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公益財団法人日本ユニセフ協会
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レバノン:子どもたちの生活、半年間で劇的に悪化~危機的状況は収まらず【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

 

道でしゃがみこむ4歳のダラルちゃん。レバノンの深刻な危機により、空腹のまま眠ったり最低限の保健ケアを受けられなかったりする子どもたちが増えている。(2021年10月26日撮影) © UNICEF_UN0553714_Choufany道でしゃがみこむ4歳のダラルちゃん。レバノンの深刻な危機により、空腹のまま眠ったり最低限の保健ケアを受けられなかったりする子どもたちが増えている。(2021年10月26日撮影) © UNICEF_UN0553714_Choufany

【2021年11月23日 ベイルート(レバノン) 発】

レバノンの危機的状況が収まる気配を見せない中、子どもたちへの影響はますます悪化しています。ユニセフ(国連児童基金)が本日発表した報告書『困窮する生活-レバノンの危機が子どもたちに与える未だかつてない悪影響(原題:Surviving without the basics; the ever-worsening impact of Lebanon’s crisis on children)』が示した新たな調査結果によると、飢えに苦しんだり、家族を支えるために働かなければならなかったり、必要な医療を受けられなかったりする子どもの数が増加しています。

この報告書は、ユニセフが2021年4月と10月の2回、同じ家庭を対象に実施した『子どもに焦点を当てた迅速評価(原題:Child-focused Rapid Assessments)』*に基づいています。その結果の数値は、半年間にわたって生活環境が劇的に悪化していることを示しており、十分な食料がなく子どもが食事を抜かざるをえなかった家庭は、4月には約37%でしたが、10月には50%を超えました。また、教育費を削減した家庭も、4月には26%でしたが、10月には30%を超えました。
 

ヘスビ(Hesbi)にある唯一の水源から水を飲む子ども。(2021年10月25日撮影) © UNICEF_UN0550973_Choufanyヘスビ(Hesbi)にある唯一の水源から水を飲む子ども。(2021年10月25日撮影) © UNICEF_UN0550973_Choufany

レバノンは、現代史上世界最悪といわれる経済不況、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック、2020年8月に首都ベイルートで起きた大規模爆発の余波など、何重もの危機によって苦しんでいます。

ユニセフは、深刻化する危機に対応するためにプログラムを拡大し、子ども対象の現金給付支援、保健や栄養に関する物資の提供、きれいな水へのアクセス支援、子どもや若者への学習機会の提供、子どもの保護サービスの強化、ベイルートの爆発によって被害を受けた学校や保健施設の再建などを行ってきました。

ユニセフ・レバノン事務所代表の杢尾雪絵は「この危機の驚異的な大きさに、目を覚まさなければなりません。子どもたちが誰ひとりとして、飢えたり、病気になったり、教育を受けられずに働かなければならなくなったりしないよう、緊急の行動が必要です。レバノン政府は、子どもたちの未来を守るために、早急に策を講じるべきです。そのためには、社会的保護制度を大幅に拡大し、すべての子どもが質の高い教育を受けられるようにし、プライマリ・ヘルスケアと子どもの保護サービスを強化する必要があります」と述べました。

*1,244世帯が第1回目(4月)にインタビューを受け、そのうち838世帯が第2回目(10月)にも参加しました。インタビューは電話で行われました。
 

トリポリにあるプライマリ・ヘルスケア・センターで、健康診断を受ける女の子。(2021年9月29日撮影) © UNICEF_UN0551930_Choufanyトリポリにあるプライマリ・ヘルスケア・センターで、健康診断を受ける女の子。(2021年9月29日撮影) © UNICEF_UN0551930_Choufany

<報告書内主要数値>

【貧困】
最近の推計によると、人口の80%以上が複数の形態の貧困に苦しんでおり、34%が極度の貧困状態にあります。シリア難民の家庭ではさらに深刻で、約10人に9人が極度の貧困状態にあるとされています。

ユニセフの世論調査(10月)の結果は、下記の通りです。
  • 電力供給を遮断された家庭は93%(4月は56%)
  • TVやラジオ、家具などの家財を売らなければならなかった家庭は44.8%(4月は33%)
  • 何らかの社会的支援を受けている家庭は10世帯中3世帯(10月)

【食料】
  • 家に食料が十分ないために、食事を抜かざるをえなかった子どもがいる家庭は53.4%(4月は37.7%)
  • 食料を買うために、お金を借りなければならなかった家庭は71.7%(4月は61.9%) で、シリア難民の家庭では90%以上

【水】
  • 水不足の影響を受けた人は280万人以上
  • 調査前の30日間で少なくとも1度は飲料水が不足した家庭は45%以上(4月は20%未満)
  • 十分な水を得られなかった主な理由として、費用と回答した家庭は35%(4月は29%)、水源を利用できないと回答した家庭は14%(4月は9%)
  • 飲料水を給水車に頼っている家庭は21%以上(4月と比較して5倍増加)
  • 調査前の1カ月で水に10万レバノンポンド(約5米ドル)以上を費やした家庭は50%以上(4月は20%)

【保健・医療】
  • 必要なプライマリ・ヘルスケアを受けることができなかった子どもは約34%(4月は28%)
  • 医薬品の値段が上がったと答えた家庭は10世帯中9世帯以上(4月は10世帯中7世帯)

【教育】
  • 難民の子どもたち44万人が学校に戻れなくなると推定
  • 26万人という前例のない数のレバノン人の子どもたちも学校に戻れなくなると推定
  • 教育費を削らなければならなかった家庭は30.6%(4月は26.3%)

【保護】
  • 子どもを働かせなければならなかった家庭は12%(4月は9%)
  • 子どもや親密なパートナーに対する暴力が増加

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
-
設立
-
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