TIS、JPYCと日本円建ステーブルコイン決済の社会実装に向けた基本合意書を締結

~「ステーブルコイン決済支援サービス」の開発に向けた協業を開始~

TISインテックグループ

TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下:TIS)は、JPYC株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:岡部 典孝、以下:JPYC)と、電子決済手段(以下:ステーブルコイン)の普及に向けて、共同で事業化の検討、新たなビジネスの創出、顧客開拓や事業推進を行うための基本合意書を2025年10月31日に締結したことを発表します。 

今後は、TISが提供する「ステーブルコイン決済支援サービス」でJPYCが発行・償還する日本円建ステーブルコイン「JPYC」を取り扱うことで、サービス利用事業者は自ら決済システムを構築することなく、国内外の消費者に対しより利便性の高い決済手段を低コストかつ短期間で提供できるようになります。2026年春から夏にかけて実施するPoCでサービスの有用性を検証後、2026年内に「ステーブルコイン決済支援サービス」の正式提供開始を目指します。

協業イメージ

背景

経済産業省によると、2024年の国内のキャッシュレス決済比率は42.8%と初めて4割を超え、将来的には80%まで引き上げを目指し、必要な環境整備が進められています※1。一方、中小企業や個人事業、海外との資金決済においては、依然として現金決済を前提とした手続きが多く残るなど、コストや時間のロスが顕在化しているケースも多く見受けられます。特に、国境を越えた電子商取引や訪日観光客による決済など、多様なニーズに応える決済手段の整備は喫緊の課題となっています。

日本では2023年6月に改正資金決済法が施行され、銀行や資金移動業者によるステーブルコインの発行が制度上可能となりました。この改正資金決済法に基づき、JPYCは2025年8月18日に資金移動業者に登録されました。2025年10月27日より国内唯一の事業者として、日本円と1:1で交換可能な日本円建ステーブルコイン「JPYC」の発行および償還を開始しました。日本円建ステーブルコイン「JPYC」は日本円の預金および日本国債で保全され、AvalancheやEthereum、Polygonといった複数のブロックチェーンに対応しています。これにより、柔軟で効率的なデジタル決済基盤の構築が進み、日本国内でもステーブルコイン決済が普及していくことが期待されています。

2023年6月に改正資金決済法が施行されることを受け、TISではステーブルコインによる決済を支援するためのサービス提供に向けた準備を開始しました。2025年2月にはエンタープライズ向けweb3ウォレットの国内随一の導入実績を有するスタートアップ企業であるdouble jump.tokyo株式会社と協業し、ステーブルコインの決済に必要なシステム開発を進めてきました※2。

TISとJPYCは2024年以降、ステーブルコイン決済の普及に向けた情報交換を開始し、今回の基本合意締結に至りました。両社は、日本円建ステーブルコイン「JPYC」の発行・償還やシステム開発、営業活動などで強みを活かし、「ステーブルコイン決済支援サービス」の提供に向けて協業を進めます。

※1 経済産業省「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250331005/20250331005.html

※2 TIS「TIS、double jump.tokyoに出資し、新たな決済手段であるステーブルコイン決済の活用を推進」

https://www.tis.co.jp/news/2024/tis_news/20250221_1.html

協業の概要

TISのweb3領域やブロックチェーン技術における開発・営業力や、JPYCが持つステーブルコインの発行・償還におけるノウハウを活かし、ステーブルコイン決済の普及に向けた新サービス開発の検討、顧客開拓や関連する新規ビジネスの創出を図ります。ステーブルコイン決済の導入を検討する企業に対し、ステーブルコインの発行・償還・流通のための導入支援やシステムサービスを提供することで、国内でのステーブルコイン決済の普及に取り組みます。ステーブルコインの取り扱いを検討する企業の既存システムへの組み込み、キャッシュレス事業者経由でのシステムサービス提供によるステーブルコイン決済の利用、キャッシュレスを導入されていない中小企業・店舗等によるステーブルコイン決済の取り扱いのためのSaaSサービスの提供など、さまざまな対応を検討しています。今回の協業におけるTISとJPYCの主な役割は以下の通りです。

