ゲストアーティストに大貫妙子、川崎鷹也、Night Tempo、渡辺満里奈、野宮真貴が登場! J-WAVE×大滝詠一「ナイアガラ・レコード」50周年記念ライブ【オフィシャルレポート】

ラジオ局J-WAVE(81.3FM)は、ジャパニーズ・ポップス界の巨人、大滝詠一が主宰する「ナイアガラ・レコード」設立50周年を記念したライブイベント「J-WAVE INSPIRE TOKYO 2025 supported by Expedia presents 大滝詠一ナイアガラ・レコード 50th anniversary Eiichi Ohtaki’s NIAGARA 50th Odyssey Live」を7月12日(土)に「LINE CUBE SHIBUYA」にて開催いたしました。
50年前に産声を上げ、日本のポップス史に多大な影響を与えた「ナイアガラ・レコード」。世代を超えて愛され続ける大滝詠一の音楽世界が一夜限りのライブとして現代に甦りました。スクリーンに映し出された貴重映像、名曲の数々、そしてナイアガラに縁あるアーティストたちが奏でる唯一無二のステージ。
本リリースでは、ナイアガラ・サウンドの屋台骨を支えた井上鑑を中心に編成されたスペシャルバンドと、ナイアガラゆかりのアーティスト達による、一夜限りの貴重なライブの模様をオフィシャルレポートとしてお届けします。
なお、本イベントのライブ音源を8月11日(月・祝)放送、J-WAVEの特別番組「J-WAVE SPECIAL Expedia EIICHI OHTAKI'S NIAGARA 50TH ODYSSEY LIVE – ON AIR」内でオンエアします。
【イベントレポート】
スクリーンに映し出されたのはレーベルを象徴するナイアガラの滝。続いて、1976年『Niagara Triangle Vol.1』のプロモーションとして撮影された幻のスタジオ・ライブの映像が上映される。「あの娘に御用心」「楽しい夜更し」を70年代のナイアガラの本拠地、福生45スタジオで歌う大滝と演奏するミュージシャン達、坂本龍一、伊藤銀次、駒沢裕城、上原裕らの若き日の姿に目が釘付けに。大滝がパーソナリティを務めた伝説のラジオ番組『ゴー・ゴー・ナイアガラ』のスタジオや麻雀に興じるシーンもあり、冒頭から大滝マニア=ナイアガラーを唸らせる。
今から50年前にリリースされた『NIAGARA MOON』のタイトル・チューンが流れ、今宵のライブがスタートした。50周年記念ライブのサウンド・プロデュースを務める井上鑑が率いるバンドが登場し、ドラムとピアノで「ハンド・クラッピング・ルンバ」のさわりを披露した後、「Blue Valentine Day」へ。『NIAGARA CALENDAR』の2月の曲を真夏にインストゥルメンタルで聴く贅沢感が堪らない。

メドレーで演奏されたのは「スピーチ・バルーン」(『A LONG VACATION』)。井上鑑(Keyboards)、鶴谷智生(Drums)、高水健司(Bass)、今 剛(Guitar)、三沢またろう(Percussion)、山本拓夫(Woodwind)という名うてのミュージシャン達が奏でる珠玉の大滝メロディーとナイアガラ・サウンドのアンサンブルに酔いしれる。
『EACH TIME』からの「夏のペーパーバック」は、井上が編曲を担当し、NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL名義で発表された『NIAGARA SONG BOOK 2』にも収録。1977年の「サイダー'77」から大滝のレコーディング・セッションに参加し、『ナイアガラ・トライアングルvol.2』以降はほとんどの大滝作品のストリングスを担当するようになった井上は、ナイアガラに関わったミュージシャンで通算参加回数は最多。オリジナルのスタジオ録音マルチテープから抜き出したゴージャスなストリングス音源をバンド演奏と同期させて「今夜の前半は、NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRALとバンドで大滝さんナンバーをお届けします」と話し、「恋するカレン」へ。

アコースティック・ギター、パーカッション、ピアノなどが何層にもダビングされたあの“ロンバケ”サウンドを、ライブで新しいアプローチで聴かせるのは流石としか言いようがない。野球と恋を掛けたナンバー「恋のナックルボール」(『EACH TIME』)は、三沢またろうのタンバリンや井上のピアノが小気味よく響き、思わず歌詞を口ずさみたくなってくる。
「ここでもう一人のギタリストをお呼びします」。ステージに登場したのは鈴木茂。大滝とは、はっぴいえんどで活動し、ソロになって以降も大滝の作品に参加し続けた鈴木は、近年は「鈴木茂☆大滝詠一を唄う」(1975年に荻窪ロフトで「大滝詠一☆鈴木茂を唄う!!」というライブが開催されたことがあった!)と題したライブで大滝ナンバーを披露しているが、今回は“ロンバケ”のなかでも屈指の美しく切ない「雨のウェンズデイ」のインストゥルメンタル・ヴァージョンで、渾身のギター・ソロを聴かせてくれた。

