アフガニスタン:2022年人道支援資金要請、20億米ドル~一国への資金要請として過去最高額【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

カンダハールにあるユニセフが支援するクリニックの待合室で、診察を待つ女の子。(2021年11月16日撮影)  © UNICEF_UN0562566_Romenziカンダハールにあるユニセフが支援するクリニックの待合室で、診察を待つ女の子。(2021年11月16日撮影)  © UNICEF_UN0562566_Romenzi

【2021年12月7日 カブール(アフガニスタン)/カトマンズ(ネパール)/ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)は7日、アフガニスタンに住む2,400万人以上(そのうち半数が子ども)の人道支援ニーズに早急に対応するため、ひとつの国への支援要請としては過去最高額となる資金要請を発表しました。要請した20億米ドルの資金は、保健、栄養、水と衛生、教育、その他の重要な社会サービスの崩壊を食い止めるために使われます。

保健・栄養サービスの大混乱、悲惨な食料危機、干ばつ、はしか・急性水様性下痢・ポリオなどの予防可能な病気の発生、さらには厳しい冬の到来などによって、アフガニスタンの人道状況は悪化の一途をたどっています。

ユニセフ・アフガニスタン事務所代表代理のアリス・アクンガは「現在のアフガニスタンの人道状況は、特に子どもたちにとって、悲惨なものです。すでに冬に突入しているというのに、さらなる資金がなければ、ユニセフとパートナーは、最も支援を必要としている子どもや家族を支えることができません。家族が栄養価の高い食べ物を食卓に並べることに苦労し、保健システムがさらに疲弊する中、アフガニスタンの何百万人もの子どもが飢えや死のリスクにさらされています。水や衛生設備を利用できない子どもや、学校から切り離され、暴力を受ける危険性が高まった子どもたちもいます。子どもや家族の絶望感は高まる一方ですが、ユニセフは子どもたちを守るためにできる限りの努力をしていきます」と述べました。
 

ユニセフの支援物資である、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を母親に食べさせてもらう、重度の急性栄養不良の4歳のパルワナちゃん。(2021年11月11日撮影) © UNICEF_UN0551770_Bidelユニセフの支援物資である、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を母親に食べさせてもらう、重度の急性栄養不良の4歳のパルワナちゃん。(2021年11月11日撮影) © UNICEF_UN0551770_Bidel

ユニセフの推計によると、アフガニスタンでは、食料危機や水と衛生サービスが十分に利用できないことによって、2022年には5歳未満児の2人に1人が急性栄養不良に陥るとされています。命を脅かす病気は流行し続けており、2021年には6万件を超えるはしかの症例が報告されています。10人中8人が細菌に汚染された水を飲んでいると推定されています。教師の給料が支払われず、深刻な貧困状態が続くと、1,000万人の子どもが中途退学を余儀なくされる恐れがあります。約450万人の子どもが、メンタルヘルスや心理社会的支援を必要としています。摂氏-12℃にもなる厳しい冬の環境下で、家族は家と子どもたちを温めることで精一杯なのです。

人道主義の原則に基づき、子どもたちの治療やその他の重要なサービスを提供するために、命を守る支援を優先的に行います。ユニセフの対応は、彼らにとって重要なシステムの崩壊を防ぐことで、必要不可欠なサービスの継続性を確保するとともに、女性と女の子の権利の保護など、苦労の末に得たこれまでの成果を守ることにもつながります。

ユニセフは要請した資金によって支援を拡大していきます。たとえば
  • 重度の急性栄養不良に苦しむ100万人の子どもを治療する
  • 1,050万人の子どもにはしかワクチンを接種する
  • 1,150万人に安全な水を提供する
  • 750万人の子どもが教育を受けられるようにする
  • 最も厳しい状況にある子どもや家族の基本的ニーズを満たすために、現金給付支援の利用を拡大する

「ユニセフはドナーに対し、アフガニスタンの子どもたちへの支援を強く求めています。私たちは同じ人間であることを思い出し、子どもたちが生き延び、十分な栄養をとり、安全に学び続けるために、できることはすべて行う必要があります。簡単なことではありませんが、多くの子どもたちの命と健康がかかっている以上、この課題に立ち向かわなければなりません。アフガニスタンの子どもたちが彼らの権利である生活と未来を手に入れることができるように、国際社会に対し、私たちとともに取り組むことを求めます」(アクンガ)

2021年、ユニセフの資金要請に対するドナーの早急な支援のおかげで、命を守るサービスを提供できたことに感謝します。飢えに苦しむ子どもたちに栄養を与えるためのすぐに食べられる栄養治療食、最も水を必要としているコミュニティへの給水車、女の子を含む子どもたちへの学用品、支援が届きにくい地域に住み、厳しい状況にある子どもや家族に緊急医療を提供するための移動診療所などによって、最も支援を必要としている人々の命を守ることができたのです。

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ユニセフ「人道危機緊急募金」ご協力のお願い

世界中で起きている紛争や武力衝突、感染症の流行など人道危機に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「人道危機緊急募金」を受け付けております。アフガニスタンの子どもたちを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるために、ご協力をお願い申し上げます。

1. クレジットカード/コンビニ/ネットバンクから
  https://www.unicef.or.jp/kinkyu/humanity/2008.htm

2. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
    振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
    *通信欄に「人道危機」と明記願います。
    *窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。

※ 公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます。
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

 

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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