学生会館で文芸サークルのOB島原孝志が殺され、第一発見者の寮の後輩が、警察に連行され事情聴取を受けたという。秀次たちは後輩の無実を晴らすために、事件現場に忍び込む。

«「ミョーデス」
 ケビンが言った。彼は机の上に広がった血の跡を見ていたのだ。
「なんだよ、また切腹(ハラキリ)の話か?」
「イイエ。右手がここに乗っていたような血の広がりからデス」
 眼をそらし続けていた机の上。死体を伝う形で広がった血はたしかに、右手だけをかたどるように広がっている。
「そうだ! 僕が発見したとき、島原さんの左手は机の下、右手は机の上に乗っていた」
「そういう体勢で倒れることもあるんじゃないのか?」
 秀次は疑問をさしはさむが、ケビンは首を振る。
「右手がまっすぐこちらの壁に向かっていマス。島原さんは、この棚にある何かを指さして死んだのではないデスカ?」»
(本文より)

 日本の文化が大好きなだけでなくすぐれた洞察力を持つケビンと、なにかと巻き込まれがちな秀次が、いつの間にか探偵コンビに!?
 SAKURA! FUJISAN! CHA! SUKIYAKI! KYOTO! 日本の名所名物を巡る数々の事件の謎を解く、キャッチーな本格ミステリ。
『むかしむかしあるところに、死体がありました。』『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』などで大注目の作家が新たな扉を開く。

「結果から見て振り返れば、これでよかったのだ! と胸を張って言える。留学生ケビンと世話役ヒデの関係性は気に入っているし、ヒロインっぽい理沙や、残念刑事・田中など脇を固めるキャラクターも生き生きと書けた。おりしも、インバウンド規制が緩和されつつあるタイミングでの刊行となり、日本内外の読者に手に取ってもらえる一冊になったと思うので、ぜひよろしくお願いします」(著者)
本書『ナゾトキ・ジパング』ついての著者エッセイはこちら▶▶▶ https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/zipang

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『ナゾトキ・ジパング』
著/青柳碧人 
定価:1650円(税込)
判型/頁:4-6/304
978-4-09-386646-0
小学館より発売中(6/24発売)
本書の紹介ページはこちらです↓↓↓
https://www.shogakukan.co.jp/books/09386646
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【著者プロフィール】
青柳碧人(あおやぎ・あいと)
1980年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒。早稲田大学クイズ研究会OB。2009年『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞し、デビュー。『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が2020年本屋大賞にノミネート。小説執筆だけでなく漫画原作も手がけている。主な著書に「浜村渚の計算ノート」「西川麻子は地理が好き。」「ブタカン!」「彩菊あやかし算法帖」「猫河原家の人びと」などのシリーズ、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』『スカイツリーの花嫁花婿』など。
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