アフガニスタン:子どもたちへの支援拡大の必要性を強調~国際社会の協力不可欠【プレスリリース】

ヘラート市にある国内避難民の非公式居住区に滞在する子ども。(2021年8月29日撮影) © UNICEF_UN0509159_Bidelヘラート市にある国内避難民の非公式居住区に滞在する子ども。(2021年8月29日撮影) © UNICEF_UN0509159_Bidel

【2021年8月30日 ニューヨーク/カブール(アフガニスタン)発】

国連の定例記者会見において、ユニセフ(国連児童基金)アフガニスタン事務所代表のエルヴェ・ルドヴィック・ド・リス(Hervé Ludovic De Lys)がアフガニスタンにおける子どもたちの状況について発言した内容の一部を下記の通りお知らせします。

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本日も、子どもたちに関して懸念すべき報告を耳にしました。全国各地におとなの同伴者のいない子どもたちがいること、子どもたちが武装勢力に徴兵されていることを含む子どもの権利の重大な侵害行為が行われていることなどです。

紛争と治安の悪化を背景に、子どもたちは干ばつによって水不足になった地域で生活しています。感染すると一生残る麻痺を引き起こすこともあるポリオなどの病気に対して、命を守る予防接種を受けられない子どもたちがいます。多くの子どもたちは重度の栄養不良で、病院のベッドに横たわり、伸ばした指をつかむこともできないほど弱っています。
 

400世帯以上の家族が避難するカブールの高校に、ユニセフの支援で設置された「子どもにやさしい空間」で、レクリエーションに参加する子どもたち。(2021年8月14日撮影) © UNICEF_UN0502896_400世帯以上の家族が避難するカブールの高校に、ユニセフの支援で設置された「子どもにやさしい空間」で、レクリエーションに参加する子どもたち。(2021年8月14日撮影) © UNICEF_UN0502896_

こうした子どもたちは、健康で守られた子ども時代を過ごす権利を奪われています。

ユニセフは、全国5カ所の地域にある現場事務所と、コミュニティの長老たちや女性グループから、パキスタンから物資を運ぶ輸送会社まで様々なパートナーとのネットワークを駆使して活動しています。

そして、科学技術を積極的に取り入れています。ユニセフ・アフガニスタン事務所では、地域社会が必要としているものを想像して提供するのではなく、無料のテキストメッセージサービスであるU-Report(ユー・レポート)を利用し、必要としているものを尋ねています。

先週の木曜日、1万5,000人の女の子を含む10万人以上の人々が、最も必要としていることは現金給付支援だと伝えてくれました。これは、ユニセフ・アフガニスタン事務所が取り組んでいる対応のひとつです。現金があれば、人々は自分の尊厳を守りながら、最も必要としているものを選ぶことができます。冬を目前にして、母親は子どもたちのために暖かいコートを必要としているかもしれません。家族は基本的な食料品や暖房用の木炭を買うかもしれませんし、女の子たちは教科書をもっと必要としているかもしれません。
 

紛争により故郷から逃れ、カンダハールの国内避難民キャンプに滞在する家族。(2021年8月5日撮影) © UNICEF_UN0498788_UNICEF Afghanistan紛争により故郷から逃れ、カンダハールの国内避難民キャンプに滞在する家族。(2021年8月5日撮影) © UNICEF_UN0498788_UNICEF Afghanistan

ユニセフはこれまでも、そしてこれからも、障がいのある人も含めたアフガニスタンのすべての女の子が、小・中学校に通い、希望すれば大学に進めるよう、政策提言していきます。

非常に厳しい状況にある家族が、ユニセフに必要不可欠な物資やサービスを伝えている一方で、ユニセフだけでなく他の援助機関に対するものも含めて、国際的なドナーがこの国への支援を削減または一時停止するというニュースが流れていることを懸念しています。また、プログラムを全国的に実施するために必要な安全の確保、特に女性のスタッフやソーシャルワーカーの安全についても、憂慮しています。

そこで、ユニセフは以下のような拡大計画に優先的に取り組むため、すべてのパートナーに協力を呼び掛けています。
  • 移動中の家族や遠隔地に住む人々が医療ケアを受けられるようにするため、移動式診療所を提供する。
  • ポリオやその他の予防可能な病気に対する乳幼児へのワクチン接種、また人々への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種を行う。
  • 重度の急性栄養不良に陥っている子どもたちの治療をする。
  • 干ばつの影響を受けている地域へ水を届け、衛生キットを配布する。
  • 来月の新学期に向けて、子どもたちには通学準備、学校には子どもたちを受け入れる準備ができるよう支援する。これまで学校がなかった地域で、コミュニティの学習クラスを通じて、15万人以上の女の子を含む30万人の子どもたちに、教育を提供することが私たちの目標。

最後に、先週の出来事は、最も弱い立場にある子どもたちを保護することの必要性を高めました。先週の空港では、絶望した家族が息子や娘を空港を囲む壁の上に持ち上げたり、子どもたちが人混みの中で迷子になり困惑していたり、様々な光景を目にしました。

これらを目の当たりにしたユニセフ・アフガニスタン事務所は、直ちに安全対策チームと子ども保護チームを空港に派遣しました。彼らは夜通し、避難の混乱と絶望の中で家族と離ればなれになったり、見捨てられたりした子どもたちのケアをしました。そして土曜日には、その子どもたちを家族と再会させました。それは、ユニセフが言う「子どもをだれひとり置き去りにしない」という言葉の意味を、現実的に、そして痛切に示すものでした。

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ユニセフ「人道危機緊急募金」ご協力のお願い
世界中で起きている紛争や武力衝突、感染症の流行など人道危機に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「人道危機緊急募金」を受け付けております。アフガニスタンの子どもたちを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるために、ご協力をお願い申し上げます。

1. クレジットカード/コンビニ/ネットバンクから
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/humanity/2008.htm

2. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「人道危機」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。

※公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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