TOPPAN、店舗や営業拠点などのリアルの価値を最大化する「リアル・トランスフォーメーション（RX）」化支援サービスを提供開始

今後拡大するAIコマースに向け、リアル店舗や営業拠点のデータを活用する「RXデータ基盤」を核に、LTV向上や業務効率化を実現

TOPPANホールディングス株式会社

2025年12月24日 10時04分

TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社（本社：東京都文京区、代表取締役社長：大矢諭、以下 TOPPAN）は、今後拡大するAIコマース（※1）に向け、企業のリアル店舗や営業拠点などのリアルの価値を最大化し、競争優位の中心とする「リアル・トランスフォーメーション（RX）」を提唱しています。

この度、リアル店舗や営業拠点のデータを統合・分析・活用する「RXデータ基盤」を開発。この基盤を核に、企業のリアル接点中心のビジネス変革を支援する「リアル・トランスフォーメーション（RX）」化支援サービスを、店舗を運営する小売、メーカー、自動車、金融機関等に向けて2025年12月下旬より提供開始します。

TOPPANが開発した「RXデータ基盤」は店舗での顧客・従業員の行動データや商品データを統合・可視化・分析することで、顧客・従業員・商品の三位一体でリアル接点中心のビジネス変革を推進するための核となるデータ基盤です。接客ログや位置情報等のデータ取得や分析により、店頭のデータを可視化し、リアル拠点のデータドリブン化を推進します。

この基盤を活用し、「リアル・トランスフォーメーション（RX）」化支援サービスとして提供を開始します。顧客が商品やサービスへの納得感や感動を伴って購入する瞬間（プラチナモーメント）を「RXデータ基盤」のデータ解析から導き出し、顧客・商品・従業員それぞれへのフィードバックをサイクル化。デジタル接点の均質化や、リアル接点での差別化戦略の重要度が増すと予測されるAIエージェント時代における新たなLTV向上、業務効率化を実現します。

「RXデータ基盤」として、まずはトレジャーデータ株式会社（本社：東京都港区、社長執行役員：三浦喬、以下トレジャーデータ）のCDP（※2）「Treasure Data CDP」を中心としたデータ基盤群を基に本サービスの提供を開始します。

■ 「リアル・トランスフォーメーション（RX）」化支援サービス提供の背景

近年、AIエージェントの進化により、購買行動は従来の「検索・比較」からAIへの「相談・指示」へとシフトし、ユーザー接点がAIツールへと集約され始めています。デジタルのUIが均質化して行くこれからの時代に置いて、店舗や営業接点などの「リアルな体験価値」が、ブランドの独自性を生む大きな差別化要素となります。

顧客の約90％は購入場所としてリアル店舗を選択し（※3）、アパレルや化粧品ブランドなどデジタルネイティブ世代が支持するブランドもリアル店舗の出店を進めるなど、リアル接点の重要度は一層高まっています。一方で多くの企業では「店舗を顧客ロイヤリティを高める場所として活用できていない」、「リアル接点で顧客に向き合う時間がとれない」、「接客で商品・サービスの魅力を十分に顧客に伝え切れていない」等、リアル接点をビジネス成長に十分に結び付けられていないという課題があり、進行する労働者不足への対応も含め、リアル接点の改善が必要となっています。

TOPPANはこれらの課題に対し、「ヒト」と「リアルな体験」を中心に据え、デジタルはそれらを支える「最高の黒子」として、感動体験を生み、そして再現する「リアル・トランスフォーメーション（RX）」を提唱。リアル接点中心のビジネス変革を支援するサービスの提供を開始します。今回開発した「RXデータ基盤」と、その上で展開するデータ活用フレームワークにより、リアル接点中心のビジネス変革を継続的かつ再現性高く支援していきます。

■「RXデータ基盤」を活用した「リアル・トランスフォーメーション（RX）」の概要

TOPPANの「リアル・トランスフォーメーション（RX）」化支援サービスは、RXデータ基盤を核に、以下の3つのレイヤーでAIコマース向けのリアル接点におけるデータ活用を支援します。

