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公益財団法人日本ユニセフ協会
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12月1日は「世界エイズデー」:2020年、2分に1人が新たに感染【プレスリリース】

新型コロナウイルス長期化でHIVサービスに大きな混乱

公益財団法人日本ユニセフ協会

HIV母子感染予防の妊産婦ケア支援を受ける母親のシャディアさん。母親はHIVと共に生きているが、抗レトロウィルス薬治療を受けたことにより生後3カ月の子どもは陰性だった。(ウガンダ、2021年10月6日撮影) © UNICEF_UN0545610_EmoruHIV母子感染予防の妊産婦ケア支援を受ける母親のシャディアさん。母親はHIVと共に生きているが、抗レトロウィルス薬治療を受けたことにより生後3カ月の子どもは陰性だった。(ウガンダ、2021年10月6日撮影) © UNICEF_UN0545610_Emoru

【2021年11月29日 ヨハネスブルグ/ニューヨーク 発】

ユニセフ(国連児童基金)が本日発表した報告書『HIV/エイズ グローバルスナップショット(HIV and AIDS Global Snapshot)』によると、2020年には2分に1人の割合で、少なくとも30万人の子どもが新たにHIVに感染しました。また、同時期に5分に1人の割合で、12万人の子どもがエイズに関連する要因で死亡しています。

報告書は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの長期化により、長年にわたってHIVの流行の原因となっている不平等が深刻化しており、厳しい状況にある子どもや若者、妊娠中の女性や授乳中の母親が、命を守るHIV予防・治療サービスを受けられないリスクが高まっていると警鐘を鳴らしています。
 

幼少期にHIVで両親を亡くした17歳のシェドリックくん(右)と15歳のサニコンダくん(左)兄弟。HIV検査を受け、陰性だった。(マラウイ、2021年11月4日撮影) © UNICEF_UN0556304_Berger幼少期にHIVで両親を亡くした17歳のシェドリックくん(右)と15歳のサニコンダくん(左)兄弟。HIV検査を受け、陰性だった。(マラウイ、2021年11月4日撮影) © UNICEF_UN0556304_Berger

ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは「世界的なCOVID-19のパンデミックにより、保健・医療システムに負荷がかかり、命を守るサービスへのアクセスが制限される中、HIVの流行が始まってから40年が過ぎました。貧困の拡大、メンタルヘルスの問題、虐待などにより、子どもや女性のHIV感染リスクが高まっています。HIV流行の原因である不平等は、COVID-19によってますます悪化しており、解消するための取り組みを強化しなければ、より多くの子どもたちがHIVに感染し、エイズとの闘いに敗れることになるかもしれません」と述べました。

驚くべきことに、世界のHIVと共に生きる子どもの5人に2人は自分が感染していることを知らず、抗レトロウイルス治療(ART)を受けている子どもは半数強にとどまっています。昔からよく知られている差別や男女不平等などは、いまだHIVサービスの適切な利用を阻む障壁となっているのです。

報告書は、2020年の初めに、COVID-19の影響によって、多くの国でHIVサービスに大きな混乱が生じたと指摘しています。HIVがまん延している国における乳児のHIV検査数は50~70%、14歳未満の新規治療の開始は25~50%減少しました。COVID-19によるロックダウンは、ジェンダーに基づく暴力の急増、フォローアップケアへのアクセス制限、生活必需品の在庫切れなどを引き起こし、HIV感染率を上昇させることとなったのです。また数カ国では、保健施設での分娩や妊産婦のHIV検査、そして新規ARTの開始の機会も減少しました。極端な例を挙げると、2020年の南アジアにおける妊婦のARTを受けている割合は、71%から56%へと大幅に低下しました。
 

首都キンシャサの保健センターで、陰性のHIV検査結果を手に持つ妊娠5カ月目のデニースさん。 (コンゴ民主共和国、2021年8月撮影) © UNICEF_UN0507416_Dejongh首都キンシャサの保健センターで、陰性のHIV検査結果を手に持つ妊娠5カ月目のデニースさん。 (コンゴ民主共和国、2021年8月撮影) © UNICEF_UN0507416_Dejongh

2020年6月にはHIVサービスの利用率は回復してきましたが、提供率はCOVID-19以前の水準を大きく下回っており、その影響の大きさはいまだ明らかになっていません。さらに、HIVの高まん延地域では、パンデミックが長期化することによって、保健・医療サービスにさらなる混乱が生じ、HIV対応の世界的な格差が拡大する可能性があると、ユニセフは警鐘を鳴らしています。

2020年、世界で新たにHIVに感染した子どもの90%、そしてすでにHIVに感染している子どもと若者の88%が、サハラ以南のアフリカで暮らしています。10代の女の子がHIVに感染する確率は、男の子の6倍となっています。

本報告書によると、HIV/エイズとの闘いにおいて、いくつか進展があったにもかかわらず、この10年間、すべての地域で子どもと若者は取り残されてきました。世界のARTを受けている子どもの割合は、妊娠中の母親(85%)やおとな(74%)と比較して、非常に低い水準にとどまっています。ARTを受けている子どもの割合が最も高いのは、南アジア(95%以上)で、次いで中東・北アフリカ地域(77%)、東アジア・太平洋地域(59%)、東部・南部アフリカ(57%)、ラテンアメリカ・カリブ海地域(51%)、西部・中部アフリカ(36%)となっています。

その他、報告書に含まれる2020年のデータは以下の通りです。
  • 新たにHIVに感染した0~9歳の子どもは15万人で、HIVと共に生きるこの年齢層の子どもの総数は103万人となった。
  • 新たにHIVに感染した10~19歳の若者は16万人で、HIVと共に生きるこの年齢層の若者の総数は175万人となった。
  • 新たにHIVに感染した10代の女の子は12万人だったのに対し、10代の男の子は3万6,000人だった。
  • 子ども・若者のエイズ関連死亡者数は12万人だった(0〜9歳が8万6,000人、10〜19歳が3万2,000人)。
  • 2010年以降、10代の若者の年間新規感染数が、東部・南部アフリカでは41%減少したが、中東・北アフリカ地域では4%増加した。
  • 昨年、1,540万人の子どもが、エイズに関連する要因で一方または両方の親を亡くした。

「パンデミック後、より良い世界を作り上げるためには、エビデンスに基づく、人々を中心に据えた回復力があり、持続可能な、そして何よりも公平であるHIV対応が必要なのです。格差をなくすためには、保健・医療システムを強化し、影響を受けているすべてのコミュニティ、特に最も厳しい状況にある人々を巻き込んだ、有意義な取り組みをしていかなければなりません」(フォア)

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
-
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