「メロディックなリードギターは茂さんにお任せだった」と井上が言うと、「大滝さんが何をつくりたいか分かっていたからね」と答えた鈴木は最後まで大滝のファースト・コール・ギタリストだったのだ。「ガラス壜の中の船」も鈴木のギター・ソロが印象深い「雨のウェンズデイ」タイプのメロウでセンチメンタルな曲。多くのバージョン違いがあるアルバム『EACH TIME』からこの曲が聴けたことは、ナイアガラーにも嬉しいサプライズであったに違いない。
ここで一旦バンドは退場し、ナイアガラ50周年のCMに続いて、50周年のお祝いメッセージ映像が上映される。坂崎幸之助(THE ALFEE)は自身のラジオ番組に大滝が毎年のように出演した思い出を、笑福亭鶴瓶は1977年の「ザ・ファースト・ナイアガラ・ツアー」の大阪毎日ホール公演に乱入したときの話を、デビュー前から大滝と親交のあった鈴木雅之、佐藤善雄、桑野信義(RATS & STAR)の3人は、新宿ルイードのクリスマスライブに大滝が登場した話や「夢で逢えたら」のカヴァーに至るエピソードを披露。生前の大滝がいかに幅広い交流を持っていたかを偲ばせたのと同時に、彼らのユーモラスな語り口に客席は和やかなムードに包まれた。
次に登場したのは、この日サプライズ出演となった“渋谷系の女王“こと野宮真貴とNight Tempo。

野宮はライブ会場に隣接する代々木公園で開催される「J-WAVE×大滝詠一 ナイアガラ盆踊り」のゲストとして登壇するので今夜は浴衣姿。1986年、韓国・ソウル生まれのプロデューサー/DJであるNight Tempoとともに「真夏の昼の夢」(『NIAGARA CALENDAR』)を歌った。野宮も『野宮真貴、ヴァカンス渋谷系を歌う』で小西康陽のアレンジでカヴァーしているこの曲は盛夏にぴったりの選曲だった。

ナイアガラ・レコード初のリミックス企画『Eiichi Ohtaki’s NIAGARA 50th Odyssey Remix EP』にCorneliusやスチャダラパーとともに参加しているNight Tempoは、「探偵物語」(薬師丸ひろ子)、「哀愁のコニーアイランド」(山口百恵)、「怪盗ルビイ」(小泉今日子)、「風立ちぬ」(松田聖子)という大瀧詠一(作家やプロデュース業など裏方の時に使われる名称)がアイドルに提供したナンバーをDJプレイ。

80年代の日本のポップスを再構築して現代に響かせるNight Tempoは、大滝詠一の存在を知るにつけ、「こんな贅沢なことになってしまって小さくなっています」と流暢な日本語でMC。リミックス盤に収録された「夢で逢えたらNight Tempo Dreamy Mix」では井上のシンセ、ピアノとセッション。夢見心地に誘った。

1995年に大瀧詠一によるプロデュースと楽曲提供の機会に恵まれたのが、“ナイアガラの末娘”こと渡辺満里奈。アニメ『ちびまる子ちゃん』のオープニングテーマ「うれしい予感」(作詞:さくらももこ)を笑顔で伸びやかに歌う姿は30年後の今なおフレッシュで可憐。

自身の音楽のルーツに『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』を挙げて、「大滝さんのキラキラした世界が大好きになりました」とMC。その大瀧プロデュースのアルバム『Ring-a-Bell』から作詞・作曲、佐野元春による「ダンスが終わる前に」も大滝自身のカウントの声とともに披露された。多羅尾伴内名義のアレンジと、井上の手によるストリングスが、女性ヴォーカル・ワークのポテンシャルを引き出すことを今さらながら思い知る隠れた名曲である。
ゲストのシンガー・ソングライター、川崎鷹也と再び鈴木茂をステージに呼び込み、渡辺満里奈とともに賑やかに展開されたのが「FUSSA STRUT」。〈福生行きの切符買って〉〈お守りに&ニーリモマオ〉のコール&レスポンスに加え、50周年ライブでは福生から渋谷までの駅名を観客にコールさせるところが愉快で、ナイアガラっぽい。1977年に「ザ・ファースト・ナイアガラ・ツアー」がここ渋谷公会堂で行われた際、大滝が福生発の切符をステージからばらまいた演出が、今回のステージで再現されたのも心憎い。


メドレーの「恋はメレンゲ」は、70年代のナイアガラの歌姫、シリア・ポールのヴァージョンで渡辺と川崎が歌い、陽気に盛り上げてゆく。1975年にナイアガラ・レコードからシュガー・ベイブに続いて発表され、ノベルティ・タイプの曲で構成された『NIAGARA MOON』からの2曲は今もやはり断トツで愉しいのだ。
「君は天然色」のヴォーカルは、1995年生まれの川崎鷹也が担う大役を務めた。川崎は2018年から本格的に音楽活動を開始し、松本隆 作詞活動50周年トリビュートアルバム『風街に連れてって!』(2021)で同曲の歌い手に抜擢。TV番組やライブで何度も歌ってきているが、今年30歳になる彼がプレッシャーをものともせず、堂々と大滝の名曲を歌い上げたのは清々しかった。

