ノルマのため、年賀ハガキを1万枚「自腹購入」も――。郵便局員たちの絶望の声をすくい上げたノンフィクション『ブラック郵便局』が2月17日発売決定!
関係者 1000 人以上の「叫び」を基に歪んだ巨大組織の実態に迫る驚愕のルポルタージュ
配達員によって捨てられた大量の郵便物。手段を選ばない保険営業や相次ぐ横領、詐欺――2007年の民営化以来17年、2万4000局、従業員30万人超の巨大組織・日本郵政グループに何が起きてきたのでしょうか。調査報道大賞など数々の賞で顕彰された西日本新聞記者・宮崎拓朗氏が、6年以上をかけて歪んだ巨大組織の実情を取材した『ブラック郵便局』を2月17日、新潮社より刊行いたします。
わたしたちの日常に密接にかかわる郵便局。あちこちで目にする郵便ポストや町を走り回る郵便配達員、局内に入れば貯金や保険の窓口が利用者を出迎えてくれます。その窓口の向こうで何が起こっているか、ご存じでしょうか。「もう限界です」。著者の取材に、多くの郵便局員が実態を訴えます。たとえば過剰なノルマ。「今までに、年賀はがきの自爆営業で総額100万円ぐらいは身銭を切ってきた」と語る局員もいました。あるいは上層部による深刻なパワハラ、そして追い詰められた局員の自死も――。わたしたちの目に映る日常の光景を一変させる衝撃の調査報道です。
■目次
第一章 高齢者を喰い物に
第二章 “自爆”を強いられる局員たち
第三章 局長会という闇
第四章 内部通報者は脅された
第五章 選挙に溶けた8億円
第六章 沈黙だけが残った
■書籍内容
街中を駆け回る配達員、高齢者の話に耳を傾け寄り添うかんぽの営業マン……。市民のために働いてきた局員とその家族が、疲弊しきっている。異常すぎるノルマ、手段を選ばない保険勧誘、部下を追い詰める幹部たち。そして、既得権保持を狙う政治との癒着――。窓口の向こう側に広がる絶望に光を当てる執念の調査報道。
■著者紹介
宮崎拓朗(みやざき・たくろう)
1980年生まれ。福岡県福岡市出身。京都大学総合人間学部卒。西日本新聞社北九州本社編集部デスク。2005年、西日本新聞社入社。長崎総局、社会部、東京支社報道部を経て、2018年に社会部遊軍に配属され日本郵政グループを巡る取材、報道を始める。「かんぽ生命不正販売問題を巡るキャンペーン報道」で第20回早稲田ジャーナリズム大賞、「全国郵便局長会による会社経費政治流用のスクープと関連報道」で第3回ジャーナリズムXアワードのZ賞、第3回調査報道大賞の優秀賞を受賞。
■書籍データ
【タイトル】ブラック郵便局
【著者名】宮崎拓朗
【発売日】2025年2月17日
【造本】四六判
【定価】1,760円(税込)
【ISBN】978-4-10-356151-4
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/356151/
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