<各社役割>

TIS

・ステーブルコインの流通(決済送金サービス等の提供、企業・店舗支援)

・「ステーブルコイン決済支援サービス」「JPYC活用」の共同提案・営業活動

・ステーブルコインの発行・償還や決済に関する実証実験の共同推進

JPYC

・ステーブルコインの発行・償還等

・TISへの技術支援や共同提案・営業活動

・ステーブルコインの発行・償還や決済に関する実証実験の共同推進

「ステーブルコイン決済支援サービス」の概要

サービス提供イメージ

「ステーブルコイン決済支援サービス」の主な特長は以下の通りです。

  • ブロックチェーン技術を活用した直接送金型決済

ブロックチェーン技術を活用し、店舗はスマートフォンやタブレットがあれば専用の決済端末は不要で消費者から直接ステーブルコインを受取可能。導入にあたっては、電子決済手段等取引業者への口座開設や資金移動業者の通貨交換サイトへのアカウント開設により法定通貨との交換が可能。

  • 訪日外国人旅行者による利用増加に貢献

米ドル建など海外で発行されたステーブルコインを保有する訪日外国旅行者が、現金の所持や換金の手間を省いて日本国内での決済に利用可能。全世界で時価総額30兆円を突破しているステーブルコイン市場を活用し、インバウンド消費を促進。

  • 国内保有者による利便性の向上

国内暗号資産取引所の口座開設数は既に1,200万口座と普及率10%を超え、今後は暗号資産投資や日本円建ステーブルコインでの価値保存の促進が期待される。保有者は換金や銀行への出金などの手間を省いて直接ステーブルコインで決済が可能。

  • 加盟店手数料の削減

クレジットカードなど従来型キャッシュレス決済と比較し、仲介事業者が少ない仕組みを採用。ステーブルコイン決済では1~2%程度の手数料を削減。

  • オープンで柔軟な決済サービス

ブロックチェーン技術の活用に注力する独立系システムインテグレーターであるTISが提供することで、特定の経済圏や特定の暗号資産交換業者・電子決済手段等取引業者に限定しない、オープンで柔軟な決済基盤を実現。日本円建ステーブルコイン「JPYC」に限らず、その他の日本円建ステーブルコインや米ドル建ステーブルコインなど取り扱いを拡大予定。

今後について

TISはJPYCの協力により、「ステーブルコイン決済支援サービス」において日本円建ステーブルコイン「JPYC」による決済サービスの提供など新たな事業の創出に向けた取り組みを進めます。2026年度より国内の大手事業者とのPoCを開始し、日本円建ステーブルコイン「JPYC」の発行・流通にかかるサービスの有用性を検証します。その後、2026年秋以降に「ステーブルコイン決済支援サービス」の正式提供開始を目指します。また、他通貨の取り扱いも視野に入れつつ、インバウンド需要の取り込みや多業種への展開を開始し、2031年度までに「ステーブルコイン決済支援サービス」の売上高7億円、2036年度までに売上高20億円を目指します。

JPYC株式会社について(https://corporate.jpyc.co.jp/

JPYC株式会社は、2019年に設立後、2021年に自家型前払式支払手段、2023年に第三者型前払式支払手段、2025年8月に資金移動業の登録を経て、資金移動業型の日本円建ステーブルコイン「JPYC」をEthereum、Avalanche、Polygonの3つのチェーンで発行しています。「社会のジレンマを突破する」というミッションを掲げ、「資本の流動性を上げる」仕組みを提供し、誰もがイノベーションを起こしやすい土壌を創りに行くことを目指している企業です。

TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/

TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。

TISインテックグループについて

TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市への集中・地方の衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。

※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

◆本取り組みに関するお問い合わせ先

TIS株式会社 ソーシャルイノベーション事業部 Web3ビジネス企画部

E-mail:bc_prom@ml.tis.co.jp

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会社概要

TIS株式会社

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URL
https://www.tis.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー
電話番号
050-1702-4071
代表者名
岡本安史
上場
東証プライム
資本金
100億円
設立
1971年04月