同曲では演奏をやり直す場面もあった。アルバム・ヴァージョンのチューニングからカウントで入るイントロをライブで再現する井上のこだわりは師匠直伝に違いない。そこに1977年の渋公にも参加している井上のこの日のライブに対する熱い想いを垣間見たような気もした。
「1975年4月25日 このアルバムからナイアガラ・レコードの歴史がはじまった」と、スクリーンにシュガー・ベイブ『SONGS』のジャケットが映し出される。大貫妙子がステージに登場すると大きな拍手が沸き起こった。

山下達郎、大貫らを擁したバンド、シュガー・ベイブ唯一のアルバム『SONGS』から大貫妙子作詞・作曲による「蜃気楼の街」が歌われる。その凛とした清廉な歌声は、1975年にワープするような感触さえあった。50年の歳月を経ても多くのリスナーを惹きつけてやまない『SONGS』がナイアガラの第一弾であった意味はあまりにも大きい。新しい音楽作りに情熱を傾けていた大滝とシュガー・ベイブの出会い。それがのちに日本のポップスを動かすことになったのだから。

シュガー・ベイブ時代に福生に通った大貫の大滝に対する印象は、「女性がちょっと苦手だったのかしら? とてもシャイな方でした。あまりお話する機会はなかったことが残念ですが、今は感謝しかありません」。続いて、アルバムと同時発売され、50周年記念にシングルがアナログで再発された「DOWN TOWN」のB面(カップリング曲)の「いつも通り」。大貫のつくる瑞々しい曲と歌の魅力はシュガー・ベイブから始まり、デビュー50周年の現在に至るまでワン&オンリーであることが証明された2曲だった。
天上から大滝の声が聞こえてきた。この日の出演アーティスト全員をステージに呼び入れる。「今日は大滝さんがやりそうなイタズラや新しいもの好きで、古いものを大切にする大滝さんに倣って進めてまいりました」と井上が言葉を添えて、ラストナンバー「幸せな結末」へ。

1997年に初のシングルでのトップ10入りを達成した大ヒット曲を、大貫、鈴木らが歌い継ぎながら、生前の大滝のヴォーカルをまじえて美しく締めくくり、大滝詠一のナイアガラ・レコード50周年の祝宴はHappy End=大団円のうちに幕を閉じた。50周年の節目に世代とジャンルを超えたアーティストが集い、ナイアガラ・サウンドを未来に繋いでゆく、そんな架け橋となるライブだった。
最後に再び井上が登場し、スクリーンの大滝詠一の写真に向かって拍手をすると、客席からもあたたかい拍手が大滝におくられた。NIAGARA FOREVER!

(文=佐野郷子、撮影=永井峰穂)
■セットリスト
~スタジオ・ライブ映像 from 大滝詠一 Fussa 45 Studio Live 1976
「あの娘にご用心」、「楽しい夜更かし」
M1 SuperBand「Blue Valentine Day」~「スピーチ・バルーン」
M2 SuperBand「夏のペーパーバック」
M3 SuperBand「恋するカレン」
M4 SuperBand「恋のナックルボール」
M5 SuperBand featuring 鈴木茂「雨のウェンズデイ」
M6 SuperBand featuring 鈴木茂「ガラス壜の中の船」
~お祝いコメント映像 for NIAGARA RECODS 50th ANNIVERSARY
坂崎幸之助(THE ALFEE)・笑福亭鶴瓶・鈴木雅之&佐藤義雄&桑野信義
M7 野宮真貴 & Night Tempo「真夏の昼の夢」
M8 Night Tempo「Night Tempo's NIAGARA MIX」~
Night Tempo & 井上鑑「夢で逢えたら Night Tempo Dreamy Mix」
M9 渡辺満里奈「うれしい予感」
M10 渡辺満里奈「ダンスが終わる前に」
M11 渡辺満里奈&川崎鷹也「Fussa Strut」~「恋はメレンゲ」
M12 川崎鷹也「君は天然色」
M13 大貫妙子「蜃気楼の街」
M14 大貫妙子「いつも通り」
M15 大貫妙子+野宮真貴+渡辺満里奈+川崎鷹也+Night Tempo「幸せな結末」
All Songs Sound Produced by 井上鑑
■ラジオオンエア情報
イベントの模様をJ-WAVEの特番内で放送いたします。
放送局:J-WAVE(81.3FM)
タイトル:J-WAVE SPECIAL Expedia EIICHI OHTAKI'S NIAGARA 50TH ODYSSEY LIVE – ON AIR
放送日時:2025年8月11日(月・祝)20:00~21:45
■TVオンエア情報
イベントの模様をフジテレビTWOにて放送いたします。
放送局:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
番組名:J-WAVE INSPIRE TOKYO 2025 大滝詠一「ナイアガラ・レコード」50周年記念ライブ
放送日時:2025年9月4日(木)22時~24時
放送内容:珠玉の大滝詠一ナンバーをスペシャルバンドとゲストがお届けするライブを独占放送!
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像