アグレックス、生成AIとエンタープライズサーチを組み合わせ、オカムラの社内ナレッジ検索システムを構築
~学習データが不要な自然言語によるナレッジ検索システム構想を共創し、生産性向上を支援~
TISインテックグループの株式会社アグレックス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:柳井 城作、以下:アグレックス)は、株式会社オカムラ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役 社長執行役員:中村 雅行、以下:オカムラ)に対して、生成AIとエンタープライズサーチを組み合わせた社内ナレッジ検索システムを構築し、検索効率化による生産性向上を支援したことを発表します。
背景
オフィス・店舗・物流倉庫などの空間づくりを総合的に手がけるオカムラでは、お客さまへ提案する際に営業から生産部門に対して製品の詳細情報を問い合わせするなど、日々の業務において社内のナレッジが必要になる場面が非常に多く、エンタープライズサーチ製品※1「Neuron Enterprise Search(以下:Neuron ES)※2」や社内規定に対応したシナリオ型チャットボットを導入・運用していました。
しかしながら、入社して間もない社員は検索に適したキーワードが分からず、これらのツールを使いこなすことができずにいました。また、検索で製品マニュアルなどのPDFがヒットしても、それを熟読して理解するには時間が掛かり、結局、社内の有識者に質問することになるため、質問する側・答える側ともに生産性の低下を招いていました。そこで、オカムラではChatGPTをテスト導入したものの、社内情報に関する回答をできるようにするには、膨大な仕様書やマニュアルを学習させ、新製品リリースや法改正のたびに永続的なメンテナンスが必要となることから、検証を断念しました。
こうした背景からオカムラは、ChatGPTのテスト導入により浮彫となった障壁を乗り越えるために、運用中の「Neuron ES」に生成AIを組み合わせ、学習データを用意することなく社内情報を回答する仕組みを構想しました。
アグレックスは、オカムラの「Neuron ES」導入に携わり、「Neuron ES」の知見を有していたことに加え、自社内で生成AIの技術検証に着手しエンタープライズサーチやチャットボットの構成について研究を進めていたことが決め手となり、オカムラの構想を実装する共創パートナーとして選定されました。
※1 社内のさまざまな場所に保管されているデジタルデータを横断検索できるシステム
※2 ブレインズテクノロジー株式会社が提供する、企業内に存在する膨大なデジタルデータの横断検索・全文検索を可能とした企業内検索エンジン
導入内容
アグレックスは、業務アプリや自動化ツールを作成できるローコード開発プラットフォームであるMicrosoft Power Platformの複数ツールを組み合わせて、生成AIと「Neuron ES」、オカムラ社内の基幹データベース(製品情報等)を連携させる仕組みを構築しました。
<構築したシステムの特長>
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Microsoft Teams上で入力した自然言語による質問を、生成AIが理解して検索キーワードを抽出し、「Neuron ES」がそのキーワードから社内横断の検索を実行。ヒットしたファイルの内容を再び生成AIが要約して回答。
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Neuron ESが管理しているPDFファイルや製品情報のデータベースをRAG※3として扱い、ユーザーが質問した内容に対して、オカムラの製品名であることを瞬時に理解したうえで、的確な検索キーワードを生成。RAGの活用により、特定のディレクトリに参照元ファイルを保存するだけで、最新情報に反映できる。
※3 Retrieval-Augmented Generationの略。大規模言語モデル(LLM)によるテキスト生成に、外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させる技術のこと。出力結果の更新が容易になるほか、出力結果の根拠が明確になりハルシネーションを抑制することが可能。
導入効果
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自然言語で検索できるため、キーワードにとらわれることなく社内ナレッジの検索が可能
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回答に掛かる時間の削減ができ、より創造性が求められるコア業務へ専念できる
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学習データを用意したり全体のフォルダ構造を変えたりすることなく、回答の参照元となる情報を追加でき、メンテナンス負荷が軽減できる
株式会社オカムラ DX戦略部 部長 池田 秀明氏のコメント
生成AIとエンタープライズサーチを組み合わせた社内ナレッジ検索システムの構築は、他社においても前例がなく技術面で実装可能かわからない中でのスタートでしたが、アグレックスは我々の課題感と構想を理解して模索しながらともに推進いただき、大きな力になりました。
オカムラでは、豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献することをミッションに掲げています。これはAIだけで実現できるものではなく、人による創造性が不可欠です。生産性を阻むあらゆる業務をAIに任せ、人は創造性が求められる業務に専念すべく、今後もアグレックスを共創パートナーとしAIの更なる活用を推進していきます。
今後ついて
アグレックスは、今回の共創活動で得た知見を活かし、今後も新たな取り組みへ果敢に挑戦して、社内問い合わせに留まらずエンドユーザー向けの業務の効率化を図るためのAIの新たな活用を支援していきます。共創パートナーであるオカムラでは、本システムが製品や社内規定などあらゆる質問への入口となることを目指しており、現行のチャットボットも本システムに統合するなど、今後も継続的に改善を加えて機能強化を図ることを予定しています。
本導入事例の詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.agrex.co.jp/case/Generation-AI_01.html
オカムラについて
オカムラは、パーパスである「人が活きる社会の実現」に向け、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとし、オフィス、教育・医療・研究・商業施設、物流センターなど、さまざまなシーンにおいて、クオリティの高い製品とサービスを提供することに努めています。企業価値のさらなる向上と社会課題の解決に取り組み、すべての人々が笑顔で活き活きと働き暮らせる社会の実現を目指します。
https://www.okamura.co.jp/
アグレックスについて(https://www.agrex.co.jp/)
アグレックスは、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)、SS(ソフトウェアソリューション)、SI(システムインテグレーション)を柱とする総合情報サービス企業です。1965年の創業以来、半世紀にわたり、大量のデータを抱える企業の煩雑な業務処理を一手に引き受ける独自のアウトソーシングビジネスを中心に事業を展開し、その後システム開発・運用へとその領域を拡大してきました。アグレックスは、業務処理とITのノウハウを総合化・融合化し、お客さまに最適なソリューションを提供し続けます。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
※ ChatGPTはOpenAIの製品です。
※ Microsoft 、Microsoft Teams 、Power Platform は、
米国 Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
◆本サービスに関するお問い合わせ先
株式会社アグレックス
デジタルトランスフォーメーション事業本部 DX営業部 宮﨑
TEL:03-5371-1505 E-mail:DX_sales_dept@agrex.co.jp
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