小学生が3日間の体験学習を通じて“豊かな海を守る大切さ”を学ぶイベント「かがわseaマスター 瀬戸内さぬきダコ調査隊」を開催しました!
2023年7月27日(木)・28日(金)・8月7日(月) <さぬき市津田町>
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
イベント概要
・開催概要
小学生が「瀬戸内さぬきダコ調査隊」を結成し、タコの生態、伝統的漁法・食文化、漁獲量減少の理由や資源回復に向けた活動などを体感し学ぶプログラムです。香川県民と古くから密接につながってきたタコを通じて、タコをはじめ豊富な海の幸に恵まれた瀬戸内海を未来に伝えるためには、海の環境を守るためには、何を考えて行動すればいいのか主体的に自主性をもって調査・学習します。
・日時:【1日目】7月27日(木)/【2日目】7月28日(金)/【3日目】8月7日(月)
・開催場所:さぬき市津田町
・参加人数:香川県内の小学5・6年生 20名
~1日目~ まずはタコについて勉強
まずは日本一タコが好きな都道府県が香川県と言われている理由や香川県の郷土料理についての学習です。
教えてくれたのは香川県農政水産部水産課の藤原宗弘さん。香川県民は芋タコ・タコ酢・タコ飯などタコを使った郷土料理が多く、昔からタコ料理が頻繁に食卓に並ぶことも香川県民のタコ好きの一つの理由ですね。
香川県民の食文化に欠かせないタコですが、いまマダコの漁獲量が減っています。「マダコが減っているってことは、水産資源が減っているの?」その疑問は香川県水産試験場環境資源研究部門主任研究員の高砂敬さんに聞きました。香川県だけでなく日本の水産資源が減っているのは事実で、水産資源を守るために香川県が取り組んでいる親ダコの放流事業や稚ダコの生産について教えていただきました。
しっかりタコのことを学んでいよいよタコつぼ漁の見学に。タコつぼを引き上げてくれる漁師さんは津田漁業協同組合の名和真治さんと上田真也さん。少し泳げば近づくことができる距離でタコつぼ漁を行っていることに隊員のみんながびっくりしていました。
実際に見学に行く前にタコつぼに何匹のタコが入っているかみんなで予想していましたが、結果はゼロ…。残念ながら今回は、生きたタコを見ることができませんでした。
タコクイズではタコの習性やオスとメスの見分け方など、タコについての知識をしっかり教わりました。
そしてお待ちかねのお昼ご飯。1日目のお昼は水産課 藤原さんのお話にもでてきた香川県の伝統タコ料理。
ねこ海レストラン店長の石井栄さんにおいしく見える盛り付け方を教わって、自分で盛り付けしました。
午後の学習、まずは東京海洋大学海洋生物資源学科の團重樹先生にマダコの生態と減少原因について教えていただきました。タコが減っている原因や稚ダコが育つためにはどんな環境が必要なのかなど、隊員どうしで話し合いながら團先生の話を聞いていました。稚ダコが稚ガニを捕食する動画にはみんな興味津々でした。
次の学習は瀬戸内海の環境の変化について。香川大学農学部教授 多田邦尚先生に生態ピラミッドを見ながら食物連鎖について教えていただきました。栄養分が減少したことも魚が減少している一つの原因ではありますが、藻場や干潟の減少、魚の捕りすぎ、地球温暖化による水温の上昇なども関係しているのではないかと考えられていて、今後、もっと研究を進めていく必要があるとお話ししてくださいました。
1日かけてタコをはじめとする水産資源や瀬戸内海の様子について学習し、いよいよ1日目最後の学習。かがわ里海大学ガイドの谷光承さんによるフィールドワークです。砂浜にポコポコ空いている穴。砂ガニが中にいるかもしれないので、探してみよう!掘ったところがわかりやすいように白い砂を入れて掘り進めます。
谷さんに教えてもらった方法でみんな散らばって穴を掘り進めました。
残念ながら砂ガニを見ることはできませんでしたが、浅瀬や岩場に生息する生き物を見つけることができ、隊員は満足そうでした。
~2日目~ 森と海はつながっている
1日目の振り返りをしたあと、バスに乗ってさぬき市民百年の森へ出発。バスの中では香川県東部森林事務所の技師さんから、森と海が川でつながっていることを教えていただきました。森林をきちんと手入れすることで分解された栄養分がゆっくり時間をかけて川を伝って流れていくため、森林の手入れが重要ということもわかりました。
