COVAX 共同声明-ワクチン供給予測 年内14億2,500万回分、供給格差の是正も呼びかけ【プレスリリース】

 

 

ネパール極西部のダルチュラ郡にある保健所で、COVAXを通じて調達された新型コロナワクチンの接種が行われている。(2021年8月4日撮影)© UNICEF_UN0498921_Prasad Ngakhusiネパール極西部のダルチュラ郡にある保健所で、COVAXを通じて調達された新型コロナワクチンの接種が行われている。(2021年8月4日撮影)© UNICEF_UN0498921_Prasad Ngakhusi


【2021年9月8日 ジュネーブ/ニューヨーク/オスロ 発】
COVAXを通じた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの供給状況と今後の予測について、以下の共同声明が発表されました。
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12カ月前、世界は一丸となって、命を守る新型コロナワクチンを世界中が確実に利用できるようにすることを目指した国際的な取り組みであるCOVAXを支持しました。

国際社会の支援を受けて、COVAXは直ちに資金調達を開始し、ワクチン開発・製造業者との交渉に入り、史上最大かつ最も複雑なワクチン接種プログラムの展開に伴う、多くの技術的また実務的な課題に取り組みました。

COVAXは、100億米ドル以上の資金を調達し、最大45億回分のワクチンを法的拘束力をもって確保し、わずか6カ月間で139カ国に2億4,000万回分のワクチンを届けるなど、すでに大きな成果を上げています。
 

 

ネパールのカトマンズにある予防接種センターで、高齢者にアストラゼネカ社の新型コロナワクチンが接種された後のワクチンの空き瓶(2021年8月9日撮影)© UNICEF_UN0499520_Upadhayayネパールのカトマンズにある予防接種センターで、高齢者にアストラゼネカ社の新型コロナワクチンが接種された後のワクチンの空き瓶(2021年8月9日撮影)© UNICEF_UN0499520_Upadhayay

しかし、新型コロナワクチンへのアクセスに関する世界的な状況は受け入れがたいものです。初回接種を受けた人の割合は、高所得国・高中所得国では80%であるのに対し、低所得国・低中所得国ではわずか20%です。

COVAXが設立され、参加を募り、需要を蓄積し、ワクチンを事前購入できるだけの資金を集めていた数カ月の間に、初期の世界的な供給量の大半がすでに富裕国によって購入されていました。現在、世界の最も弱い立場にある人々を守るために発揮すべきCOVAXの力は、輸出の禁止、製造業者や国による二国間取引の優先、一部の主要製造業者による生産規模拡大における継続的な課題、規制当局への承認申請の遅れなどにより、妨げられ続けています。
 

COVAXを通じて提供された新型コロナワクチンが、ウガンダの国立医療施設に届いた様子(2021年7月31日)© UNICEF_UN0498724_NakibuukaCOVAXを通じて提供された新型コロナワクチンが、ウガンダの国立医療施設に届いた様子(2021年7月31日)© UNICEF_UN0498724_Nakibuuka

最新の供給予測によると、製造業者や接種率の高い国々がCOVAXを優先する緊急行動をとらない場合、最も可能性の高いシナリオで、COVAXが2021年に入手できるワクチンは14億2,500万回分になると予想しています。このうち約12億回分は、COVAX Advance Market Commitment(AMC)に参加している低所得国に配分されます。これは、インドを除く92カ国のAMC参加国において、人口の20%、もしくは成人の40%を守るのに十分な量です。また、2億回分以上が自費参加国に割り当てられます。ワクチン調達数がCOVAXの重要な節目である20億回分に達するのは、2022年の第1四半期になる見込みです。
 

 

COVAXとそのパートナーは参加国政府と緊密に協力して、ワクチン接種事業の展開を成功させるための条件が現場で整っていることを確認することに加え、ドナーと製造業者に対して、支援の再表明と、ワクチンの公平な入手のさらなる遅れを防ぐために以下のことを確実にすることを求めます。
  • ワクチン製造業者は、確固たる約束に従ってCOVAXに納品し、各国が事前に予防接種実施計画を立てられるよう、透明性のある供給スケジュールをCOVAXに示す。
  • 製造業者からワクチンを入手する順番がCOVAXに先行しており、すでに高い接種率を達成している国々が、COVAXにその順番を譲ることで、COVAX参加国が供給契約によってすでに確保されているワクチンを入手し、最もワクチンを必要とする人々に届けることができるようにする。
  • ワクチン接種がすでに進んでいる国々からのワクチン寄付を拡大、加速、体系化する。これには、より多くの量を予測可能な形で確保し、ワクチンの保存可能期間を長くすることで、ワクチン輸送の準備に追われる国の負担を軽減することも含まれる。

COVID-19のパンデミックが人命を奪い、生活を破壊し、経済の回復を妨げ続けている中、私たちは「すべての人が守られてはじめて、私たち一人ひとりの安全が確保される」ということを強調し続けています。パンデミックを終息させ、新たな頑強な変異種の出現を防ぐ方法は一つしかなく、それは皆で協力することです。
 

日本政府がCOVAXファシリティを通じてネパールに提供したCOVID-19ワクチンの貨物が、ネパール・カトマンズにあるトリブバン国際空港に到着した様子(2021年8月23日撮影)© UNICEF_UN0506807_Dhakal日本政府がCOVAXファシリティを通じてネパールに提供したCOVID-19ワクチンの貨物が、ネパール・カトマンズにあるトリブバン国際空港に到着した様子(2021年8月23日撮影)© UNICEF_UN0506807_Dhakal



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■   新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます。

特設サイト: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/

COVAX情報ページ: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/covax/

 

■   COVAXについて

COVAXは、COVID-19の診断検査法、治療法、ワクチンの開発などを加速させるための国際的な取り組みであるACT-A(Access to COVID-19 Tools - Accelerator)の柱の一つであるワクチン供給のイニシアティブです。感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、GAVIアライアンス、WHO(世界保健機関)が共同で主導し、先進国および開発途上国のワクチン製造業者、ユニセフ(国連児童基金)、世界銀行、市民社会組織などと連携して活動しています。COVAXは、COVID-19ワクチンを世界各国に公平かつ迅速に分配していくことを目指し、政府や製造業者とともに取り組む唯一のグローバル・イニシアティブです。

 

 


 

 
■   ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■   日本ユニセフ協会について公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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