1. リアルデータの取得、各データ統合

店舗・営業接点で発生する以下の様な多様なデータを収集し、「RXデータ基盤」に統合します。

・顧客と従業員の会話データ、接客ログ

・顧客店内回遊、滞在、行動履歴

・店内の位置情報（商品・従業員）、VMD情報、各種センサー情報

・商品マスター、在庫・販売実績などの商品関連データ、商品口コミ・レビュー情報　等

接客ログや位置情報等のデータ取得、分析により、店頭のデータが可視化され、リアル拠点のデータドリブン化を推進します。これにより、リアル拠点の状態を定量的に把握し、課題の可視化と改善サイクルの高速化を可能にします。

また、行動データの可視化を、店舗の防犯・万引き対策や従業員へのカスタマーハラスメント予防など物理的／心理的セキュリティの強化にもつなげ、働きやすく安全な職場環境の整備も支援します。

2. AIによるデータ分析・ナレッジ化

「RXデータ基盤」上に統合されたデータを用いて、AIを活用した分析とナレッジ化を行います。

・商品力の高解像度化

顧客の口コミや従業員の評価など、感性的な外部情報を商品データベースに取り込み解像度を向上させます。AIによる多角的な分析で、個々の顧客に響く訴求ポイントの抽出やコピー生成、商品開発への具体的なフィードバックを実現します。

・接客ノウハウのナレッジベース化、水平展開

各店舗で蓄積される接客ログと販売情報から、ハイパフォーマーの接客ノウハウを音声AIなどで抽出し、各店舗・各従業員へ展開します。これにより、接客品質の平準化・高度化と従業員の成長を支援し、顧客体験の底上げにつなげます。

これらの分析・ナレッジ化の結果は、顧客・従業員・商品のデータを統合し、「どの顧客が、どの商品を、どの従業員の接客を通じて、どのような体験価値を得たか」を一貫した指標で捉えることに活かされます。

3. 体験設計・施策実行レイヤー（CX・AIコマースの高度化）

分析・ナレッジ化されたインサイトを基に、リアルとデジタルを横断した体験設計・施策実行を支援します。

・デジタル/リアルのハイブリッドCX

「Treasure Data CDP」と連携し、顧客の嗜好に合わせてAIで行動予測やターゲット抽出を行います。SNSやメールといったデジタルメディアだけでなく、DMやサンプル送付などのリアルメディアも組み合わせ、顧客ごとに最適なチャネルとタイミングで施策を自動実行します。https://www.holdings.toppan.com/ja/news/2025/11/newsrelease251127_1.html

・AIコマースへの対応

「RXデータ基盤」の商品データを、AIが利用しやすい形式に構造化して保持し、顧客データと掛け合わせて活用することで、エージェントコマース時代のレコメンド高度化やコンテンツ生成を支援します。これにより、AIエージェント経由のコンバージョン向上と、リアル店舗での体験価値の一貫した最適化を両立します。

これらのフレームワーク・データ基盤構築の支援を通して、個別の点在したサービス導入にとどまらず、企業全体のリアル接点を横断した「RX」の実現を支援します。

■ 価格

システム開発と導入支援で1,500万円～　※施策・内容に応じて個別見積

■ 今後の目標

　TOPPANは、リアルな店舗の運営や契約型の営業サービスなど、顧客とのリアル接点を強化したいリテール・メーカー・自動車・金融機関・保険業界等の企業を中心に、2030年度までに関連受注を含め約50億円の売上を目指します。

※1 AIコマース： AIチャット上での検索・比較・決済や、AIエージェントによる代理購入など、AIを介した購買形態

※2 CDP：あらゆる顧客接点のデータを統合するカスタマーデータプラットフォーム

※3 経済産業省商務情報政策局情報経済課令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書より

https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005-a.pdf

＊本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。