学びながら、さぬき市百年の森に到着した調査隊のみんな。森のガイド 横山昌太郎さんによるフィールドワークを通して森と海のつながりを学習しました。土を掘っていくと、土の色が何層にもなっていることや、掘る場所によって土の固さや素材がちがっていることを知り、横山さんの解説のなかで、1日目多田先生に教わった生態ピラミッドが出てきたときには『生態ピラミッドだ!知ってる!習った!』という声が聞こえてきました。
お昼ご飯のあとは商品開発に挑戦しました。食物連鎖のバランスを保つためにも、増えているマダイを使って商品開発を行います。商品開発の前に材料で使用するマダイのほぐし身をつくる体験もしました!上手な隊員は約30グラムほど身をほぐすことができました。
「おかず」「おやつ」「ご飯のおとも」「その他(麺類)」のチームに分かれて商品のイラスト・材料・作り方・アピールポイントなどをまとめてプレゼン資料をつくり、安岐水産の皆さんに向けて考案したメニューのプレゼンを行いました。どのグループも個性を発揮したプレゼンテーションを実施し、安岐水産の皆さんも「どれを商品化するかとても悩む!」とおっしゃっていました。
商品化されるメニューは活動最終日に発表されました!
~3日目~ ついに商品化レシピが決定
10日ぶりに調査隊員20名が集まり、最終日が始まりました。
まずは商品発表!選ばれたのは…「ご飯のおとも」鯛フレークです!試作の調理過程の写真を見ながら商品のプロセスをお話ししてくださいました。
そして、1つに絞り切れなかったそうで、特別賞の 「めっちゃ⾷べタイ︕鯛餃子」とねこ海レストラン賞の 「レア付きなぞおにぎり」も安岐水産の社屋に隣接した「ねこ海レストラン」で後日販売予定です!
販売される商品が発表され、いよいよ最後の仕上げとして、販売する際にお客さんの目を引くPOPづくりです。前回の活動のあと「“マダイのほぐし身を使った商品の良さが伝わること”と“食品ロスの削減につながるということ”が伝わるような商品に付けるキャッチコピーを考えよう!」という宿題が出ていて、家族の皆さんと一緒に考えてきたキャッチコピーを画用紙に描いて発表しました。
今まで捨てていた部分も「食べられるかも!あますことなく食べタイ!」などなど、普段捨てられてしまっている部分もひと手間加えるとおいしく食べられる、捨てるのはもったいない、という内容のキャッチコピーが多くみられたのはほぐし身体験を通して実際に自分の目で見て感じたからこそだと思いました。
午後からは3日間の活動のまとめです。四国新聞社の記者さんに教えていただきながら新聞紙面づくりに挑戦しました。5W1Hを意識して3日間で一番心に残った体験や学習についての記事を書きました。調査隊員の原稿をもとに記者さんが取りまとめて実際に四国新聞に掲載されます。
11日前に初めて会ったと思えないほど仲良しになった調査隊員たち。最後にさぬきダコ調査隊の証である認定証を授与され、お別れを惜しみながらバスに乗って帰っていきました。これからも海を守るための活動に参加したり、家族やお友達に学習したことをお話しして活動の輪を広げてもらえると嬉しいです。
参加した子ども・保護者からの声
・海の環境問題や、タコについての興味を持ったので、これからも活動に参加したいと思った。
・釣りに行くときは海の資源を守るために食べきれる量だけ捕るように心がける。
・海を汚さないために、森や川を汚さないようにする。
・今回学んだことを家族や友達に伝えていきたい。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人海と日本プロジェクトinかがわ
URL:https://kagawa.uminohi.jp/
活動内容:海で進行している環境の悪化などの現状を、子供たちをはじめ全国の人たちが「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、日本財団、総合海洋政策本部、国土交通省の旗振りのもと、オールジャパンで推進するプロジェクトの香川事務局を務める。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
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