TIS、大日本塗料の基幹システム刷新を「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」導入によって支援
~15年間のERP資産を継承しつつクラウド移行で柔軟性を強化、攻めの経営を支えるシステム基盤を構築~
TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下:TIS)は、大日本塗料株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:里 隆幸、以下:大日本塗料)の基幹システム刷新を「SAP S/4HANA Cloud Private Edition※1」への移行によって支援したことを発表します。プロジェクトは2022年10月から2025年1月にかけて実施され、15年間かけて蓄積した既存のERP資産を継承しながらも、柔軟な業務運用と攻めの経営基盤を実現するシステム基盤を構築しました。
※1 SAPの次世代ERP「SAP S/4HANA」を専用クラウド環境で運用するサービス
背景
大日本塗料は1929年の創業以来、日本の産業や社会インフラを支える塗料メーカーとして発展してきました。特に重防食技術を強みとし、東京ゲートブリッジなど大型建造物にも重防食塗料が採用されています。大日本塗料は2008年からオンプレミス型のSAP ERP(ECC6.0)を基幹システムとして運用し、業界特有の商習慣に合わせた数多くのアドオン開発を積み重ねてきました。しかし、アドオンの増加による保守作業の複雑化や、2027年に迫るSAP ERP(ECC6.0)標準保守サポート終了という課題を背景に、変化する社会や事業環境へ柔軟に対応できる新たなシステム基盤への刷新が急務となっていました。今回のプロジェクトでは、これまで蓄積してきたERP資産を活用しながら、クラウド化による運用効率の向上とDX推進の加速、そして創業100周年に向けた「攻めの経営」を実現する新たな体制を構築しています。
TIS選定理由
TISは、以下の評価ポイントが認められ、プロジェクトのパートナーに選ばれました。
-
既存資産の有効活用を提案
大日本塗料が開発・利用してきたERP資産を棚卸しし、「資産の有効活用と最適化」を両立する提案により、過去の投資を無駄にせず、将来の事業成長に対応できる基盤を実現できる点。
-
TISのコネクションを生かした「一歩踏み込んだ」提案
クラウドサービスである「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」の導入により、インフラ管理やバージョンアップ作業の負担軽減を実現するのと同時に、TISとSAP社とのコネクションとノウハウを活かすことで、従来と同等のサービスを実現できること。また要件定義、ユーザー教育、保守・サポートなど連携が必要なところは、オンサイトサポートを提案するなど負担軽減を具体的に実現できる点。
「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」の導入プロセス
プロジェクトは2022年10月に開始し、単なるシステム移行にとどまらず各部門の業務プロセスをゼロベースで見直し、不要な業務の削除や手順の見直しを徹底することから始まりました。大日本塗料とTISが密接に連携し、より効率的な業務フローの再設計を進めました。
また、既存ERP資産である約100本のアドオンについても内容や利用状況を詳細に分析し、業務に不可欠な約60%は移行、今後の成長に向けて必要な約10%は新たに設計し開発、不要な機能である約30%を廃止する方針を決定しました。これによりシステムの保守性と拡張性が大きく向上しました。
2年3ヶ月に及ぶ長期プロジェクトの中では導入だけでなく、ユーザー教育、稼働直後の保守など特に連携が必要なところはオンサイトでサポートを提供しています。その結果、2025年1月に予定通り本番稼働を実現し、業務への影響を最小限に抑えながら安定運用に入っています。
「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」導入効果
本プロジェクトにおける「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」の導入による効果は以下の通りです。
-
保守性・運用効率の改善
クラウド化による、インフラ管理やバージョンアップ作業の負担軽減だけでなく、業務プロセスの見直しとアドオン資産の最適化をしたことにより、創業100周年を見据えた攻めの経営を支え、変化するビジネス環境にも迅速に追随できる基盤を構築。
-
DX推進とデータ活用の強化
SAP ERP(ECC6.0)の時代から、将来のデータ利活用を見据えて追加していたデータ項目が、「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」移行により、良質なデータとして取り出しやすくなり、経営状況の可視化など全社的なDX推進が加速。
大日本塗料からのコメント
よく言われる「伴走」を超え、我々の一員としてやっていただけました。15年の知識があるので安心感もあります。システムづくりは、テストの点数で言うと「0点」か「100点」しかなく、80点でOKを出すことはできません。我々はSAP S/4HANAのすべてを知っているわけではないので、足りない部分をTISの知見で補完していただくことで、満点のシステムにできたと思います。パートナーとして最適でした。今後もTISには、当社に何が足りていないのか、改善が必要なのか、業界を知っている広い視点で提案していただきたいです。
大日本塗料株式会社 取締役 常務執行役員 管理本部長 兼 財務部長 永野 達彦氏
大日本塗料株式会社 管理本部 システム部 部長 理事 上出 博靖氏
大日本塗料株式会社 管理本部 システム部 次長 佐々木 修治氏
大日本塗料株式会社 管理本部 システム部 専任部長 藤井 博之氏
本件の詳細は以下URLもご参照ください。
https://www.tis.jp/casestudy/casestudy_179.html
TISの「SAPソリューション」について
TISのSAPソリューションは、豊富な製造業でのビジネス知識とSAP導入実績のノウハウを通して上流コンサルティングから導入・運用保守まで一貫して支援いたします。企業経営のコアとなるERPシステムを中心に、データドリブン経営、サプライチェーンマネジメント、ビジネスAIの高度利用など幅広い領域で日本のものづくり強化を支えています。
本サービスの詳細は、以下URLをご参照ください。
https://www.tis.jp/service_solution/tis-sap-solution/
大日本塗料株式会社について(https://www.dnt.co.jp/)
大日本塗料グループは、「色と光で環境を彩る」をテーマに塗料事業、照明機器事業、蛍光色材事業を手掛けています。また、塗料の開発研究で培われた技術を、各種コーティング剤や医療における診断薬事業にも応用展開しております。新しい価値の創造を通じて地球環境や資源を護り、広く社会の繁栄と豊かな暮らしの実現に貢献できる企業を目指しています。
TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/)
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
◆本サービスに関するお問い合わせ先
TIS株式会社 エンタープライズコンサルティング事業本部
エンタープライズコンサルティング営業統括部
エンタープライズコンサルティング第2営業部 マーケティング担当
E-mail:bsc_sales@ml.tis.co.jp
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。